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大阪大学 1971年 理系 第3問 解説

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大阪大学 1971年 理系 第3問 解説

方針・初手

放物線の方程式を条件から決定し、微分を用いて点 $B, B'$ における接線の傾きを求める。その後、原点を通る平行な2直線の方程式を立てる。これら2直線と放物線によって囲まれる2つの図形の共通部分は、$y$ 軸に関して対称な図形となるため、第1象限における面積を求めて2倍する方針で計算を進める。

解法1

放物線は $y$ 軸を軸とし、頂点が $A(0, a)$、さらに点 $B(b, 0)$ を通るため、その方程式は

$$ y = -\frac{a}{b^2}x^2 + a $$

とおける。これを $f(x)$ とすると、導関数は

$$ f'(x) = -\frac{2a}{b^2}x $$

である。

点 $B(b, 0)$ における接線の傾きは

$$ f'(b) = -\frac{2a}{b} $$

点 $B'(-b, 0)$ における接線の傾きは

$$ f'(-b) = \frac{2a}{b} $$

となる。 したがって、これらの接線に平行で原点を通る2直線の方程式は、それぞれ

$$ y = -\frac{2a}{b}x, \quad y = \frac{2a}{b}x $$

である。

放物線 $y = f(x)$ とこれら2直線のそれぞれが囲む2つの図形は、ともに放物線を上側の境界とし、直線を下側の境界とする領域である。 これらの共通部分は、$y$ 軸に関して対称な図形となる。 共通部分の下側の境界は、2直線のうち $y$ 座標が大きい方、すなわち $y = \frac{2a}{b}|x|$ である。

対称性より、$x \ge 0$ の部分の面積を求め、それを2倍することで全体の面積 $S$ を求める。 $x \ge 0$ における放物線と直線の交点の $x$ 座標は、方程式

$$ -\frac{a}{b^2}x^2 + a = \frac{2a}{b}x $$

の正の解である。$a > 0$ より両辺を $\frac{b^2}{a}$ 倍して整理すると、

$$ x^2 + 2bx - b^2 = 0 $$

解の公式より

$$ x = -b \pm \sqrt{b^2 - 1 \cdot (-b^2)} = -b \pm \sqrt{2}b $$

$x \ge 0, b > 0$ より、交点の $x$ 座標は $x = (\sqrt{2}-1)b$ である。

求める面積 $S$ は

$$ S = 2 \int_{0}^{(\sqrt{2}-1)b} \left\{ \left(-\frac{a}{b^2}x^2 + a\right) - \frac{2a}{b}x \right\} dx $$

これを計算する。

$$ \begin{aligned} S &= 2 \left[ -\frac{a}{3b^2}x^3 - \frac{a}{b}x^2 + ax \right]_{0}^{(\sqrt{2}-1)b} \\ &= 2a \left\{ -\frac{1}{3b^2}(\sqrt{2}-1)^3 b^3 - \frac{1}{b}(\sqrt{2}-1)^2 b^2 + (\sqrt{2}-1)b \right\} \\ &= 2ab \left\{ -\frac{1}{3}(2\sqrt{2} - 6 + 3\sqrt{2} - 1) - (2 - 2\sqrt{2} + 1) + (\sqrt{2} - 1) \right\} \\ &= 2ab \left\{ -\frac{1}{3}(5\sqrt{2} - 7) - 3 + 2\sqrt{2} + \sqrt{2} - 1 \right\} \\ &= 2ab \left( \frac{-5\sqrt{2} + 7}{3} + 3\sqrt{2} - 4 \right) \\ &= 2ab \left( \frac{-5\sqrt{2} + 7 + 9\sqrt{2} - 12}{3} \right) \\ &= 2ab \left( \frac{4\sqrt{2} - 5}{3} \right) \end{aligned} $$

よって、求める面積は $\frac{8\sqrt{2}-10}{3}ab$ となる。

解説

放物線と原点を通る2直線の位置関係を正確に把握できるかが鍵となる問題である。2つの図形の共通部分の下側の境界が $y = \frac{2a}{b}|x|$ という折れ線になることに気づけば、あとは $y$ 軸対称性を利用して計算量を半減させることができる。 定積分においては、そのまま展開して計算するほかに、被積分関数が $-\frac{a}{b^2}(x-\alpha)(x-\beta)$ と因数分解できることを利用して、式を整理してから代入する工夫も有効である。

答え

$$ \frac{8\sqrt{2}-10}{3}ab $$

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