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九州大学 2000年 文系 第1問 解説

数学2/図形と式数学A/整数問題テーマ/軌跡・領域テーマ/整数の証明
九州大学 2000年 文系 第1問 解説

方針・初手

点 $P$ の $y$ 座標をパラメータ $t$ とおき、直線 $OP$ や円 $C$ の方程式から点 $Q$ の座標を求める。$\overline{OR} = \overline{PQ}$ であることを用いて点 $R$ の座標 $(x, y)$ を $t$ で表し、$t$ を消去して軌跡の方程式を求める。図形的に処理しやすい極座標($r, \theta$)を用いると計算量が減るため、極座標を用いた別解も示す。 後半は、求めた軌跡の方程式に指定された点を代入し、整数の性質(平方数)を利用して条件を満たす組を絞り込む。

解法1

(1)

点 $P$ は直線 $x=1$ 上にあるので、$P(1, t)$($t$ は実数)とおける。 直線 $OP$ の方程式は $y=tx$ である。

円 $C$ の方程式は $\left(x-\frac{1}{2}\right)^2 + y^2 = \frac{1}{4}$ より、$x^2 - x + y^2 = 0$ となる。 直線 $OP$ と円 $C$ の交点のうち、原点でない点 $Q$ の座標を求める。 $y=tx$ を円の方程式に代入して、

$$x^2 - x + (tx)^2 = 0$$

$$(1+t^2)x^2 - x = 0$$

$$x( (1+t^2)x - 1 ) = 0$$

点 $Q$ は原点ではないので $x \neq 0$ であり、

$$x = \frac{1}{1+t^2}$$

よって、点 $Q$ の座標は $\left( \frac{1}{1+t^2}, \frac{t}{1+t^2} \right)$ である。

線分 $OP$ の長さは $\overline{OP} = \sqrt{1^2 + t^2} = \sqrt{1+t^2}$ であり、線分 $OQ$ の長さは

$$\overline{OQ} = \sqrt{ \left( \frac{1}{1+t^2} \right)^2 + \left( \frac{t}{1+t^2} \right)^2 } = \frac{1}{\sqrt{1+t^2}}$$

となる。ここで、$t$ が実数全体を動くとき $0 < \frac{1}{1+t^2} \le 1$ であるから、点 $Q$ は常に線分 $OP$ 上にある。 点 $R(x, y)$ は半直線 $OP$ 上にあり、$\overline{OR} = \overline{PQ}$ を満たすから、

$$\overline{OR} = \overline{OP} - \overline{OQ} = \sqrt{1+t^2} - \frac{1}{\sqrt{1+t^2}} = \frac{t^2}{\sqrt{1+t^2}}$$

ベクトル $\overrightarrow{OR}$ は $\overrightarrow{OP}$ と同じ向きであるから、

$$\overrightarrow{OR} = \frac{\overline{OR}}{\overline{OP}} \overrightarrow{OP} = \frac{\frac{t^2}{\sqrt{1+t^2}}}{\sqrt{1+t^2}} \begin{pmatrix} 1 \\ t \end{pmatrix} = \frac{t^2}{1+t^2} \begin{pmatrix} 1 \\ t \end{pmatrix}$$

よって、点 $R$ の座標は

$$x = \frac{t^2}{1+t^2}, \quad y = \frac{t^3}{1+t^2}$$

と表される。これから $t$ を消去する。 $x$ の式から

$$x(1+t^2) = t^2$$

$$t^2(1-x) = x$$

$x=1$ とすると $0=1$ となり不適であるため $x \neq 1$。よって、

$$t^2 = \frac{x}{1-x}$$

$t$ がすべての実数値をとるとき $t^2 \ge 0$ であるから、$\frac{x}{1-x} \ge 0$ より $0 \le x < 1$ を得る。 また、$y$ の式から $y = t \cdot \frac{t^2}{1+t^2} = tx$ であり、両辺を2乗して

$$y^2 = t^2 x^2$$

これに $t^2 = \frac{x}{1-x}$ を代入すると、

$$y^2 = \frac{x}{1-x} \cdot x^2 = \frac{x^3}{1-x}$$

以上より、求める軌跡の方程式は

$$y^2 = \frac{x^3}{1-x} \quad (0 \le x < 1)$$

(2)

点 $\left(\frac{1}{m}, \frac{1}{n}\right)$ が (1) で求めた曲線上にあるとき、

$$\left(\frac{1}{n}\right)^2 = \frac{ \left(\frac{1}{m}\right)^3 }{ 1 - \frac{1}{m} }$$

