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名古屋大学 2021年 文系 第1問 解説

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名古屋大学 2021年 文系 第1問 解説

方針・初手

放物線 $C_1$ 上の点における接線の方程式を求め、それがもう一つの放物線 $C_2$ にも接するという条件を課すことで、接点の $x$ 座標についての2次方程式を導きます。その2次方程式が異なる2つの実数解を持つ条件から $a$ の範囲を求めます。 後半の交点や面積の計算では、接点の $x$ 座標を直接代入するのではなく、方程式の解と係数の関係などを活用すると計算がスムーズに進みます。

解法1

(1) $y=x^2$ を微分して $y'=2x$ となる。 点 $(t, t^2)$ における $C_1$ の接線の方程式は、

$$ y - t^2 = 2t(x - t) $$

整理して、

$$ y = 2tx - t^2 $$

(2) (1)で求めた接線が $C_2$ にも接する条件を考える。 接線 $y = 2tx - t^2$ と $C_2: y = -x^2 + 4ax - 4a^2 + 4a^4$ から $y$ を消去して、

$$ 2tx - t^2 = -x^2 + 4ax - 4a^2 + 4a^4 $$

整理すると、

$$ x^2 + 2(t - 2a)x - t^2 + 4a^2 - 4a^4 = 0 $$

この $x$ についての2次方程式が重解を持てばよい。判別式を $D$ とすると $D=0$ となるため、

$$ \frac{D}{4} = (t - 2a)^2 - (-t^2 + 4a^2 - 4a^4) = 0 $$

展開して整理する。

$$ t^2 - 4at + 4a^2 + t^2 - 4a^2 + 4a^4 = 0 $$

$$ 2t^2 - 4at + 4a^4 = 0 $$

$$ t^2 - 2at + 2a^4 = 0 \quad \cdots \text{①} $$

$C_1$ と $C_2$ が異なる2つの共通接線を持つのは、接点が2つ存在するとき、すなわち $t$ についての2次方程式①が異なる2つの実数解を持つときである。 ①の判別式を $D_t$ とすると、$D_t > 0$ であればよい。

$$ \frac{D_t}{4} = a^2 - 2a^4 > 0 $$

$$ a^2(1 - 2a^2) > 0 $$

$a$ は正の実数であるから $a^2 > 0$ である。両辺を $a^2$ で割って、

$$ 1 - 2a^2 > 0 $$

$$ a^2 < \frac{1}{2} $$

$a > 0$ より、求める $a$ の範囲は、

$$ 0 < a < \frac{\sqrt{2}}{2} $$

(3) (2)の条件を満たすとき、①の異なる2つの実数解を $t_1, t_2$ ($t_1 < t_2$) とする。解と係数の関係から、

$$ \begin{cases} t_1 + t_2 = 2a \\ t_1 t_2 = 2a^4 \end{cases} $$

2つの共通接線 $l, l'$ の方程式は、$y = 2t_1 x - t_1^2$ と $y = 2t_2 x - t_2^2$ と表せる。これらの交点の $x$ 座標を求める。

$$ 2t_1 x - t_1^2 = 2t_2 x - t_2^2 $$

$$ 2(t_1 - t_2)x = t_1^2 - t_2^2 $$

$$ 2(t_1 - t_2)x = (t_1 - t_2)(t_1 + t_2) $$

$t_1 \neq t_2$ であるから両辺を $2(t_1 - t_2)$ で割ることができ、

$$ x = \frac{t_1 + t_2}{2} $$

$t_1 + t_2 = 2a$ を代入すると、$x = a$ を得る。 このとき、$y$ 座標は接線の方程式に代入して、

$$ y = 2t_1 a - t_1^2 $$

ここで、$t_1$ は方程式①の解であるから $t_1^2 - 2at_1 + 2a^4 = 0$、すなわち $2at_1 - t_1^2 = 2a^4$ が成り立つ。これを用いると、

$$ y = 2a^4 $$

よって、交点の座標は $(a, 2a^4)$ である。

(4) $D_1$ は $C_1$ と $l, l'$ で囲まれた領域である。領域 $D_2$ は $x \leqq a$ の表す領域なので、求める面積 $S(a)$ は、$D_1$ のうち $x \leqq a$ の部分の面積である。 (3)より、$l$ と $l'$ の交点の $x$ 座標は $a$ である。また、方程式①を解くと、

$$ t = a \pm \sqrt{a^2 - 2a^4} = a \pm a\sqrt{1 - 2a^2} $$

$t_1 < t_2$ より、$t_1 = a - a\sqrt{1 - 2a^2}$ であり、明らかに $t_1 < a$ である。 したがって、$x \leqq a$ の範囲において $C_1$ は接線 $l$ と接点 $x = t_1$ で接しており、この範囲で $C_1$ と共通接線が囲む部分は $t_1 \leqq x \leqq a$ における $C_1$ と $l$ の間に生じる。 よって求める面積 $S(a)$ は、

$$ S(a) = \int_{t_1}^{a} \{x^2 - (2t_1 x - t_1^2)\} dx $$

$$ S(a) = \int_{t_1}^{a} (x - t_1)^2 dx $$

$$ S(a) = \left[ \frac{(x - t_1)^3}{3} \right]_{t_1}^{a} $$

$$ S(a) = \frac{(a - t_1)^3}{3} $$

ここで、$a - t_1 = a\sqrt{1 - 2a^2}$ であるから代入して、

$$ S(a) = \frac{1}{3} \left( a\sqrt{1 - 2a^2} \right)^3 $$

$$ S(a) = \frac{1}{3} a^3 (1 - 2a^2)\sqrt{1 - 2a^2} $$

解説

共通接線の方程式を導出する定石問題です。片方の曲線上で接点を設定し、もう一方の曲線との連立方程式が重解を持つ条件(判別式 $D=0$)から処理する手法が基本です。 後半では解と係数の関係や「次数下げ($2at_1 - t_1^2 = 2a^4$)」を利用することで、煩雑な式変形を避けつつ簡潔に座標を求めることができます。面積計算においても被積分関数が $(x-\alpha)^2$ の形にまとまる性質を利用して積分を省力化することが重要です。

答え

(1) $y = 2tx - t^2$

(2) $0 < a < \frac{\sqrt{2}}{2}$

(3) $(a, 2a^4)$

(4) $S(a) = \frac{1}{3} a^3 (1 - 2a^2)\sqrt{1 - 2a^2}$

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