大阪大学 1977年 文系 第4問 解説

方針・初手
まずは放物線 $y = 2x^2$ 上の点における接線 $l$ の方程式を求める。(1)では接線と放物線 $C$ の式を連立した2次方程式の判別式を調べる。(2)ではその2次方程式の解を $\alpha, \beta$ とおき、定積分のいわゆる $\frac{1}{6}$ 公式を利用して面積を $a$ の式で表す。
解法1
$f(x) = 2x^2$ とおくと、$f'(x) = 4x$ である。
放物線 $y = 2x^2$ 上の点 $(a, 2a^2)$ における接線 $l$ の方程式は、
$$ y - 2a^2 = 4a(x - a) $$
整理して、接線 $l$ の方程式は
$$ y = 4ax - 2a^2 $$
(1)
$l$ と $C$ の交点の $x$ 座標は、次の方程式の解である。
$$ x^2 - 2x - 2 = 4ax - 2a^2 $$
整理すると、
$$ x^2 - 2(2a + 1)x + 2a^2 - 2 = 0 \quad \cdots (*) $$
この $x$ についての2次方程式の判別式を $D$ とすると、
$$ \frac{D}{4} = \{-(2a + 1)\}^2 - 1 \cdot (2a^2 - 2) $$
$$ = 4a^2 + 4a + 1 - 2a^2 + 2 $$
$$ = 2a^2 + 4a + 3 $$
これを平方完成すると、
$$ = 2(a^2 + 2a) + 3 $$
$$ = 2(a + 1)^2 - 2 + 3 $$
$$ = 2(a + 1)^2 + 1 $$
すべての実数 $a$ について $(a + 1)^2 \geqq 0$ であるから、$2(a + 1)^2 + 1 > 0$ となる。
すなわち、つねに $D > 0$ である。
したがって、2次方程式 $(*)$ はつねに異なる2つの実数解をもつため、$l$ と $C$ はつねに2点で交わることが示された。
(2)
(1)の2次方程式 $(*)$ の2つの実数解を $\alpha, \beta \ (\alpha < \beta)$ とおく。
$x$ の範囲 $\alpha \leqq x \leqq \beta$ において、$l$ は $C$ の上側にあるため、$l$ と $C$ で囲まれる部分の面積 $S(a)$ は次のように表される。
$$ S(a) = \int_{\alpha}^{\beta} \{ (4ax - 2a^2) - (x^2 - 2x - 2) \} dx $$
$$ = -\int_{\alpha}^{\beta} \{ x^2 - 2(2a + 1)x + 2a^2 - 2 \} dx $$
ここで、被積分関数は $(*)$ の左辺であり、解が $\alpha, \beta$ であることから $(x - \alpha)(x - \beta)$ と因数分解できるため、
$$ S(a) = -\int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)(x - \beta) dx $$
定積分の公式を用いると、
$$ S(a) = \frac{1}{6}(\beta - \alpha)^3 $$
となる。
2次方程式 $(*)$ に解の公式を用いると、
$$ x = 2a + 1 \pm \sqrt{2a^2 + 4a + 3} $$
となるので、2解の差 $\beta - \alpha$ は、
$$ \beta - \alpha = (2a + 1 + \sqrt{2a^2 + 4a + 3}) - (2a + 1 - \sqrt{2a^2 + 4a + 3}) = 2\sqrt{2a^2 + 4a + 3} $$
これを面積の式に代入する。
$$ S(a) = \frac{1}{6} \left( 2\sqrt{2a^2 + 4a + 3} \right)^3 $$
$$ = \frac{8}{6} \left( 2a^2 + 4a + 3 \right)^{\frac{3}{2}} $$
$$ = \frac{4}{3} \left\{ 2(a + 1)^2 + 1 \right\}^{\frac{3}{2}} $$
ここで、$2(a + 1)^2 + 1$ は $a = -1$ のとき、最小値 $1$ をとる。
したがって、$S(a)$ の最小値は、
$$ \frac{4}{3} \cdot 1^{\frac{3}{2}} = \frac{4}{3} $$
解説
放物線と接線の交点、およびそれらで囲まれる図形の面積を求める、数学IIの微分積分の典型問題である。 面積を求める際には、定積分の公式 $\int_{\alpha}^{\beta}(x-\alpha)(x-\beta)dx = -\frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3$ を活用することで、計算量とミスを大幅に減らすことができる。このとき、2交点の $x$ 座標の差 $\beta - \alpha$ は、解の公式のルート部分から直接求めるか、解と係数の関係から $(\beta - \alpha)^2 = (\alpha + \beta)^2 - 4\alpha\beta$ として求めるのが定石である。
答え
(1)
解説の通り(判別式 $D > 0$ を示すことで証明完了)
(2)
$\frac{4}{3}$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