整理すると、

$$\frac{1}{n^2} = \frac{\frac{1}{m^3}}{\frac{m-1}{m}} = \frac{1}{m^2(m-1)}$$

$$n^2 = m^2(m-1)$$

$m, n$ は自然数であるから、$m^2 > 0$ かつ $n^2 > 0$ であり、$m-1 > 0$ すなわち $m \ge 2$ となる。 上の式を変形すると、

$$m-1 = \frac{n^2}{m^2} = \left(\frac{n}{m}\right)^2$$

左辺 $m-1$ は整数であるから、有理数 $\frac{n}{m}$ は整数でなければならない。 よって、$m-1$ は整数の平方数となるので、$0$ 以上の整数 $k$ を用いて $m-1 = k^2$ とおける。 $m \ge 2$ より $k \ge 1$ の整数である。 このとき、$m = k^2+1$ であり、$n^2 = m^2 \cdot k^2$ から $n = mk = k(k^2+1)$ となる。

$m, n$ は $100$ 以下の自然数であるから、

$$m \le 100 \iff k^2+1 \le 100 \iff k^2 \le 99$$

よって、$k$ は $1$ から $9$ までの整数である。 同時に $n \le 100$ すなわち $k(k^2+1) \le 100$ を満たす必要がある。

$k \ge 5$ のときは常に $n > 100$ となり不適である。 よって、条件を満たす組は $(2, 2), (5, 10), (10, 30), (17, 68)$ である。

解法2

(1) 極座標による解法

原点 $O$ を極とし、$x$ 軸の正の向きを始線とする極座標 $(r, \theta)$ を考える。 直線 $x=1$ は $r \cos\theta = 1$ より $r = \frac{1}{\cos\theta}$ と表せる。動点 $P$ はこの直線上を動くので、その偏角を $\theta$ とすると $-\frac{\pi}{2} < \theta < \frac{\pi}{2}$ であり、$P \left( \frac{1}{\cos\theta}, \theta \right)$ と表せる。

円 $C$ の方程式は $x^2+y^2=x$ であるから、極方程式は $r^2 = r \cos\theta$ より $r = \cos\theta$ となる。 点 $Q$ は半直線 $OP$ 上にあり、円 $C$ 上の原点以外の点であるから、$Q(\cos\theta, \theta)$ である。

ここで、$\overline{OR} = \overline{OP} - \overline{OQ}$ であるから、点 $R$ の極座標を $(r, \theta)$ とすると、

$$r = \frac{1}{\cos\theta} - \cos\theta = \frac{1-\cos^2\theta}{\cos\theta} = \frac{\sin^2\theta}{\cos\theta}$$

よって、点 $R(x, y)$ の直交座標は

$$x = r \cos\theta = \frac{\sin^2\theta}{\cos\theta} \cdot \cos\theta = \sin^2\theta$$

$$y = r \sin\theta = \frac{\sin^2\theta}{\cos\theta} \cdot \sin\theta = \frac{\sin^3\theta}{\cos\theta}$$

となる。これらから $\theta$ を消去する。 $\sin^2\theta = x$、$\cos^2\theta = 1-\sin^2\theta = 1-x$ である。 $y$ の式を2乗して、

$$y^2 = \frac{\sin^6\theta}{\cos^2\theta} = \frac{ (\sin^2\theta)^3 }{\cos^2\theta} = \frac{x^3}{1-x}$$

$-\frac{\pi}{2} < \theta < \frac{\pi}{2}$ のとき、$0 < \cos\theta \le 1$、$0 \le \sin^2\theta < 1$ であるから、$0 \le x < 1$ となる。 よって、求める軌跡の方程式は

$$y^2 = \frac{x^3}{1-x} \quad (0 \le x < 1)$$

解説

(1) は動点の軌跡を求める標準的な問題である。点 $P$ の座標を $(1, t)$ と文字でおいて愚直に計算しても導出できるが、図形が円や直線で構成されていることから、解法2のように極座標を導入すると、距離の計算とパラメータの消去が極めてスムーズに完了する。 (2) は (1) で求めた方程式に分数座標を代入して得られる不定方程式を解く問題である。「有理数 $\frac{n}{m}$ の平方」が「整数」に等しいことから、$m-1$ が平方数になるという条件に気づけるかが鍵となる。平方数 $k^2$ で置き換えることで見通し良く解き進めることができる。

答え

(1) $y^2 = \frac{x^3}{1-x} \quad (0 \le x < 1)$ (2) $(m, n) = (2, 2), (5, 10), (10, 30), (17, 68)$

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