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名古屋大学 1991年 理系 第1問 解説

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名古屋大学 1991年 理系 第1問 解説

方針・初手

4次関数のグラフがある直線に関して対称となるための条件を求める問題である。

対称軸となる直線を $x = p$ とおく。関数 $f(x)$ のグラフが直線 $x = p$ に関して対称であることは、グラフを $x$ 軸方向に $-p$ 平行移動した関数 $g(x) = f(x+p)$ のグラフが $y$ 軸に関して対称、すなわち $g(x)$ が偶関数になることと同値である。

多項式関数が偶関数であるための条件は、展開した式の奇数次の項の係数がすべて $0$ になることである。これを用いて $p$ を消去し、$a, b, c, d$ の関係式を導く。

解法1

与えられた4次関数を $f(x) = x^4 + ax^3 + bx^2 + cx + d$ とする。 このグラフが $y$ 軸に平行なある直線 $x = p$ に関して対称であるとする。

このとき、グラフを $x$ 軸方向に $-p$ 平行移動した関数 $g(x) = f(x+p)$ のグラフは $y$ 軸に関して対称となる。つまり、$g(x)$ は偶関数である。

$$ g(x) = (x+p)^4 + a(x+p)^3 + b(x+p)^2 + c(x+p) + d $$

これを展開して、各次数の項について整理する。

$$ g(x) = x^4 + (4p+a)x^3 + (6p^2+3ap+b)x^2 + (4p^3+3ap^2+2bp+c)x + p^4+ap^3+bp^2+cp+d $$

$g(x)$ が偶関数となるための必要十分条件は、すべての奇数次の項の係数が $0$ になることである。

$$ 4p + a = 0 $$

$$ 4p^3 + 3ap^2 + 2bp + c = 0 $$

これらを同時に満たす実数 $p$ が存在することが、求める条件となる。 第1式より、対称軸は次のように定まる。

$$ p = -\frac{a}{4} $$

これを第2式に代入する。

$$ 4\left(-\frac{a}{4}\right)^3 + 3a\left(-\frac{a}{4}\right)^2 + 2b\left(-\frac{a}{4}\right) + c = 0 $$

$$ -\frac{a^3}{16} + \frac{3a^3}{16} - \frac{ab}{2} + c = 0 $$

$$ \frac{a^3}{8} - \frac{ab}{2} + c = 0 $$

両辺に $8$ を掛けて整理する。

$$ a^3 - 4ab + 8c = 0 $$

なお、偶数次の項および定数項には制約が生じないため、$d$ は任意の値でよい。

解法2

微分を用いて対称軸の候補を絞り込む方法を示す。

$f(x) = x^4 + ax^3 + bx^2 + cx + d$ とする。 関数 $f(x)$ のグラフが直線 $x = p$ に関して対称であるならば、その第2次導関数 $f''(x)$ が表すグラフも直線 $x = p$ に関して対称になる。

$$ f'(x) = 4x^3 + 3ax^2 + 2bx + c $$

$$ f''(x) = 12x^2 + 6ax + 2b $$

$f''(x)$ を平方完成する。

$$ f''(x) = 12\left(x^2 + \frac{a}{2}x\right) + 2b = 12\left(x + \frac{a}{4}\right)^2 - \frac{3a^2}{4} + 2b $$

$y = f''(x)$ のグラフは $x = -\frac{a}{4}$ を軸とする放物線である。したがって、元の関数 $f(x)$ が線対称であるとすれば、その対称軸は $x = -\frac{a}{4}$ 以外にあり得ない。すなわち、$p = -\frac{a}{4}$ である。

次に、関数 $f(x)$ を $x = p$ の周りでテイラー展開(多項式の場合は単なる式変形)した形を考える。

$$ f(x) = f(p) + f'(p)(x-p) + \frac{f''(p)}{2}(x-p)^2 + \frac{f'''(p)}{6}(x-p)^3 + \frac{f^{(4)}(p)}{24}(x-p)^4 $$

$x - p = t$ とおくと、

$$ f(t+p) = \frac{f^{(4)}(p)}{24}t^4 + \frac{f'''(p)}{6}t^3 + \frac{f''(p)}{2}t^2 + f'(p)t + f(p) $$

これが $t$ の偶関数になればよいので、奇数次の係数が $0$ になることが条件である。

$$ f'''(p) = 0 $$

$$ f'(p) = 0 $$

$f'''(x) = 24x + 6a$ より、$f'''(p) = 0$ を解くと $p = -\frac{a}{4}$ となり、先ほどの対称軸の候補と一致する。 したがって、$f'(p) = 0$ が満たすべき実質的な条件となる。$p = -\frac{a}{4}$ を代入する。

$$ f'\left(-\frac{a}{4}\right) = 4\left(-\frac{a}{4}\right)^3 + 3a\left(-\frac{a}{4}\right)^2 + 2b\left(-\frac{a}{4}\right) + c = 0 $$

$$ -\frac{a^3}{16} + \frac{3a^3}{16} - \frac{ab}{2} + c = 0 $$

$$ \frac{a^3}{8} - \frac{ab}{2} + c = 0 $$

両辺を $8$ 倍して整理する。

$$ a^3 - 4ab + 8c = 0 $$

解説

多項式関数のグラフの対称性を問う典型問題である。 「直線 $x=p$ について対称」という条件を数式で処理する場合、「平行移動して $y$ 軸対称(偶関数)に帰着させる」のが最も確実かつ汎用的なアプローチである。

解法2で示したように、導関数を利用すると見通しが良くなる。 一般に $n$ 次関数が線対称や点対称なグラフを持つ場合、その導関数を考えることで対称の中心や軸の位置を簡単に特定できる。本問のように4次関数の場合は、2回微分して2次関数(放物線)にすることで、一意に対称軸の候補が決定できるという性質を利用している。

答え

$$ a^3 - 4ab + 8c = 0 $$

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