トップ 九州大学 2022年 文系 第1問

九州大学 2022年 文系 第1問 解説

数学2/図形と式数学2/微分法数学2/積分法テーマ/接線・法線テーマ/面積・体積
九州大学 2022年 文系 第1問 解説

方針・初手

曲線 $C$ の方程式に含まれる絶対値を外すことから始める。絶対値の中身は因数分解できるため、場合分けの境界は容易に分かる。曲線と直線が接する条件は、絶対値を外して得られる2つの二次関数のそれぞれに対して、直線と連立して判別式 $D=0$ を用いる。面積計算においては、グラフの概形から求めるべき領域を特定し、積分区間を分けて計算する。

解法1

(1)

曲線 $C$ の方程式の絶対値の中身を変形する。

$$ x^2 + (3-a)x - 3a = (x+3)(x-a) $$

$-3 < a < 13$ であるから、曲線 $C$ は以下のように場合分けして表される。

(i) $x \le -3$ または $a \le x$ のとき

$$ y = x^2 + (3-a)x - 3a $$

(ii) $-3 < x < a$ のとき

$$ y = -x^2 - (3-a)x + 3a $$

曲線 $C$ と直線 $l : y = -x + 13$ が接するのは、上記 (i) または (ii) の放物線と直線 $l$ が接する場合である。

(i) の場合、$y = x^2 + (3-a)x - 3a$ と $y = -x + 13$ から $y$ を消去すると、

$$ x^2 + (4-a)x - 3a - 13 = 0 $$

この2次方程式の判別式を $D_1$ とすると、接するための条件は $D_1 = 0$ である。

$$ D_1 = (4-a)^2 - 4(-3a - 13) = a^2 + 4a + 68 = (a+2)^2 + 64 > 0 $$

これを満たす実数 $a$ は存在しないため、この範囲で接することはない。

(ii) の場合、$y = -x^2 - (3-a)x + 3a$ と $y = -x + 13$ から $y$ を消去すると、

$$ x^2 + (2-a)x - 3a + 13 = 0 $$

この2次方程式の判別式を $D_2$ とすると、接するための条件は $D_2 = 0$ である。

$$ \begin{aligned} D_2 &= (2-a)^2 - 4(-3a + 13) \\ &= a^2 + 8a - 48 \\ &= (a+12)(a-4) = 0 \end{aligned} $$

$-3 < a < 13$ より、$a = 4$ となる。 このとき、接点の $x$ 座標は方程式 $x^2 - 2x + 1 = 0$ の重解であるから $x = 1$ となり、条件 $-3 < x < 4$ を満たしている。 したがって、求める $a$ の値は $a = 4$ である。

(2)

(1)より、$a = 4$ であるから、曲線 $C$ は $y = |x^2 - x - 12| = |(x+3)(x-4)|$ となる。 曲線 $C$ と直線 $l: y = -x + 13$ の交点の $x$ 座標を求める。

$x \le -3, 4 \le x$ のとき、$x^2 - x - 12 = -x + 13$ より $x^2 = 25$。 よって $x = \pm 5$ となり、これらは定義域の範囲を満たす。

$-3 < x < 4$ のとき、(1)の考察より接点となるため共有点の $x$ 座標は $x = 1$ のみである。

したがって、曲線 $C$ と直線 $l$ は $x = -5, 1, 5$ で共有点をもつ。 これにより、囲まれる2つの図形は「$-5 \le x \le 1$ の範囲の図形」と「$1 \le x \le 5$ の範囲の図形」であることがわかる。 点 $(a, 0)$ すなわち点 $(4, 0)$ は曲線 $C$ 上の点であり、$1 \le x \le 5$ の範囲に含まれる。 よって、求める面積 $S$ は区間 $1 \le x \le 5$ における曲線 $C$ と直線 $l$ で囲まれた図形の面積である。 この区間において、直線 $l$ は曲線 $C$ の上側にあるため、面積 $S$ は次のように立式できる。

$$ S = \int_{1}^{5} \left\{ (-x + 13) - |x^2 - x - 12| \right\} dx $$

絶対値を外すため、積分区間を $1 \le x \le 4$ と $4 \le x \le 5$ に分ける。

$$ \begin{aligned} S &= \int_{1}^{4} \left\{ (-x + 13) - \left( -(x^2 - x - 12) \right) \right\} dx + \int_{4}^{5} \left\{ (-x + 13) - (x^2 - x - 12) \right\} dx \\ &= \int_{1}^{4} (x^2 - 2x + 1) dx + \int_{4}^{5} (-x^2 + 25) dx \\ &= \int_{1}^{4} (x - 1)^2 dx + \left[ -\frac{1}{3}x^3 + 25x \right]_{4}^{5} \\ &= \left[ \frac{1}{3}(x - 1)^3 \right]_{1}^{4} + \left( -\frac{125}{3} + 125 \right) - \left( -\frac{64}{3} + 100 \right) \\ &= \frac{27}{3} + \frac{250}{3} - \frac{236}{3} \\ &= 9 + \frac{14}{3} \\ &= \frac{41}{3} \end{aligned} $$

解説

絶対値を含む関数のグラフと直線の位置関係を問う標準的な問題である。(1)では接点が絶対値の折り返し区間の内側か外側かをそれぞれ検証し、得られた解が定義域を満たすかどうかの確認を忘れないことが重要である。(2)ではグラフの概形を正しく捉え、どちらの図形の面積を求めるべきかを判断する。点 $(a, 0)$ が境界線上にあるという条件を見落とさないこと。積分計算は区間が分かれるため計算ミスを誘発しやすいが、平易な多項式の積分であるため、丁寧に処理したい。

答え

(1) $a = 4$ (2) $\frac{41}{3}$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。