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名古屋大学 1968年 文系 第6問 解説

数学C/平面ベクトル数学C/式と曲線数学2/三角関数テーマ/軌跡・領域テーマ/図形総合
名古屋大学 1968年 文系 第6問 解説

方針・初手

時刻 $t$ における円板の中心の座標と、中心から見た点 $Q$ の相対的な位置座標(ベクトル)をそれぞれ求め、それらを足し合わせることで原点から見た点 $Q$ の座標を時刻 $t$ の媒介変数表示として表す。その後、媒介変数 $t$ を消去して軌跡の方程式を求める。

解法1

時刻 $t$ における円板の中心を $C$ とし、その座標を $(x_C, y_C)$ とおく。問題文より、中心 $C$ は $x$ 軸上で単振動を行うため、

$$ \begin{cases} x_C = b \sin \omega t \\ y_C = 0 \end{cases} $$

と表される。したがって、$t=0$ のとき、中心 $C$ の位置は原点 $(0, 0)$ である。

次に、中心 $C$ から見た点 $Q$ の位置について考える。 $t=0$ のとき、点 $Q$ の位置は $(0, a)$ である。このとき、ベクトル $\vec{CQ}$ は

$$ \vec{CQ} = \begin{pmatrix} 0 \\ a \end{pmatrix} - \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 0 \\ a \end{pmatrix} $$

となり、$x$ 軸の正の向きとなす角は $\frac{\pi}{2}$ である。

円板は中心 $C$ のまわりを毎秒 $\omega$ の角速度で正の方向に等速回転しているため、時刻 $t$ におけるベクトル $\vec{CQ}$ が $x$ 軸の正の向きとなす角は $\omega t + \frac{\pi}{2}$ となる。円板の半径は $a$ であるから、時刻 $t$ におけるベクトル $\vec{CQ}$ は

$$ \begin{aligned} \vec{CQ} &= \begin{pmatrix} a \cos\left( \omega t + \frac{\pi}{2} \right) \\ a \sin\left( \omega t + \frac{\pi}{2} \right) \end{pmatrix} \\ &= \begin{pmatrix} -a \sin \omega t \\ a \cos \omega t \end{pmatrix} \end{aligned} $$

となる。

時刻 $t$ における点 $Q$ の座標を $(X, Y)$ とおくと、原点を $O$ として $\vec{OQ} = \vec{OC} + \vec{CQ}$ であるから、

$$ \begin{aligned} \begin{pmatrix} X \\ Y \end{pmatrix} &= \begin{pmatrix} b \sin \omega t \\ 0 \end{pmatrix} + \begin{pmatrix} -a \sin \omega t \\ a \cos \omega t \end{pmatrix} \\ &= \begin{pmatrix} (b-a) \sin \omega t \\ a \cos \omega t \end{pmatrix} \end{aligned} $$

よって、点 $Q$ の座標の媒介変数表示は

$$ \begin{cases} X = (b-a) \sin \omega t \\ Y = a \cos \omega t \end{cases} $$

となる。ここから媒介変数 $t$ を消去して軌跡の方程式を求める。定数 $a, b$ の大小関係によって図形が異なるため、場合分けを行う。

(i) $a \neq b$ の場合

$b - a \neq 0$ であるから、

$$ \sin \omega t = \frac{X}{b-a}, \quad \cos \omega t = \frac{Y}{a} $$

これらを $\sin^2 \omega t + \cos^2 \omega t = 1$ に代入すると、

$$ \frac{X^2}{(b-a)^2} + \frac{Y^2}{a^2} = 1 $$

$t$ がすべての実数値をとるとき、$\omega t$ もすべての実数値をとるため、点 $Q$ はこの楕円全体を動く。 略図は、原点を中心とし、$x$ 軸との交点が $(\pm |b-a|, 0)$、$y$ 軸との交点が $(0, \pm a)$ である楕円となる。

(ii) $a = b$ の場合

$b - a = 0$ であるから、

$$ \begin{cases} X = 0 \\ Y = a \cos \omega t \end{cases} $$

$\omega t$ がすべての実数値をとるとき、$-1 \leqq \cos \omega t \leqq 1$ であるから、$-a \leqq Y \leqq a$ となる。 したがって、点 $Q$ は $y$ 軸上の線分上を動く。 略図は、$y$ 軸上の点 $(0, a)$ と点 $(0, -a)$ を結ぶ線分となる。

解説

2つの運動(中心の並進運動と、中心周りの回転運動)が合成された点の軌跡を求める典型問題である。ベクトルの和として位置座標を捉えることで、複雑な運動も単純な成分の足し合わせに分解できる。

媒介変数表示された式から $t$ を消去する際、$X$ の係数が $b-a$ となるため、$b-a$ が $0$ になるか否かで軌跡の種類が変わることに注意が必要である。場合分けを忘れないことが完答のポイントである。

なお、解答内で求められている「略図」については、実際の解答用紙には (i) の場合は $x$ 切片と $y$ 切片を明記した楕円を、(ii) の場合は $y$ 軸上の線分を描き入れることになる。

答え

$a \neq b$ のとき、軌跡は楕円 $\frac{x^2}{(b-a)^2} + \frac{y^2}{a^2} = 1$ であり、略図は原点を中心とし点 $(\pm|b-a|, 0), (0, \pm a)$ を通る楕円。

$a = b$ のとき、軌跡は $y$ 軸上の線分 $x = 0 \ (-a \leqq y \leqq a)$ であり、略図は点 $(0, a)$ と点 $(0, -a)$ を結ぶ線分。

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