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大阪大学 1964年 文系 第3問 解説

数学2/複素数と方程式数学1/方程式不等式テーマ/場合分け
大阪大学 1964年 文系 第3問 解説

方針・初手

①の方程式が異なる2実根をもつ条件を確認したうえで、その2根を $\alpha, \beta$ ($\alpha > \beta$) と設定する。 $\alpha$ が②の解であることから、$\alpha$ を①と②に代入して最高次の項 $\alpha^2$ を消去し、$a, b$ と $\alpha$ の関係を導く。その後、得られた条件ごとに場合分けを行い、小さい方の根 $\beta$ が③を満たす条件と照らし合わせて $a, b$ の値を絞り込んでいく。

解法1

①の方程式 $x^2 - 6x + ab = 0$ が異なる2つの実数解をもつため、判別式を $D_1$ とすると、

$$ \frac{D_1}{4} = 9 - ab > 0 $$

$$ ab < 9 $$

が成り立つ。このとき、①の異なる2実根を $\alpha, \beta$ ($\alpha > \beta$) とおく。解と係数の関係より、

$$ \alpha + \beta = 6 $$

$$ \alpha \beta = ab $$

である。

大きい方の根 $\alpha$ が②を満足するので、

$$ \alpha^2 - 6\alpha + ab = 0 $$

$$ \alpha^2 - (a+4)\alpha + 2b = 0 $$

がともに成り立つ。上の式から下の式を辺々引くと、

$$ (a - 2)\alpha + ab - 2b = 0 $$

$$ (a - 2)(\alpha + b) = 0 $$

したがって、$a = 2$ または $\alpha = -b$ である。

(i) $a = 2$ のとき

③の方程式は $x^2 + 2x + 21 = 0$ となる。 この方程式の判別式を $D_3$ とすると、

$$ \frac{D_3}{4} = 1^2 - 21 = -20 < 0 $$

となり、③は実数解をもたない。小さい方の根 $\beta$ は実数であるため、③を満足することはなく不適である。

(ii) $\alpha = -b$ かつ $a \neq 2$ のとき

$\alpha = -b$ を $\alpha^2 - 6\alpha + ab = 0$ に代入すると、

$$ (-b)^2 - 6(-b) + ab = 0 $$

$$ b^2 + (a + 6)b = 0 $$

$$ b(b + a + 6) = 0 $$

したがって、$b = 0$ または $b = -a - 6$ である。

(ii-1) $b = 0$ のとき

①の方程式は $x^2 - 6x = 0$ となり、その根は $x = 0, 6$ である。 大きい方の根は $\alpha = 6$ となるが、これは $\alpha = -b = 0$ に矛盾するため不適である。

(ii-2) $b = -a - 6$ のとき

$\alpha = -b = a + 6$ となる。 $\alpha + \beta = 6$ より、小さい方の根 $\beta$ は、

$$ \beta = 6 - \alpha = 6 - (a + 6) = -a $$

である。ここで $\alpha > \beta$ の条件より、

$$ a + 6 > -a $$

$$ 2a > -6 $$

$$ a > -3 $$

を満たさなければならない。 また、この $\beta = -a$ が③を満足するので、③の方程式に代入して、

$$ (-a)^2 + 2(-a) + 8a + 5 = 0 $$

$$ a^2 + 6a + 5 = 0 $$

$$ (a + 1)(a + 5) = 0 $$

よって $a = -1, -5$ である。 $a > -3$ の条件から $a = -1$ と定まる。 このとき、$b = -(-1) - 6 = -5$ である。

最後に、得られた値 $a = -1, b = -5$ が初めの条件 $ab < 9$ を満たすか確認すると、$ab = 5 < 9$ となり適する。

解説

複数の2次方程式が共通の解をもつ問題における典型的な処理を問うている。共通解を文字で置き、2つの方程式から最高次の項を消去して1次式を作る手法は、定石として確実に押さえておきたい。

また、本問では「異なる2実根をもつ」ための判別式条件や、「大きい方の根」「小さい方の根」という大小関係が、出てきた解を絞り込むための罠として機能している。単に方程式を解くだけでなく、求めた $a, b$ がすべての前提条件(実数条件、大小関係)を満たすかどうかを丁寧に確認する論理力が求められる。

答え

$a = -1, b = -5$

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