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大阪大学 2024年 文系 第2問 解説

数学C/空間ベクトルテーマ/空間図形テーマ/存在証明
大阪大学 2024年 文系 第2問 解説

方針・初手

$z$軸上の点と直線 $l$ 上の点をそれぞれパラメータを用いて表し、それら2点を結ぶ線分が両方の直線と直交する条件を立式する。その条件を満たすパラメータの組がただ1つ存在することと、定まる2点が一致しない(線分が点に潰れない)ことを示せばよい。

解法1

$z$軸の方向ベクトルを $\vec{e} = (0, 0, 1)$ とし、$z$軸上の点 $P$ は実数 $s$ を用いて $P(0, 0, s)$ と表せる。

また、直線 $l$ の方向ベクトルを $\vec{u} = (p, q, r)$、$l$ 上の定点を $A(a, b, c)$ とする。直線 $l$ 上の点 $Q$ は実数 $t$ を用いて以下のように表せる。

$$ \vec{OQ} = \vec{OA} + t\vec{u} = (a+pt, b+qt, c+rt) $$

直線 $l$ と $z$軸はねじれの位置にあるため、これらは平行ではない。すなわち $\vec{u}$ は $\vec{e}$ と平行ではないから、以下の条件が成り立つ。

$$ (p, q) \neq (0, 0) \iff p^2 + q^2 > 0 $$

求める直線は点 $P, Q$ を通る直線である。これが $z$軸および直線 $l$ の両方に直交するための条件は、ベクトル $\vec{PQ}$ が $\vec{e}$ および $\vec{u}$ の両方と垂直になることである。

$$ \vec{PQ} = \vec{OQ} - \vec{OP} = (a+pt, b+qt, c+rt-s) $$

まず、$\vec{PQ} \perp \vec{e}$ より内積が $0$ になるから、

$$ \vec{PQ} \cdot \vec{e} = c+rt-s = 0 $$

$$ s = c+rt $$

次に、$\vec{PQ} \perp \vec{u}$ より内積が $0$ になるから、

$$ \vec{PQ} \cdot \vec{u} = p(a+pt) + q(b+qt) + r(c+rt-s) = 0 $$

ここに $s = c+rt$ を代入すると、第3項は $0$ となる。

$$ p(a+pt) + q(b+qt) = 0 $$

$$ (p^2+q^2)t + (ap+bq) = 0 $$

$$ (p^2+q^2)t = -(ap+bq) $$

$p^2+q^2 > 0$ であるから、この $t$ についての方程式はただ1つの解を持つ。

$$ t = -\frac{ap+bq}{p^2+q^2} $$

$t$ がただ1つ定まることにより、$s = c+rt$ から $s$ の値もただ1つに定まる。すなわち、直交する条件を満たす点 $P, Q$ の組はただ1組存在する。

さらに、このとき $P$ と $Q$ が一致しないことを背理法で示す。 仮に $P = Q$ であったとすると、点 $P$ は $z$軸上の点でありながら直線 $l$ 上の点でもあることになり、$z$軸と直線 $l$ が交わることになる。しかし、これは $z$軸と直線 $l$ がねじれの位置にある(交わらず、平行でもない)という仮定に矛盾する。

よって $P \neq Q$ であり、これら2点を通る直線がただ1つ存在する。以上より、$l$ と $z$軸の両方に直交する直線がただ1つ存在することが示された。

解説

空間ベクトルにおける「2直線の共通垂線」の存在を示す典型的な論証問題である。2直線上の動点をそれぞれ独立したパラメータで表し、それらを結ぶベクトルが2つの方向ベクトルと垂直になる条件を処理する手法が最も確実である。

「ねじれの位置にある」という条件から、「方向ベクトルが平行でない($p^2+q^2 \neq 0$)」ことと「2直線が交わらない($P \neq Q$)」ことの2つの性質を正しく引き出し、それぞれを連立方程式の解の存在と、直線が定義できることの根拠として用いるのが論理の要点となる。

答え

$z$軸上の点 $P$ と直線 $l$ 上の点 $Q$ をパラメータ表示し、$\vec{PQ}$ が両直線の方向ベクトルと垂直になる条件から、組 $(P, Q)$ がただ1つ定まることを示した。さらに、ねじれの位置にあることから $P \neq Q$ となり、2点を通る直線がただ1つ存在することで証明完了。

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