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大阪大学 1971年 文系 第1問 解説

数学2/図形と式数学1/方程式不等式テーマ/軌跡・領域テーマ/存在証明
大阪大学 1971年 文系 第1問 解説

方針・初手

求める範囲は、「点 $(x, y)$ を通るような実数 $a, b$ (ただし $ab=k$)が存在しない」ような点 $(x, y)$ の集合である。 条件 $ab=k$ を用いて直線の方程式を $a$ のみの式で表し、その方程式が $a \neq 0$ の実数解を持たない条件を考える(逆像法)。

解法1

2点 $(a, 0), (0, b)$ を通る直線の方程式は

$$ \frac{x}{a} + \frac{y}{b} = 1 $$

である。ただし、$ab = k$ かつ $k \neq 0$ であるため、$a \neq 0$ かつ $b \neq 0$ である。 両辺に $ab$ を掛けると

$$ bx + ay = ab $$

$ab = k$ より

$$ bx + ay = k $$

さらに $b = \frac{k}{a}$ を代入すると

$$ \frac{k}{a} x + ay = k $$

両辺に $a$ を掛けて整理すると、$a$ についての以下の方程式を得る。

$$ y a^2 - k a + k x = 0 \quad \cdots (*) $$

求める範囲は、方程式 $(*)$ が $a \neq 0$ なる実数解を持たないような点 $(x, y)$ の集合である。

(i)

$y = 0$ のとき 方程式 $(*)$ は

$$ - k a + k x = 0 $$

$k \neq 0$ であるから、$a = x$ となる。 これが $a \neq 0$ なる実数解を持たない条件は、$x = 0$ である。 よって、点 $(0, 0)$ は求める範囲に含まれ、$x$ 軸上の他の点は含まれない。

(ii)

$y \neq 0$ のとき 方程式 $(*)$ は $a$ についての2次方程式となる。 これが実数解を持たない条件は、判別式を $D$ とすると $D < 0$ である。

$$ D = (-k)^2 - 4 \cdot y \cdot kx = k^2 - 4kxy < 0 $$

すなわち

$$ k(k - 4xy) < 0 $$

ここで、$D \ge 0$ のときに「解が $a = 0$ のみ」となってしまうことがないかを確認する。 $a = 0$ が方程式 $(*)$ の解となるとき、$kx = 0$ より $x = 0$ である。 このとき方程式 $(*)$ は $ya^2 - ka = 0$ となり、解は $a = 0, \frac{k}{y}$ となる。 $k \neq 0$ かつ $y \neq 0$ であるから $\frac{k}{y} \neq 0$ であり、$a=0$ 以外の実数解 $a = \frac{k}{y}$ が必ず存在する。 したがって、$D \ge 0$ であれば必ず $a \neq 0$ の実数解を持つ。 よって、$y \neq 0$ のときに直線が存在しない条件は $D < 0$ のみとなる。

以上 (i), (ii) より、求める点の存在する範囲は

$$ (x, y) = (0, 0) \quad \text{または} \quad k(k - 4xy) < 0 $$

である。これを $k$ の符号で場合分けして整理する。

・$k > 0$ のとき $k - 4xy < 0$ より $xy > \frac{k}{4}$。

・$k < 0$ のとき $k - 4xy > 0$ より $xy < \frac{k}{4}$。

解説

「直線の通過領域」の補集合を求める問題である。通過領域の境界線は包絡線(ここでは双曲線)となる。 この問題の最大のポイントは、$a \neq 0, b \neq 0$ という隠れた条件の処理である。直線が原点のいくらでも近くを通ることは可能だが、原点そのものを通過する直線は存在しない。このため、領域から除外された原点 $(0,0)$ が、補集合である今回の領域においては「孤立点」として含まれることになる。 場合分けにおいて $y=0$ のケースを独立させ、方程式の次数が変わることに注意して丁寧に論証することが重要である。

答え

求める範囲の条件式は以下の通り。

・ $k > 0$ のとき: $xy > \frac{k}{4}$ または $(x,y)=(0,0)$ ・ $k < 0$ のとき: $xy < \frac{k}{4}$ または $(x,y)=(0,0)$

これらを図示すると、以下のような領域となる。

図示の説明 境界線となる双曲線は $xy = \frac{k}{4}$ であり、いずれの場合も境界線上の点は含まない。 ただし、原点 $(0,0)$ を孤立点として含む

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