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大阪大学 1972年 理系 第7問 解説

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大阪大学 1972年 理系 第7問 解説

方針・初手

点 $P$ の座標を $(x, y)$ とおき、直線 $OP$ の傾きに注目する。

放物線上に直線 $OP$ に関して対称な2点 $Q, R$ が存在するという条件は、「直線 $OP$ に垂直な直線 $l$ と放物線が異なる2点 $Q, R$ で交わり、かつ線分 $QR$ の中点が直線 $OP$ 上に存在する」ことと言い換えられる。直線 $OP$ の傾きを文字で設定し、解と係数の関係を用いて条件を立式する。

解法1

求める点 $P$ の座標を $(x, y)$ とおく。$P$ は原点 $O$ と異なるので $(x,y) \neq (0,0)$ である。

(i)

$x=0$ のとき

直線 $OP$ は $y$ 軸となる。これに垂直な直線は $y=k$ と表せる。これが放物線 $y=x^2+4x$ と異なる2点で交わる場合、その2点は放物線の軸 $x=-2$ に関して対称となるが、$y$ 軸に関して対称となることはない。よって不適。

(ii)

$x \neq 0$ のとき

直線 $OP$ の傾きを $m = \frac{y}{x}$ とおくと、直線 $OP$ の方程式は $y = mx$ である。 もし $m=0$ であれば直線 $OP$ は $x$ 軸となり、これに垂直な直線 $x=c$ は放物線と高々1点でしか交わらないため、相異なる2点 $Q, R$ は存在しない。よって $m \neq 0$ である。

直線 $OP$ に垂直な直線 $l$ の方程式を $y = -\frac{1}{m}x + k$ とおく。 放物線 $y = x^2+4x$ と直線 $l$ の交点の $x$ 座標は、次の方程式の解である。

$$ x^2+4x = -\frac{1}{m}x + k $$

$$ x^2 + \left(4+\frac{1}{m}\right)x - k = 0 \quad \cdots (1) $$

直線 $l$ と放物線が相異なる2点で交わるため、(1) の判別式を $D$ とすると $D > 0$ が成り立つ。

$$ D = \left(4 + \frac{1}{m}\right)^2 + 4k > 0 \quad \cdots (2) $$

(1) の2つの実数解を $\alpha, \beta$ とし、交点を $Q, R$ とする。線分 $QR$ の中点 $M$ の $x$ 座標は、解と係数の関係より以下となる。

$$ x_M = \frac{\alpha+\beta}{2} = -\frac{1}{2}\left(4 + \frac{1}{m}\right) $$

中点 $M$ は直線 $l$ 上にあるため、その $y$ 座標は

$$ y_M = -\frac{1}{m}x_M + k = \frac{1}{2m}\left(4 + \frac{1}{m}\right) + k $$

さらに、中点 $M$ は直線 $OP: y = mx$ 上になければならないので $y_M = m x_M$ が成り立つ。

$$ \frac{1}{2m}\left(4 + \frac{1}{m}\right) + k = -\frac{m}{2}\left(4 + \frac{1}{m}\right) $$

これを $k$ について解くと、

$$ k = -\frac{1}{2}\left(m + \frac{1}{m}\right)\left(4 + \frac{1}{m}\right) \quad \cdots (3) $$

(3) を (2) に代入して整理する。

$$ \left(4 + \frac{1}{m}\right)^2 - 2\left(m + \frac{1}{m}\right)\left(4 + \frac{1}{m}\right) > 0 $$

$$ \left(4 + \frac{1}{m}\right) \left\{ \left(4 + \frac{1}{m}\right) - 2\left(m + \frac{1}{m}\right) \right\} > 0 $$

$$ \left(4 + \frac{1}{m}\right) \left( 4 - 2m - \frac{1}{m} \right) > 0 $$

$$ \frac{4m+1}{m} \cdot \frac{-2m^2+4m-1}{m} > 0 $$

$$ \frac{(4m+1)(-2m^2+4m-1)}{m^2} > 0 $$

$m \neq 0$ より $m^2 > 0$ であるから、分子が正となればよい。

$$ (4m+1)(2m^2-4m+1) < 0 $$

各因数の方程式 $4m+1=0$ と $2m^2-4m+1=0$ の解は、それぞれ $m = -\frac{1}{4}$ と $m = \frac{2 \pm \sqrt{2}}{2}$ である。したがって、この不等式の解は以下のようになる。

$$ m < -\frac{1}{4}, \quad \frac{2-\sqrt{2}}{2} < m < \frac{2+\sqrt{2}}{2} $$

$m = \frac{y}{x}$ であるから、求める点 $P(x,y)$ の満たす条件は次のようになる。

$$ \frac{y}{x} < -\frac{1}{4}, \quad \frac{2-\sqrt{2}}{2} < \frac{y}{x} < \frac{2+\sqrt{2}}{2} $$

これを $x$ の符号で場合分けして図示できる形に直す。

(ア)

$x > 0$ のとき

$$ y < -\frac{1}{4}x \quad \text{または} \quad \frac{2-\sqrt{2}}{2}x < y < \frac{2+\sqrt{2}}{2}x $$

