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大阪大学 2010年 文系 第2問 解説

数学2/指数対数数学A/整数問題数学1/方程式不等式テーマ/整数の証明テーマ/存在証明
大阪大学 2010年 文系 第2問 解説

方針・初手

(1) は自然数という強い条件を活かし、値の範囲を絞り込んで解を探す。第1式の指数関数の値の増加が早いため、候補はすぐに絞られる。

(2) は方程式の解の個数(一意性)に関する問題である。一方の文字を消去した関数の増減(単調性)に着目することで、解が多くとも1つしか存在しないことを示すのが定石である。

解法1

(1)

与えられた連立方程式は以下の通りである。

$$ \begin{cases} 2^x + 3^y = 43 & \cdots ① \\ \log_2 x - \log_3 y = 1 & \cdots ② \end{cases} $$

$x, y$ は自然数であるから、$x \geqq 1, y \geqq 1$ である。 このとき $2^x \geqq 2$ であるから、①より

$$ 3^y = 43 - 2^x \leqq 43 - 2 = 41 $$

これを満たす自然数 $y$ は、$3^1=3, 3^2=9, 3^3=27, 3^4=81$ より、$y = 1, 2, 3$ のいずれかである。

($y=1$ の場合)

①より $2^x = 43 - 3 = 40$ となるが、これを満たす自然数 $x$ は存在しない。

($y=2$ の場合)

①より $2^x = 43 - 3^2 = 34$ となるが、これを満たす自然数 $x$ は存在しない。

($y=3$ の場合)

①より $2^x = 43 - 3^3 = 16$ となり、これを満たす自然数 $x$ は $x = 4$ である。 この組 $(x, y) = (4, 3)$ が②を満たすか確認する。左辺に代入すると、

$$ \log_2 4 - \log_3 3 = 2 - 1 = 1 $$

となり、②を満たす。 以上より、求める自然数の組は $(x, y) = (4, 3)$ である。

(2)

$x, y$ を正の実数とする。 ②より、

$$ \log_3 y = \log_2 x - 1 $$

$$ y = 3^{\log_2 x - 1} \cdots ③ $$

これを①に代入して、方程式を $x$ のみの式で表すことを考える。 ①の左辺を $x$ の関数として $f(x) = 2^x + 3^{y}$ とおくと、③より

$$ f(x) = 2^x + 3^{3^{\log_2 x - 1}} $$

となる。 $x>0$ において、底が $2>1$ より対数関数 $\log_2 x$ は単調に増加する。 また、底が $3>1$ より指数関数 $3^t$ は $t$ について単調に増加するため、$x$ が増加すると $\log_2 x - 1$ は増加し、それに伴って $y = 3^{\log_2 x - 1}$ も単調に増加する。

さらに、$y$ が増加すれば $3^y$ も単調に増加するため、第2項 $3^{3^{\log_2 x - 1}}$ は $x$ について単調増加である。 第1項の $2^x$ も底が $2>1$ より単調増加である。

単調増加関数同士の和は単調増加関数であるから、$f(x)$ は $x>0$ において単調増加関数(厳密に単調増加)である。 したがって、方程式 $f(x) = 43$ を満たす正の実数 $x$ は多くとも1つしか存在しない。

(1) より、$x=4$ のとき $f(4) = 43$ を満たすことが分かっているため、方程式 $f(x) = 43$ の解は $x=4$ のみである。 このとき、③より $y$ の値も $y = 3^{\log_2 4 - 1} = 3^1 = 3$ と一意に定まる。

ゆえに、この連立方程式を満たす正の実数の組は、(1)で求めた自然数の組 $(4, 3)$ 以外に存在しないことが示された。

解法2

(2)の別解

方程式が表す曲線の増減に着目する。 $x>0, y>0$ において、①より

$$ y = \log_3 (43 - 2^x) \cdots ④ $$

ただし、真数条件より $43 - 2^x > 0$、すなわち $x < \log_2 43$ である。 この範囲において、底が $2>1$ より $2^x$ は単調増加であるから、$43 - 2^x$ は単調減少である。 さらに底が $3>1$ より、対数関数 $\log_3 t$ は $t$ について単調増加であるため、④の右辺は $x$ について単調減少関数である。

一方、②より

$$ \log_3 y = \log_2 x - 1 $$

$$ y = 3^{\log_2 x - 1} \cdots ⑤ $$

底が $2>1$ より $\log_2 x$ は単調増加である。 さらに底が $3>1$ より、指数関数 $3^t$ は $t$ について単調増加であるため、⑤の右辺は $x$ について単調増加関数である。

関数 ④ は単調減少し、関数 ⑤ は単調増加するため、曲線 ④ と ⑤ の交点は多くとも1つである。 (1) より、$(x, y) = (4, 3)$ が交点の1つであることが分かっているため、これ以外の交点は存在しない。 よって、連立方程式を満たす正の実数の組は $(4, 3)$ 以外に存在しない。

解説

(1) は片方の文字の範囲を絞り込んでしらみつぶしに調べる、整数問題の定石である。本問では $3^y$ の値が急激に大きくなるため、$y$ の絞り込みから入るのが手っ取り早い。

(2) は「解がただ1つである(これ以上存在しない)」ことの証明である。このような場合、グラフの交点の個数に帰着させ、関数の単調性(一方は単調増加、一方は単調減少、あるいは合成関数の増減など)を利用して論証する手法が非常に有効である。微分計算に頼らなくとも、基本関数の単調性の性質を組み合わせるだけで十分に示すことができる。

答え

(1)

$(x, y) = (4, 3)$

(2)

解法1または解法2に示した通り。

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