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九州大学 2009年 文系 第3問 解説

数学A/確率数学A/場合の数テーマ/場合分け
九州大学 2009年 文系 第3問 解説

方針・初手

すべてのカードの並べ方(全事象)は $6!$ 通りであり、これらは同様に確からしい。

(1) は条件 $a+b=c$ を満たす異なる3つの自然数 $a, b, c$ ($1 \leqq a, b, c \leqq 6$) の組を過不足なく数え上げる。最大となる $c$ の値に着目して場合分けすると見通しが良い。

(2) は条件 $a+b=c+d$ を満たす異なる4つの自然数 $a, b, c, d$ の組を考える。2数の和 $k = a+b = c+d$ の値に着目して組を探す方法と、選ばれた4つの数に着目して組を探す方法が考えられる。

解法1

6枚のカードの並べ方の総数は $6! = 720$ 通りである。

(1)

$a+b=c$ を満たす $a, b, c$ を考える。$a, b, c$ は $1$ から $6$ までの互いに異なる自然数である。 $c$ の値によって場合分けして、$(a, b)$ の組の数を調べる。

$c=1, 2$ のとき これを満たす異なる自然数 $a, b$ は存在しない。

$c=3$ のとき $\{a, b\} = \{1, 2\}$ より、$(a, b) = (1, 2), (2, 1)$ の $2$ 通り。

$c=4$ のとき $\{a, b\} = \{1, 3\}$ より、$(a, b) = (1, 3), (3, 1)$ の $2$ 通り。

$c=5$ のとき $\{a, b\} = \{1, 4\}, \{2, 3\}$ より、$(a, b)$ はそれぞれ $2$ 通りずつあり、計 $4$ 通り。

$c=6$ のとき $\{a, b\} = \{1, 5\}, \{2, 4\}$ より、$(a, b)$ はそれぞれ $2$ 通りずつあり、計 $4$ 通り。

以上から、条件を満たす $(a, b, c)$ の組の総数は、

$$ 2+2+4+4 = 12 \text{ (通り)} $$

である。 それぞれの組について、残りの $d, e, f$ のカードの並べ方は $3! = 6$ 通りある。 したがって、求める確率は、

$$ \frac{12 \times 6}{720} = \frac{1}{10} $$

(2)

$a+b=c+d=k$ とおく。$a, b, c, d$ は互いに異なるので、$k$ は異なる2つの組み合わせで表せる数でなければならない。 $1$ から $6$ の異なる2数の和として考えられる最小値は $1+2=3$、最大値は $5+6=11$ である。 和が $k$ となる2数の組を調べる。

$k=5$ のとき $\{1, 4\}, \{2, 3\}$ の $2$ 組がある。 この $2$ 組を $\{a, b\}$ と $\{c, d\}$ に割り当てる方法は $2$ 通りあり、さらに $a$ と $b$、$c$ と $d$ の順序がそれぞれ $2$ 通りあるため、$(a, b, c, d)$ の決め方は $2 \times 2 \times 2 = 8$ 通り。

$k=6$ のとき $\{1, 5\}, \{2, 4\}$ の $2$ 組があり、同様に $8$ 通り。

$k=8$ のとき $\{2, 6\}, \{3, 5\}$ の $2$ 組があり、同様に $8$ 通り。

$k=9$ のとき $\{3, 6\}, \{4, 5\}$ の $2$ 組があり、同様に $8$ 通り。

$k=7$ のとき $\{1, 6\}, \{2, 5\}, \{3, 4\}$ の $3$ 組がある。 この中から異なる $2$ 組を選ぶ方法は ${}_3\text{C}_2 = 3$ 通り。 選んだ $2$ 組を $\{a, b\}, \{c, d\}$ に割り当てて並べる方法はそれぞれ $8$ 通りあるので、$(a, b, c, d)$ の決め方は $3 \times 8 = 24$ 通り。

これら以外の $k$($3, 4, 10, 11$)では、和が $k$ となる組が $1$ つしか作れないため不適である。 以上から、条件を満たす $(a, b, c, d)$ の組の総数は、

$$ 8 \times 4 + 24 = 56 \text{ (通り)} $$

である。 それぞれの組について、残りの $e, f$ のカードの並べ方は $2! = 2$ 通りある。 したがって、求める確率は、

$$ \frac{56 \times 2}{720} = \frac{112}{720} = \frac{7}{45} $$

解法2

(2) の別解

$a+b=c+d$ となるような $4$ つの数を選ぶ組み合わせに着目する。 $1$ から $6$ までの $6$ つの数の中から異なる $4$ つの数を選ぶ方法は ${}_6\text{C}_4 = 15$ 通りである。 選ばれた $4$ つの数を小さい順に $x < y < z < w$ とする。 これらを用いて和が等しい $2$ つの組を作る場合、最も大きい数と最も小さい数の和が、残りの $2$ 数の和と等しくならなければならない。すなわち $x+w=y+z$ が成り立つ。 これを満たすような $4$ 数の組み合わせ $(x, y, z, w)$ を数え上げる。

$1+4=2+3$ より、$\{1, 2, 3, 4\}$ $1+5=2+4$ より、$\{1, 2, 4, 5\}$ $1+6=2+5=3+4$ より、$\{1, 2, 5, 6\}, \{1, 3, 4, 6\}, \{2, 3, 4, 5\}$ $2+6=3+5$ より、$\{2, 3, 5, 6\}$ $3+6=4+5$ より、$\{3, 4, 5, 6\}$

条件を満たす $4$ 数の組み合わせは、上記の $7$ 組である。 それぞれの組み合わせにおいて、$2$ つの組を $\{a, b\}$ と $\{c, d\}$ に割り当てる方法が $2$ 通り、$a$ と $b$ の入れ替えが $2$ 通り、$c$ と $d$ の入れ替えが $2$ 通りある。 したがって、$(a, b, c, d)$ の決め方の総数は、

$$ 7 \times (2 \times 2 \times 2) = 56 \text{ (通り)} $$

残りの $e, f$ の並べ方は $2! = 2$ 通りあるため、条件を満たす並べ方の総数は $56 \times 2 = 112$ 通り。 求める確率は、

$$ \frac{112}{6!} = \frac{7}{45} $$

解説

場合の数・確率における、条件を満たす組の数え上げ問題である。 全体像を把握しやすくするために、基準を明確に設けて数え上げることが重要である。 (1) では最も大きな値となる $c$ を基準に、(2) では $a+b$ および $c+d$ の「和の値」を基準とする(解法1)、あるいは使用される「$4$ つの数」を基準とする(解法2)ことで、見落としなく体系的に数え上げることができる。解法2は、等差数列の性質(両端の和が等しい)を意識すると素早く書き出せる。

答え

(1) $$ \frac{1}{10} $$

(2) $$ \frac{7}{45} $$

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