(イ)

$x < 0$ のとき

$$ y > -\frac{1}{4}x \quad \text{または} \quad \frac{2+\sqrt{2}}{2}x < y < \frac{2-\sqrt{2}}{2}x $$

解法2

放物線 $y = x^2+4x$ 上に相異なる2点 $Q(s, s^2+4s), R(t, t^2+4t)$ ($s \neq t$)をとる。 この2点が直線 $OP$ に関して対称になるためには、線分 $QR$ の垂直二等分線が原点 $O$ を通り、かつその垂直二等分線上に点 $P$ が存在すること($P \neq O$)が必要十分である。

線分 $QR$ の中点 $M$ の座標は

$$ M\left(\frac{s+t}{2}, \frac{s^2+t^2+4(s+t)}{2}\right) $$

直線 $QR$ の傾きは

$$ \frac{(s^2+4s)-(t^2+4t)}{s-t} = s+t+4 $$

直線 $QR$ が $x$ 軸に平行なとき、すなわち $s+t+4=0$ のとき、垂直二等分線は $y$ 軸($x=0$)となる。しかし、放物線は $x=-2$ に軸を持つため $y$ 軸に関して対称な2点をもたず不適である。よって $s+t+4 \neq 0$ となり、垂直二等分線の傾きは $-\frac{1}{s+t+4}$ である。

線分 $QR$ の垂直二等分線の方程式は、

$$ y - \frac{s^2+t^2+4(s+t)}{2} = -\frac{1}{s+t+4} \left( x - \frac{s+t}{2} \right) $$

これが原点 $O(0,0)$ を通るので、

$$ -\frac{s^2+t^2+4(s+t)}{2} = \frac{s+t}{2(s+t+4)} $$

ここで $u = s+t$, $v = st$ とおく。$s \neq t$ より $u^2 - 4v > 0$ である。 $s^2+t^2 = u^2 - 2v$ を用いて上の式を整理する。

$$ (u^2 - 2v + 4u)(u+4) = -u $$

$$ (u^2+4u)(u+4) - 2v(u+4) + u = 0 $$

$$ u(u^2+8u+17) = 2v(u+4) \quad \cdots (4) $$

また、垂直二等分線(直線 $OP$)の傾きを $m$ とすると $m = -\frac{1}{u+4}$ である。 これより $u = -4 - \frac{1}{m}$ となる。これを (4) に代入して $v$ を求める。

$$ 2v \left(-\frac{1}{m}\right) = \left(-4 - \frac{1}{m}\right)\left(-\frac{1}{m}\right)^2 - 4 - \frac{1}{m} $$

$$ -\frac{2v}{m} = -\frac{4}{m^2} - \frac{1}{m^3} - 4 - \frac{1}{m} $$

$$ v = \frac{2}{m} + \frac{1}{2m^2} + 2m + \frac{1}{2} $$

求めた $u, v$ を相異なる実数条件 $u^2 - 4v > 0$ に代入する。

$$ \left(-4 - \frac{1}{m}\right)^2 - 4\left(\frac{2}{m} + \frac{1}{2m^2} + 2m + \frac{1}{2}\right) > 0 $$

$$ 16 + \frac{8}{m} + \frac{1}{m^2} - \frac{8}{m} - \frac{2}{m^2} - 8m - 2 > 0 $$

$$ 14 - 8m - \frac{1}{m^2} > 0 $$

両辺に $m^2$ ($>0$) を掛けて整理する。

$$ -8m^3 + 14m^2 - 1 > 0 $$

$$ 8m^3 - 14m^2 + 1 < 0 $$

これを因数分解すると、解法1と同じ不等式が得られる。

$$ (4m+1)(2m^2-4m+1) < 0 $$

以降は解法1と同様にして $m = \frac{y}{x}$ を代入し、領域を求める。

解説

放物線上の2点が直線に関して対称である条件は、「直交条件」と「中点が直線上にある条件」の2つに分解して処理するのが定石である。 解法1のように直線の式を立てて解と係数の関係を利用する方法と、解法2のように放物線上の2点から垂直二等分線を構成する方法がある。どちらも最終的に同じ不等式に帰着するが、式の見通しを良くするために文字の置き換えや対称式の性質をうまく活用したい。 最後に $m=\frac{y}{x}$ を不等式に代入して領域を求める際、両辺に掛ける $x$ の符号によって不等号の向きが変わる点に注意が必要である。

答え

求める点 $P$ の範囲は、座標平面上において次の不等式で表される領域である。

$x > 0$ のとき

$$ y < -\frac{1}{4}x \quad \text{または} \quad \frac{2-\sqrt{2}}{2}x < y < \frac{2+\sqrt{2}}{2}x $$

$x < 0$ のとき

$$ y > -\frac{1}{4}x \quad \text{または} \quad \frac{2+\sqrt{2}}{2}x < y < \frac{2-\sqrt{2}}{2}x $$

(ただし、境界線はすべて含まない。)

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