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九州大学 2009年 文系 第4問 解説

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九州大学 2009年 文系 第4問 解説

方針・初手

接線の方程式を立てて交点 $R$ の座標を計算し、面積を求める標準的な問題です。面積の計算では、図形を $y$ 軸に平行な線分で分割すると計算が容易になります。特に (2) では、図形を直線 $PQ$ で上下に分割して考えるのがポイントです。

解法1

(1)

曲線 $y = x^2$ について $y' = 2x$ である。

点 $P(a, a^2)$ における接線の方程式は $$ y - a^2 = 2a(x - a) \iff y = 2ax - a^2 $$

点 $Q(b, b^2)$ における接線の方程式は $$ y = 2bx - b^2 $$

この2直線の交点 $R$ の $x$ 座標は $$ 2ax - a^2 = 2bx - b^2 $$

$$ 2(b - a)x = b^2 - a^2 $$

$a < 0 < b$ より $b - a \neq 0$ であるから、両辺を $2(b - a)$ で割って $$ x = \frac{a+b}{2} $$

このとき $y$ 座標は $$ y = 2a \cdot \frac{a+b}{2} - a^2 = ab $$

よって、点 $R$ の座標は $\left( \frac{a+b}{2}, ab \right)$ である。

次に、$\triangle PRQ$ の面積を求める。

直線 $PQ$ の方程式は、傾きが $\frac{b^2 - a^2}{b - a} = a + b$ より $$ y - a^2 = (a+b)(x - a) \iff y = (a+b)x - ab $$

$x = \frac{a+b}{2}$ における直線 $PQ$ 上の点の $y$ 座標は $$ (a+b) \cdot \frac{a+b}{2} - ab = \frac{a^2+b^2}{2} $$

この点と $R\left(\frac{a+b}{2}, ab\right)$ を結ぶ線分は $y$ 軸に平行であり、その長さは $$ \frac{a^2+b^2}{2} - ab = \frac{(a-b)^2}{2} $$

$\triangle PRQ$ をこの線分で2つの三角形に分割して考えると、それぞれの高さは点 $P, Q$ との $x$ 座標の差の絶対値となる。これらの和は $b - a$ であるから、$\triangle PRQ$ の面積 $S_1$ は $$ S_1 = \frac{1}{2} \cdot \frac{(a-b)^2}{2} \cdot (b - a) = \frac{(b-a)^3}{4} $$

(2)

平行四辺形 $PRQS$ において、対角線 $PQ$ と $RS$ は互いの中点で交わる。

対角線 $PQ$ の中点の $x$ 座標は $\frac{a+b}{2}$ であり、これは点 $R$ の $x$ 座標と等しい。

したがって、対角線 $RS$ の中点の $x$ 座標も $\frac{a+b}{2}$ となり、点 $S$ の $x$ 座標も $\frac{a+b}{2}$ である。すなわち、線分 $RS$ は $y$ 軸に平行である。

また、平行四辺形の性質より $\triangle PSQ \equiv \triangle RQP$ であるから、$\triangle PSQ$ の面積は $\triangle PRQ$ の面積 $S_1$ に等しい。

折れ線 $PSQ$ は直線 $PQ$ の上側にあり、放物線 $y = x^2$ は直線 $PQ$ の下側にある。

したがって、求める面積を $S_2$ とすると、$S_2$ は $\triangle PSQ$ の面積と、直線 $PQ$ と放物線 $y = x^2$ で囲まれた部分の面積の和である。

直線 $PQ$ と放物線 $y = x^2$ で囲まれた部分の面積は $$ \int_{a}^{b} \left\{ ((a+b)x - ab) - x^2 \right\} dx = -\int_{a}^{b} (x-a)(x-b) dx = \frac{(b-a)^3}{6} $$

よって、 $$ S_2 = \frac{(b-a)^3}{4} + \frac{(b-a)^3}{6} = \frac{5(b-a)^3}{12} $$

(3)

$\angle PRQ = 90^\circ$ より、2つの接線は直交する。

それぞれの傾きは $2a, 2b$ であるから $$ 2a \cdot 2b = -1 \iff ab = -\frac{1}{4} $$

(2) より、$S_2 = \frac{5}{12}(b-a)^3$ であり、$b-a > 0$ であるから、$b-a$ が最小になるとき $S_2$ も最小となる。

$a = -\frac{1}{4b}$ より $$ b - a = b + \frac{1}{4b} $$

$b > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より $$ b + \frac{1}{4b} \ge 2\sqrt{b \cdot \frac{1}{4b}} = 2 \cdot \frac{1}{2} = 1 $$

等号が成立するのは $b = \frac{1}{4b}$ のときであり、$b > 0$ より $b = \frac{1}{2}$ である。このとき $a = -\frac{1}{2}$ となり、$a < 0 < b$ を満たす。

よって $b-a$ の最小値は $1$ である。

したがって、$S_2$ の最小値は $$ \frac{5}{12} \cdot 1^3 = \frac{5}{12} $$

解説

放物線と接線に関する典型的な面積計算・図形問題です。

これらはよく知られた性質であり、計算の検算にも役立ちます。本問では (1) で放物線の外側にある $\triangle PRQ$ の面積を求めているため、弦と接線で作られる三角形の面積は $\frac{1}{12} + \frac{1}{6} = \frac{1}{4}$ に比例する形となることに注意しましょう。 また、(3) では条件から文字を減らし、「相加平均と相乗平均の大小関係」を用いる流れがスムーズです。

答え

(1) $R\left(\frac{a+b}{2}, ab\right)$, 面積は $\frac{(b-a)^3}{4}$

(2) $\frac{5(b-a)^3}{12}$

(3) $\frac{5}{12}$

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