大阪大学 2002年 文系 第2問 解説

方針・初手
(1) は「2つの曲線がある点で共通の接線をもつ」という条件を立式する。これは、その点における2曲線の $y$ 座標が一致し、かつ $y'$(接線の傾き)が一致することと同値である。
(2) は2つの放物線で囲まれた面積を求める定番の問題である。交点の $x$ 座標を $\alpha, \beta$ とおき、解と係数の関係および $\frac{1}{6}$ 公式を利用して計算を簡略化する。
(3) は (2) で求めた $S$ の式が $t$ の2次関数の累乗の形になるため、平方完成を用いて2次関数の最小値を求める。
解法1
(1)
$C_1: y = -x^2+x$, $C: y = \frac{1}{2}x^2+ax+b$ である。 それぞれ $x$ で微分すると、$y' = -2x+1$, $y' = x+a$ となる。
$C_1$ と $C$ が $x=t$ において共通の接線をもつための条件は、$x=t$ での $y$ 座標と接線の傾きがそれぞれ等しいことである。 したがって、次の2つの等式が成り立つ。
$$ \begin{cases} -t^2+t = \frac{1}{2}t^2+at+b & \cdots \text{①} \\ -2t+1 = t+a & \cdots \text{②} \end{cases} $$
②より、
$$ a = -3t+1 $$
これを①に代入して、
$$ -t^2+t = \frac{1}{2}t^2 + (-3t+1)t + b $$
$$ -t^2+t = -\frac{5}{2}t^2 + t + b $$
$$ b = \frac{3}{2}t^2 $$
(2)
(1) より、放物線 $C$ の方程式は $y = \frac{1}{2}x^2 + (-3t+1)x + \frac{3}{2}t^2$ である。 $C$ と $C_2: y = x^2-x$ の交点の $x$ 座標は、次の方程式の実数解である。
$$ \frac{1}{2}x^2 + (-3t+1)x + \frac{3}{2}t^2 = x^2-x $$
整理すると、
$$ \frac{1}{2}x^2 + (3t-2)x - \frac{3}{2}t^2 = 0 $$
$$ x^2 + 2(3t-2)x - 3t^2 = 0 \cdots \text{③} $$
③の判別式を $D$ とすると、
$$ \frac{D}{4} = (3t-2)^2 - 1 \cdot (-3t^2) = 12t^2 - 12t + 4 = 12\left(t-\frac{1}{2}\right)^2 + 1 > 0 $$
常に $D > 0$ であるから、③は異なる2つの実数解をもつ。それらを $\alpha, \beta \ (\alpha < \beta)$ とおく。 解と係数の関係より、
$$ \begin{cases} \alpha+\beta = -2(3t-2) \\ \alpha\beta = -3t^2 \end{cases} $$
これを用いて $(\beta-\alpha)^2$ を計算する。
$$ (\beta-\alpha)^2 = (\alpha+\beta)^2 - 4\alpha\beta = 4(3t-2)^2 - 4(-3t^2) = 16(3t^2-3t+1) $$
$\beta - \alpha > 0$ であるから、
$$ \beta - \alpha = 4\sqrt{3t^2-3t+1} $$
また、$x^2$ の係数を比較すると $C_2$ が $1$、$C$ が $\frac{1}{2}$ であるから、交点の間の区間 $\alpha \leqq x \leqq \beta$ においては $C$ の方が上側にある。 したがって、求める面積 $S$ は、
$$ S = \int_{\alpha}^{\beta} \left\{ \left( \frac{1}{2}x^2 + (-3t+1)x + \frac{3}{2}t^2 \right) - (x^2-x) \right\} dx $$
$$ S = \int_{\alpha}^{\beta} \left\{ -\frac{1}{2}x^2 - (3t-2)x + \frac{3}{2}t^2 \right\} dx $$
$$ S = -\frac{1}{2} \int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta) dx $$
$$ S = -\frac{1}{2} \cdot \left( -\frac{1}{6} \right) (\beta-\alpha)^3 = \frac{1}{12} (\beta-\alpha)^3 $$
これに $\beta - \alpha$ の結果を代入して、
$$ S = \frac{1}{12} \left( 4\sqrt{3t^2-3t+1} \right)^3 = \frac{16}{3} (3t^2-3t+1)^{\frac{3}{2}} $$
(3)
(2) の結果より、$S$ の値が最小となるのは $3t^2-3t+1$ が最小となるときである。 これを $t$ の関数とみて平方完成すると、
$$ 3t^2-3t+1 = 3\left( t^2-t \right) + 1 = 3\left( t-\frac{1}{2} \right)^2 + \frac{1}{4} $$
$t$ はすべての実数値をとるので、$t = \frac{1}{2}$ のとき、最小値 $\frac{1}{4}$ をとる。 したがって、$S$ の最小値は、
$$ S = \frac{16}{3} \left( \frac{1}{4} \right)^{\frac{3}{2}} = \frac{16}{3} \cdot \frac{1}{8} = \frac{2}{3} $$
解説
2つの曲線が接する条件は「接点での関数値が等しい」「接点での微分係数が等しい」の2式を連立することで処理できる。
面積計算においては、交点の座標が複雑になることが予想されるため、まともに解の公式で交点を求めて定積分を計算するのは避けるべきである。交点を $\alpha, \beta$ とおいて「$\frac{1}{6}$ 公式」を利用し、解と係数の関係から差 $\beta - \alpha$ を作り出す手法は、放物線同士や放物線と直線の間の面積を求める際の定石である。この処理により計算量とミスを大幅に減らすことができる。
答え
(1)
$a = -3t+1, \ b = \frac{3}{2}t^2$
(2)
$S = \frac{16}{3}(3t^2-3t+1)^{\frac{3}{2}}$
(3)
$\frac{2}{3}$
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