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名古屋大学 1967年 理系 第3問 解説

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名古屋大学 1967年 理系 第3問 解説

方針・初手

(1) は $C_n$ と直線 $y = ax$ の方程式を連立し、交点の座標を直接求めることで、交点の個数と原点からの距離を調べる。

(2) は(1)で求めた交点座標から交点間の距離 $d_n$ を $n$ の式で表し、$d_n < d_{n+1}$ を示す。式を直接微分などで評価して単調性を示す方法と、交点が曲線 $C_n$ 上にあることを利用して不等式を作る方法がある。

解法1

(1)

曲線 $C_n : x^{2n} + y^{2n} = 1$ と直線 $y = ax$ ($a \neq 0$) の方程式を連立する。

$$x^{2n} + (ax)^{2n} = 1$$

$$(1+a^{2n})x^{2n} = 1$$

$a \neq 0$ より $1+a^{2n} > 0$ であるから、

$$x^{2n} = \frac{1}{1+a^{2n}}$$

$n$ は正の整数であるから、$2n$ は正の偶数である。したがって、この方程式の実数解 $x$ は

$$x = \pm \frac{1}{(1+a^{2n})^{\frac{1}{2n}}}$$

の2つ存在する。

これに対応して、$y$ の値も $y = ax$ よりそれぞれ1つに定まるため、交点は2つ存在する。 その2つの交点を $P(x_1, y_1), Q(x_2, y_2)$ とすると、$x_2 = -x_1, y_2 = -y_1$ の関係がある。

原点を O とすると、交点と原点との距離はそれぞれ

$$OP = \sqrt{x_1^2 + y_1^2} = \sqrt{x_1^2 + (ax_1)^2} = \sqrt{1+a^2}|x_1|$$

$$OQ = \sqrt{x_2^2 + y_2^2} = \sqrt{(-x_1)^2 + (-ax_1)^2} = \sqrt{1+a^2}|x_1|$$

よって、$OP = OQ$ となり、2つの交点は原点から等距離にある。(証明終)

(2)

(1)より、直線と曲線の交点のうち、$x > 0$ となるものを $P_n(x_n, y_n)$ とおく。

$$x_n = (1+a^{2n})^{-\frac{1}{2n}}$$

$$y_n = ax_n$$

点 $P_n$ は曲線 $C_n$ 上の点であるから、以下が成り立つ。

$$x_n^{2n} + y_n^{2n} = 1$$

ここで、$a \neq 0$ かつ $x_n > 0$ であるから $y_n \neq 0$ であり、$x_n^{2n} > 0, y_n^{2n} > 0$ となる。 したがって $x_n^{2n} = 1 - y_n^{2n} < 1$ であり、$n \ge 1$ より $0 < x_n^2 < 1$ となる。 同様にして $0 < y_n^2 < 1$ も成り立つ。

これらを用いると、

$$x_n^{2(n+1)} + y_n^{2(n+1)} = x_n^{2n} \cdot x_n^2 + y_n^{2n} \cdot y_n^2 < x_n^{2n} \cdot 1 + y_n^{2n} \cdot 1 = 1$$

が成り立つ。

一方、直線 $y = ax$ と曲線 $C_{n+1}$ の $x > 0$ における交点を $P_{n+1}(x_{n+1}, y_{n+1})$ とすると、これは $C_{n+1}$ 上の点であるから、

$$x_{n+1}^{2(n+1)} + y_{n+1}^{2(n+1)} = 1$$

を満たす。

ここで、関数 $h(x) = x^{2(n+1)} + (ax)^{2(n+1)} = x^{2n+2}(1+a^{2n+2})$ を考えると、 $1+a^{2n+2} > 0$ より $h(x)$ は $x > 0$ において単調増加関数である。

上の議論から $h(x_n) < 1 = h(x_{n+1})$ が成り立つため、$h(x)$ の単調増加性より

$$x_n < x_{n+1}$$

であることが分かる。

交点間の距離 $d_n$ は、(1)より原点と $P_n$ との距離の2倍であるから、

$$d_n = 2\sqrt{x_n^2 + y_n^2} = 2x_n\sqrt{1+a^2}$$

となる。$x_n < x_{n+1}$ であり、$2\sqrt{1+a^2} > 0$ であるから、

$$d_n < d_{n+1}$$

が成り立つ。(証明終)

解法2

(2)の別解

(1)より、交点間の距離 $d_n$ は、

$$d_n = 2 \sqrt{x^2 + y^2} = 2|x|\sqrt{1+a^2} = 2\sqrt{1+a^2}(1+a^{2n})^{-\frac{1}{2n}}$$

