北海道大学 1988年 理系 第3問 解説

方針・初手
- (1) は、問題文の(ii)の手順通りに点 $P_n$ と点 $Q_n$ の座標を立式し、$a_n$ と $a_{n+1}$ の関係を導く。
- (2) は、(1) で得られた漸化式が累乗の形をしているため、両辺の対数をとって線形な漸化式に帰着させる。
- (3) は、数列の積の極限を求める問題である。そのまま積を計算するのではなく、(2)と同様に対数をとった数列の和を考えることで見通しよく計算できる。
解法1
(1)
点 $(a_n, 0)$ を通り $y$ 軸に平行な直線の方程式は $x = a_n$ である。 この直線と直線 $L : y = 2x$ の交点 $P_n$ の座標は、$(a_n, 2a_n)$ となる。
次に、点 $P_n$ を通り $x$ 軸に平行な直線の方程式は $y = 2a_n$ である。 この直線と曲線 $C : y = \frac{1}{2}x^3$ の交点 $Q_n$ の $x$ 座標が $a_{n+1}$ であるから、
$$2a_n = \frac{1}{2}a_{n+1}^3$$
が成り立つ。整理すると、
$$a_{n+1}^3 = 4a_n$$
となる。$a_1 = \frac{1}{2} > 0$ であり、帰納的にすべての自然数 $n$ について $a_n > 0$ であるため、実数解をとって、
$$a_{n+1} = \sqrt[3]{4a_n}$$
(2)
すべての自然数 $n$ について $a_n > 0$ であるから、(1)で求めた漸化式の両辺の底を $2$ とする対数をとると、
$$\log_2 a_{n+1} = \log_2 \left( 4^{\frac{1}{3}} a_n^{\frac{1}{3}} \right)$$
$$\log_2 a_{n+1} = \frac{2}{3} + \frac{1}{3} \log_2 a_n$$
ここで、$b_n = \log_2 a_n$ とおくと、
$$b_{n+1} = \frac{1}{3}b_n + \frac{2}{3}$$
この漸化式は、特性方程式 $\alpha = \frac{1}{3}\alpha + \frac{2}{3}$ の解が $\alpha = 1$ であることから、次のように変形できる。
$$b_{n+1} - 1 = \frac{1}{3}(b_n - 1)$$
また、初項 $b_1$ は、
$$b_1 = \log_2 a_1 = \log_2 \frac{1}{2} = -1$$
であるから、$b_1 - 1 = -2$ となる。 したがって、数列 $\{b_n - 1\}$ は初項 $-2$、公比 $\frac{1}{3}$ の等比数列である。
$$b_n - 1 = -2 \left( \frac{1}{3} \right)^{n-1}$$
$$b_n = 1 - 2 \left( \frac{1}{3} \right)^{n-1}$$
$b_n = \log_2 a_n$ より $a_n = 2^{b_n}$ であるから、求める一般項は、
$$a_n = 2^{1 - 2 \left( \frac{1}{3} \right)^{n-1}}$$
(3)
(2)の途中経過より、$\log_2 a_k = 1 - 2 \left( \frac{1}{3} \right)^{k-1}$ である。 これを用いて $a_1 a_2 \cdots a_n$ の底を $2$ とする対数をとって計算する。
$$\log_2 (a_1 a_2 \cdots a_n) = \sum_{k=1}^n \log_2 a_k$$
$$= \sum_{k=1}^n \left\{ 1 - 2 \left( \frac{1}{3} \right)^{k-1} \right\}$$
$$= n - 2 \cdot \frac{1 - \left( \frac{1}{3} \right)^n}{1 - \frac{1}{3}}$$
$$= n - 3 \left\{ 1 - \left( \frac{1}{3} \right)^n \right\}$$
$$= n - 3 + 3 \left( \frac{1}{3} \right)^n$$
対数の定義から、
$$a_1 a_2 \cdots a_n = 2^{n - 3 + 3 \left( \frac{1}{3} \right)^n}$$
となる。これより、求める極限の式は、
$$\frac{a_1 a_2 \cdots a_n}{2^n} = \frac{2^{n - 3 + 3 \left( \frac{1}{3} \right)^n}}{2^n} = 2^{-3 + 3 \left( \frac{1}{3} \right)^n}$$
と表せる。$n \to \infty$ のとき $\left( \frac{1}{3} \right)^n \to 0$ であるから、
$$\lim_{n \to \infty} \frac{a_1 a_2 \cdots a_n}{2^n} = \lim_{n \to \infty} 2^{-3 + 3 \left( \frac{1}{3} \right)^n} = 2^{-3} = \frac{1}{8}$$
解説
- 累乗を含む漸化式 $a_{n+1} = p a_n^q$ の形は、両辺の対数をとることで線形な漸化式に帰着させるのが定石である。対数をとる際は、真数条件として $a_n > 0$ であることの確認を忘れないようにする。
- (3) のように数列の積の極限を求める場合も、対数をとることで積を和に変換でき、計算が容易になる。本解答では(2)で対数をとった数列 $\{b_n\}$ を定めているため、そのまま等比数列の和の公式を利用するとスムーズである。
答え
(1) $a_{n+1} = \sqrt[3]{4a_n}$ または $a_{n+1}^3 = 4a_n$ (2) $a_n = 2^{1 - 2 \left( \frac{1}{3} \right)^{n-1}}$ (3) $\frac{1}{8}$
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