九州大学 1974年 理系 第4問 解説

方針・初手
放物線と直線の接する条件から、パラメータ $a$ と $b$ の関係式を導出することが第一歩である。そこから $b$ のとり得る値の範囲を特定する。その後、回転体の体積 $V$ を $b$ の関数として定式化し、微積分を用いて最大値を求める。放物線と $x$ 軸の交点が線分 $BC$ 上に収まっているかの確認も忘れないようにする。
解法1
(1)
直線 $AB$ は点 $A(0, 1)$ と $B(1, 0)$ を通るので、その方程式は
$$y = -x + 1 \quad (0 \leqq x \leqq 1)$$
である。 放物線 $y = -ax^2 + b$ と直線 $y = -x + 1$ が接するとき、これらから $y$ を消去した $x$ についての2次方程式
$$-ax^2 + b = -x + 1 \iff ax^2 - x + 1 - b = 0$$
は重解をもつ。 判別式を $D$ とすると $D = 0$ となるから、
$$(-1)^2 - 4a(1 - b) = 0 \iff 4a(1 - b) = 1$$
問題の条件より $a > \frac{1}{2}$ であるから、
$$1 - b = \frac{1}{4a} > 0 \iff b < 1$$
また、条件 $b > 0$ とあわせて $0 < b < 1$ となる。 さらに、$1 - b = \frac{1}{4a}$ を変形して
$$a = \frac{1}{4(1 - b)}$$
を得る。$a > \frac{1}{2}$ より
$$\frac{1}{4(1 - b)} > \frac{1}{2} \iff 1 - b < \frac{1}{2} \iff b > \frac{1}{2}$$
以上より、$b$ のとり得る値の範囲は $\frac{1}{2} < b < 1$ である。 このとき、接点の $x$ 座標は重解 $x = \frac{1}{2a} = 2(1-b)$ で与えられ、$\frac{1}{2} < b < 1$ より $0 < 2(1-b) < 1$ となる。これは接点が線分 $AB$ 上にあることを満たしている。(放物線と $\triangle ABC$ はともに $y$ 軸対称であるから、放物線は辺 $AC$ にも同様に接する)
次に、放物線 $y = -ax^2 + b$ と $x$ 軸との交点の $x$ 座標を調べる。$y = 0$ とすると
$$ax^2 = b \iff x = \pm \sqrt{\frac{b}{a}}$$
ここで、$\frac{b}{a}$ を計算すると
$$\frac{b}{a} = 4b(1 - b) = -4\left(b - \frac{1}{2}\right)^2 + 1$$
$\frac{1}{2} < b < 1$ においては $0 < \frac{b}{a} < 1$ であるため、$0 < \sqrt{\frac{b}{a}} < 1$ となる。 したがって、放物線と $x$ 軸の交点は線分 $BC$($-1 \leqq x \leqq 1$)上に存在する。
放物線と線分 $BC$ で囲まれる部分を $y$ 軸のまわりに回転してできる立体の体積 $V$ は、$y$ 軸に垂直な平面で切断した円の面積を $y$ 方向に積分して求められる。
$$V = \pi \int_{0}^{b} x^2 \, dy$$
$y = -ax^2 + b$ より $x^2 = \frac{b - y}{a}$ であるから、
$$\begin{aligned} V &= \pi \int_{0}^{b} \frac{b - y}{a} \, dy \\ &= \frac{\pi}{a} \left[ b y - \frac{1}{2} y^2 \right]_{0}^{b} \\ &= \frac{\pi}{a} \left( b^2 - \frac{1}{2} b^2 \right) \\ &= \frac{\pi b^2}{2a} \end{aligned}$$
これに $a = \frac{1}{4(1 - b)}$ を代入して、
$$V = \frac{\pi b^2}{2 \cdot \frac{1}{4(1 - b)}} = 2\pi b^2 (1 - b)$$
となる。
(2)
(1) の結果より、$V(b) = 2\pi(b^2 - b^3)$ である。 $f(b) = b^2 - b^3$ とおく。($\frac{1}{2} < b < 1$) $f(b)$ を $b$ で微分すると、
$$f'(b) = 2b - 3b^2 = b(2 - 3b)$$
$f'(b) = 0$ となる $b$ の値は $b = 0, \frac{2}{3}$ であり、$\frac{1}{2} < b < 1$ における $f(b)$ の増減表は以下のようになる。
| $b$ | $\left(\frac{1}{2}\right)$ | $\cdots$ | $\frac{2}{3}$ | $\cdots$ | $(1)$ |
|---|---|---|---|---|---|
| $f'(b)$ | $+$ | $0$ | $-$ | ||
| $f(b)$ | $\nearrow$ | 極大 | $\searrow$ |
増減表より、$f(b)$ は $b = \frac{2}{3}$ のとき最大値をとる。 その値は、
$$f\left(\frac{2}{3}\right) = \left(\frac{2}{3}\right)^2 - \left(\frac{2}{3}\right)^3 = \frac{4}{9} - \frac{8}{27} = \frac{4}{27}$$
したがって、$V$ の最大値は
$$V = 2\pi \cdot \frac{4}{27} = \frac{8}{27}\pi$$
である。
このとき、$a$ の値は
$$a = \frac{1}{4\left(1 - \frac{2}{3}\right)} = \frac{1}{4 \cdot \frac{1}{3}} = \frac{3}{4}$$
である。 放物線が辺 $AB$ に接する点 $P$ の $x$ 座標は $x = \frac{1}{2a}$ であったから、
$$x = \frac{1}{2 \cdot \frac{3}{4}} = \frac{2}{3}$$
点 $P$ は直線 $y = -x + 1$ 上にあるから、その $y$ 座標は
$$y = -\frac{2}{3} + 1 = \frac{1}{3}$$
したがって、点 $P$ の座標は $\left(\frac{2}{3}, \frac{1}{3}\right)$ である。
解説
放物線と直線の接条件から文字定数の関係式を導き、積分を用いて回転体の体積を求め、微分で最大値を求めるという、微積分の総合問題である。 注意すべき点として、$V$ を求める際に、放物線と $x$ 軸との交点 $\left(\pm \sqrt{\frac{b}{a}}, 0\right)$ が線分 $BC$ ($-1 \leqq x \leqq 1$)の内部に含まれることを確認すること、そして $a > \frac{1}{2}$ という条件から $b$ の変域が絞り込まれることが挙げられる。この変域の確認を怠ると、増減表の有効範囲が不明確になるため、必ず記述しておくべきポイントである。 回転体の体積計算は、円筒殻法(バームクーヘン積分)を用いて $V = 2\pi \int_{0}^{\sqrt{b/a}} x(-ax^2+b) dx$ と立式しても同様の結果が得られるが、$y$ 軸まわりの回転体であるため、円板法で $y$ について積分する方が素直で計算も簡潔である。
答え
(1)
$$V = 2\pi b^2(1 - b)$$
(2) 最大値: $\frac{8}{27}\pi$ 点 $P$ の座標: $\left(\frac{2}{3}, \frac{1}{3}\right)$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