と表される。ここで $c = a^2$ ($c > 0$) とおき、関数 $f(t) = \frac{\log(1+c^t)}{t}$ ($t > 0$) を考える。

$$f'(t) = \frac{ \frac{c^t \log c}{1+c^t} \cdot t - \log(1+c^t) }{t^2}$$

分子を $g(t) = \frac{t c^t \log c}{1+c^t} - \log(1+c^t)$ とおく。$g(t)$ を微分すると、

$$g'(t) = \frac{ (c^t \log c + t c^t (\log c)^2)(1+c^t) - t c^t \log c \cdot c^t \log c }{(1+c^t)^2} - \frac{c^t \log c}{1+c^t}$$

$$= \frac{ c^t \log c + c^{2t} \log c + t c^t (\log c)^2 - c^t \log c (1+c^t) }{(1+c^t)^2} = \frac{t c^t (\log c)^2}{(1+c^t)^2}$$

$c > 0$ かつ $c \neq 1$ ($a \neq \pm 1$) のとき $(\log c)^2 > 0$ より、$t > 0$ で $g'(t) > 0$ となり、$g(t)$ は単調増加である。

(i) $c > 1$ のとき

$$g(t) = \frac{t \log c}{1+c^{-t}} - \log(c^t(1+c^{-t})) = \frac{-t c^{-t} \log c}{1+c^{-t}} - \log(1+c^{-t})$$

$\lim_{t \to \infty} t c^{-t} = 0$, $\lim_{t \to \infty} c^{-t} = 0$ より、$\lim_{t \to \infty} g(t) = 0 - \log 1 = 0$ である。 $g(t)$ は単調増加で極限値が $0$ であるから、常に $g(t) < 0$ となる。

(ii) $0 < c < 1$ のとき

$$g(t) = \frac{t c^t \log c}{1+c^t} - \log(1+c^t)$$

$\lim_{t \to \infty} c^t = 0$, $\lim_{t \to \infty} t c^t = 0$ より、$\lim_{t \to \infty} g(t) = 0 - \log 1 = 0$ である。 $g(t)$ は単調増加で極限値が $0$ であるから、常に $g(t) < 0$ となる。

(iii) $c = 1$ のとき

$g(t) = -\log 2 < 0$ である。

以上より、すべての $c > 0$ において $g(t) < 0$ であるから、$f'(t) < 0$ となり、$f(t)$ は単調減少関数である。 したがって $f(n) > f(n+1)$ が成り立つ。

$$\frac{\log(1+c^n)}{n} > \frac{\log(1+c^{n+1})}{n+1}$$

両辺に $\frac{1}{2}$ を掛け、$c = a^2$ に戻すと、

$$\frac{\log(1+a^{2n})}{2n} > \frac{\log(1+a^{2n+2})}{2n+2}$$

$$\log (1+a^{2n})^{\frac{1}{2n}} > \log (1+a^{2n+2})^{\frac{1}{2n+2}}$$

底 $e > 1$ より、

$$(1+a^{2n})^{\frac{1}{2n}} > (1+a^{2n+2})^{\frac{1}{2n+2}}$$

逆数をとって、

$$(1+a^{2n})^{-\frac{1}{2n}} < (1+a^{2n+2})^{-\frac{1}{2n+2}}$$

両辺に正の定数 $2\sqrt{1+a^2}$ を掛けることで、$d_n < d_{n+1}$ が示される。(証明終)

解説

$x^{2n} + y^{2n} = 1$ で表される曲線(一般化された円)と直線の交点間の距離に関する証明問題である。 (1) は連立方程式を愚直に解くことで難なく示せる。このとき求めた交点座標の形をよく見ておくことが(2)の解決に繋がる。 (2) は $(1+a^{2n})^{-\frac{1}{2n}}$ という $n$ の式が単調に増加することを示す問題に帰着される。これを解法2のように実数関数とみなして微分で評価しようとすると、極限による符合判定など高度な計算力が要求される。一方、解法1のように「交点が曲線上に乗っている」という図形的な事実を数式に翻訳し、$0 < x_n^2 < 1$ などの不等式を利用して $n+1$ の場合と比較する手法は、発想力が要るものの計算は非常に軽快である。

答え

(1) 証明略(交点の座標を求め、原点との距離が等しいことを示した) (2) 証明略(交点座標の不等式評価、または関数の単調性を利用して示した)

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