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九州大学 1984年 理系 第4問 解説

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九州大学 1984年 理系 第4問 解説

方針・初手

関数 $G(x)$ の最大値の存在を示すために、導関数 $G'(x)$ を計算し、関数の増減を調べる。積分で定義された関数の微分であるため、微分積分学の基本定理を用いる。導関数の符号変化を調べる際には、与えられた $f(x)$ の単調性($f'(x) > 0$)と端点および極限の条件($f(0)=a$, $\lim_{x \to \infty} f(x) = b$)を利用して、中間値の定理を適用する。後半は、前半で得られた「$G'(x)=0$ となる条件」を具体的な関数に当てはめて計算を進める。

解法1

(1)

$G(x) = kx - \int_{0}^{x} f(s)ds$ を $x$ で微分すると、

$$G'(x) = k - f(x)$$

となる。

条件より $f'(x) > 0$ であるから、関数 $f(x)$ は $x \geqq 0$ において単調に増加する連続関数である。 また、条件より $f(0) = a$、$\lim_{x \to \infty} f(x) = b$ であり、$a < k < b$ が成り立つ。 したがって、中間値の定理により

$$f(c) = k$$

を満たす実数 $c$ $(c > 0)$ がただ1つ存在する。

$G'(x)$ の符号について調べると、 $0 \leqq x < c$ のとき、$f(x) < f(c) = k$ より $G'(x) > 0$ $x = c$ のとき、$f(c) = k$ より $G'(c) = 0$ $x > c$ のとき、$f(x) > f(c) = k$ より $G'(x) < 0$ となる。

これより、$x \geqq 0$ における関数 $G(x)$ の増減は、$x=c$ を境に単調増加から単調減少へと転じる。 したがって、$G(x)$ は $x = c$ において極大かつ最大となる。 以上より、$G(x)$ は最大値をもつことが示された。

(2)

$f(x) = \log(1+x)$ のとき、(1)の議論における $a, b$ を求めると、

$$a = f(0) = \log 1 = 0$$

$$b = \lim_{x \to \infty} \log(1+x) = \infty$$

となるため、条件 $a < k < b$ は $k > 0$ を意味する。

(1)の議論より、$G(x)$ は $f(x) = k$ を満たす $x$ で最大値をとる。 方程式 $\log(1+x) = k$ を解くと、

$$1+x = e^k$$

$$x = e^k - 1$$

$k > 0$ より $e^k - 1 > 0$ であり、これは $x > 0$ の条件を満たす。 このとき、$G(x)$ の最大値は $G(e^k - 1)$ であり、以下のように計算できる。

$$\begin{aligned} G(e^k - 1) &= k(e^k - 1) - \int_{0}^{e^k - 1} \log(1+s) ds \\ &= k(e^k - 1) - \left[ (1+s)\log(1+s) - s \right]_{0}^{e^k - 1} \\ &= k(e^k - 1) - \left\{ e^k \log e^k - (e^k - 1) - (1 \log 1 - 0) \right\} \\ &= k(e^k - 1) - (k e^k - e^k + 1) \\ &= k e^k - k - k e^k + e^k - 1 \\ &= e^k - k - 1 \end{aligned}$$

したがって、求める最大値は $e^k - k - 1$ である。

解説

抽象的な関数を用いて最大値の存在証明を行い、その結果を具体例の計算に適用する典型的な誘導問題である。(1)において、連続関数の単調性と中間値の定理を用いて、導関数が符号を変える点がただ1つ存在することを論理的に述べる箇所がポイントとなる。(2)の積分計算では、対数関数の積分 $\int \log(1+s) ds = (1+s)\log(1+s) - s + C$ という定石を用いることで、計算をスムーズに進めることができる。

答え

(1) 解法1を参照して証明。

(2) $e^k - k - 1$

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