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九州大学 2021年 理系 第1問 解説

数学C/空間ベクトル数学1/立体図形数学2/微分法テーマ/空間図形テーマ/最大・最小
九州大学 2021年 理系 第1問 解説

方針・初手

(1) 座標空間において、$xy$ 平面、$yz$ 平面、$zx$ 平面に接し、中心の各座標が正である球の中心は、その半径を $r$ とすると $(r, r, r)$ と表せます。この球がさらに平面 $ABC$ にも接するという条件を、点と平面の距離の公式を用いて定式化します。

(2) (1)と同様に、条件を満たす球の中心を $(R, R, R)$、半径を $R$ とおきます。球が平面と交わってできる円の半径は、球の半径と、球の中心から平面までの距離を用いた三平方の定理から求まります。円の面積を表す関数を導出し、交わる条件から定まる $R$ の範囲において最大値を求めます。

解法1

(1)

平面 $ABC$ の方程式は、切片形より以下のようになる。

$$ \frac{x}{1} + \frac{y}{1} + \frac{z}{2} = 1 $$

これを変形すると、

$$ 2x + 2y + z - 2 = 0 $$

四面体 $OABC$ に内接する球の半径を $r \ (r > 0)$ とおく。この球は $xy$ 平面、$yz$ 平面、$zx$ 平面に接し、四面体の内部にあるため中心の各座標は正である。したがって、中心の座標は $(r, r, r)$ と表せる。

内接球は平面 $ABC$ にも接するため、球の中心 $(r, r, r)$ と平面 $2x + 2y + z - 2 = 0$ との距離は球の半径 $r$ に等しい。点と平面の距離の公式より、

$$ \frac{|2r + 2r + r - 2|}{\sqrt{2^2 + 2^2 + 1^2}} = r $$

$$ \frac{|5r - 2|}{3} = r $$

$$ |5r - 2| = 3r $$

$r > 0$ であるから、これを解くと

$$ 5r - 2 = \pm 3r $$

(i) $5r - 2 = 3r$ のとき $2r = 2$ より $r = 1$

(ii) $5r - 2 = -3r$ のとき $8r = 2$ より $r = \frac{1}{4}$

ここで、内接球の中心 $(r, r, r)$ は四面体 $OABC$ の内部にあるため、原点 $O(0,0,0)$ と平面 $ABC$ を境界として同じ側になければならない。 原点 $O$ について $2(0) + 2(0) + 0 - 2 = -2 < 0$ であるから、中心 $(r, r, r)$ も $2x + 2y + z - 2 < 0$ を満たす必要がある。

$r = 1$ のとき、左辺の値は $2(1) + 2(1) + 1 - 2 = 3 > 0$ となり不適である。(これは四面体の外部で各平面に接する傍接球の一つである) $r = \frac{1}{4}$ のとき、左辺の値は $2\left(\frac{1}{4}\right) + 2\left(\frac{1}{4}\right) + \frac{1}{4} - 2 = \frac{5}{4} - 2 = -\frac{3}{4} < 0$ となり適する。

以上より、求める内接球の中心の座標は

$$ \left( \frac{1}{4}, \frac{1}{4}, \frac{1}{4} \right) $$

(2)

条件を満たす球の中心の座標はすべて正の実数であり、$xy$ 平面、$yz$ 平面、$zx$ 平面と接するため、球の半径を $R \ (R > 0)$ とおくと、中心の座標は $(R, R, R)$ と表せる。

球の中心 $(R, R, R)$ から平面 $ABC$: $2x + 2y + z - 2 = 0$ に下ろした垂線の長さを $d$ とすると、

$$ d = \frac{|2R + 2R + R - 2|}{\sqrt{2^2 + 2^2 + 1^2}} = \frac{|5R - 2|}{3} $$

球が平面 $ABC$ と交わるとき(1点で接する場合も含む)、交わりとしてできる円の半径を $a \ (a \ge 0)$ とすると、三平方の定理より

$$ a^2 = R^2 - d^2 $$

球と平面が交わるための条件は $d \le R$ であるから、

$$ \frac{|5R - 2|}{3} \le R $$

$$ |5R - 2| \le 3R $$

$$ -3R \le 5R - 2 \le 3R $$

これを解くと、

$$ 8R \ge 2 \quad \text{かつ} \quad 2R \le 2 $$

$$ \frac{1}{4} \le R \le 1 $$

交わりの円の面積を $S$ とすると、$S = \pi a^2$ である。$a^2$ を $R$ を用いて表す。

$$ a^2 = R^2 - \left( \frac{5R - 2}{3} \right)^2 $$

$$ a^2 = \frac{9R^2 - (25R^2 - 20R + 4)}{9} $$

$$ a^2 = \frac{-16R^2 + 20R - 4}{9} $$

$$ a^2 = -\frac{16}{9} \left( R^2 - \frac{5}{4}R \right) - \frac{4}{9} $$

$$ a^2 = -\frac{16}{9} \left( R - \frac{5}{8} \right)^2 + \frac{16}{9} \times \frac{25}{64} - \frac{4}{9} $$

$$ a^2 = -\frac{16}{9} \left( R - \frac{5}{8} \right)^2 + \frac{25}{36} - \frac{16}{36} $$

$$ a^2 = -\frac{16}{9} \left( R - \frac{5}{8} \right)^2 + \frac{1}{4} $$

$R$ の変域は $\frac{1}{4} \le R \le 1$ であり、軸 $R = \frac{5}{8}$ はこの範囲に含まれる。 したがって、$a^2$ は $R = \frac{5}{8}$ のとき、最大値 $\frac{1}{4}$ をとる。

ゆえに、円の面積 $S = \pi a^2$ の最大値は、

$$ S = \pi \times \frac{1}{4} = \frac{\pi}{4} $$

解説

(1) は空間図形における内接球の中心を求める典型問題です。各座標平面に接することから中心の座標が半径を用いて1文字で表せることに気づくのがポイントです。方程式から得られた複数の解に対して、位置関係(領域の正負)を用いて不適なものを除外する処理が重要になります。

(2) は(1)の拡張であり、球の半径が変化した際の切り口の円の面積を考える問題です。空間座標における切り口の円の半径は、「三平方の定理 $a^2 = R^2 - d^2$」を利用して求めるのが定石です。点と平面の距離の公式から $d$ を $R$ の式で表し、二次関数の最大・最小問題に帰着させます。交わる条件から $R$ の定義域を正しく設定することも忘れないようにしましょう。

答え

(1) $\left( \frac{1}{4}, \frac{1}{4}, \frac{1}{4} \right)$ (2) $\frac{\pi}{4}$

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