九州大学 1967年 理系 第1問 解説

方針・初手
(1) 円外の点から引いた接線の方程式を求める典型問題である。解法として大きく2つのアプローチがある。1つ目は「接点の座標を $(x_1, y_1)$ とおく方法」、2つ目は「接線の傾きを $m$ とおき、円の中心と接線との距離が半径に等しいことを利用する方法」である。ここでは両方の解法を示す。
(2) 接点の座標から愚直に四角形の面積を求めることも可能だが、円の接線が接点を通る半径と垂直に交わるという幾何的性質を利用する方が、計算量が少なく見通しが良い。
解法1
(1)
接点の座標を $(x_1, y_1)$ とおく。
この点における円 $x^2 + y^2 = 5$ の接線の方程式は
$$x_1 x + y_1 y = 5$$
これが点 $A(1, 3)$ を通るので、
$$x_1 + 3 y_1 = 5$$
よって
$$x_1 = 5 - 3 y_1$$
また、接点 $(x_1, y_1)$ は円上の点であるから、
$$x_1^2 + y_1^2 = 5$$
これに先の式を代入して、
$$(5 - 3 y_1)^2 + y_1^2 = 5$$
$$25 - 30 y_1 + 9 y_1^2 + y_1^2 = 5$$
$$10 y_1^2 - 30 y_1 + 20 = 0$$
$$y_1^2 - 3 y_1 + 2 = 0$$
$$(y_1 - 1)(y_1 - 2) = 0$$
ゆえに $y_1 = 1, 2$ となる。
$y_1 = 1$ のとき、接点の $x$ 座標は $x_1 = 5 - 3 \cdot 1 = 2$ となり、接線の方程式は
$$2 x + y = 5$$
$y_1 = 2$ のとき、接点の $x$ 座標は $x_1 = 5 - 3 \cdot 2 = -1$ となり、接線の方程式は
$$-x + 2 y = 5$$
したがって、求める接線の方程式は $2 x + y = 5$ および $-x + 2 y = 5$ である。
(2)
円の半径は $\sqrt{5}$ である。また、原点 $O(0, 0)$ と点 $A(1, 3)$ の距離の2乗は
$$OA^2 = 1^2 + 3^2 = 10$$
円の接線は接点を通る半径と垂直に交わるため、$\angle OPA = \angle OQA = 90^\circ$ となる。すなわち、$\triangle OPA$ と $\triangle OQA$ は、斜辺が $OA$ である直角三角形である。
$\triangle OPA$ において、三平方の定理より
$$AP^2 = OA^2 - OP^2 = 10 - 5 = 5$$
$AP > 0$ より $AP = \sqrt{5}$ である。
したがって、$\triangle OPA$ の面積は
$$\frac{1}{2} \cdot OP \cdot AP = \frac{1}{2} \cdot \sqrt{5} \cdot \sqrt{5} = \frac{5}{2}$$
四角形 $OPAQ$ は、合同な2つの直角三角形 $\triangle OPA$ と $\triangle OQA$ を貼り合わせた図形であるから、その面積は
$$2 \times \frac{5}{2} = 5$$
解法2
(1)
点 $A(1, 3)$ を通る、 $y$ 軸に平行な直線 $x = 1$ について考える。この直線と原点との距離は $1$ であり、円の半径 $\sqrt{5}$ と等しくない。したがって、求める接線は $y$ 軸と平行ではない。
よって、接線の傾きを $m$ として、接線の方程式を
$$y = m(x - 1) + 3$$
とおくことができる。これを一般形に変形すると
$$mx - y - m + 3 = 0$$
この直線と原点 $O(0,0)$ との距離が、円の半径 $\sqrt{5}$ に等しくなればよいので、点と直線の距離の公式より
$$\frac{|-m + 3|}{\sqrt{m^2 + (-1)^2}} = \sqrt{5}$$
両辺に $\sqrt{m^2 + 1}$ を掛けて2乗すると
$$(-m + 3)^2 = 5(m^2 + 1)$$
$$m^2 - 6m + 9 = 5m^2 + 5$$
$$4m^2 + 6m - 4 = 0$$
$$2m^2 + 3m - 2 = 0$$
$$(2m - 1)(m + 2) = 0$$
ゆえに $m = \frac{1}{2}, -2$ となる。
$m = \frac{1}{2}$ のとき、接線の方程式は
$$y = \frac{1}{2}(x - 1) + 3 = \frac{1}{2}x + \frac{5}{2}$$
$m = -2$ のとき、接線の方程式は
$$y = -2(x - 1) + 3 = -2x + 5$$
解説
(1) は円外の点から引いた接線の方程式を求める基本問題である。「接点をおく方法」と「傾きをおく方法」のどちらでも解答できるようにしておきたい。なお、「傾きをおく方法」を採用する場合、方程式 $y = m(x - x_1) + y_1$ では $y$ 軸に平行な直線($x = k$ の形)を表現できないため、あらかじめその可能性を検討し、除外しておく記述が不可欠である。
(2) は図形的な性質に着目できるかどうかが鍵となる。(1) で接点の座標が $(2, 1)$ と $(-1, 2)$ であることが求まっているので、それを用いて多角形の面積を計算する手法(たとえば三角形2つに分割して頂点座標から面積を求めるなど)も可能である。しかし、円と接線の性質「接線 $\perp$ 半径」に気付けば、直角三角形の面積を求めて2倍するだけで容易に答えにたどり着くことができる。
答え
(1) $y = -2x + 5, \quad y = \frac{1}{2}x + \frac{5}{2}$ (または $2x + y = 5, \quad x - 2y + 5 = 0$ など)
(2) $5$
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