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大阪大学 1973年 理系 第7問 解説

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大阪大学 1973年 理系 第7問 解説

方針・初手

(1) 四角形の内角の和が $A+B+C+D=2\pi$ であることと、三角関数の積和の公式を用いて、与えられた等式を和の形に変形する。台形であること(1組の対辺が平行であること)は、隣り合う2つの内角の和が $\pi$ になることと言い換えられる。

(2) 与えられた連立方程式から $x, y, z$ の値をそれぞれ求める。台形の面積は、直線 $AB$ と $CD$ の交点を頂点とする2つの相似な三角形の面積の差として計算すると見通しが良い。

解法1

(1)

四角形の内角の和は $2\pi$ であるから、

$$ A+B+C+D = 2\pi $$

が成り立つ。与式 $\sin A \sin C = \sin B \sin D$ について、積和の公式を用いると、

$$ -\frac{1}{2} \{\cos(A+C) - \cos(A-C)\} = -\frac{1}{2} \{\cos(B+D) - \cos(B-D)\} $$

$$ \cos(A+C) - \cos(A-C) = \cos(B+D) - \cos(B-D) $$

ここで、$A+C = 2\pi - (B+D)$ より、

$$ \cos(A+C) = \cos(2\pi - (B+D)) = \cos(B+D) $$

となるため、上の式に代入して、

$$ \cos(B+D) - \cos(A-C) = \cos(B+D) - \cos(B-D) $$

$$ \cos(A-C) = \cos(B-D) $$

$0 < A, B, C, D < \pi$ であるから、$-\pi < A-C < \pi$ かつ $-\pi < B-D < \pi$ である。したがって、

$$ A-C = B-D \quad \text{または} \quad A-C = -(B-D) $$

が成り立つ。

(i)

$A-C = B-D$ のとき

式を整理すると $A+D = B+C$ である。 $A+B+C+D = 2\pi$ より $2(A+D) = 2\pi$、すなわち $A+D = \pi$ となる。 これは同側内角の和が $\pi$ であることを意味し、辺 $AB$ と辺 $DC$ が平行となるため、四角形 $ABCD$ は台形である。

(ii)

$A-C = -(B-D)$ のとき

式を整理すると $A-C = -B+D$ より、$A+B = C+D$ である。 $A+B+C+D = 2\pi$ より $2(A+B) = 2\pi$、すなわち $A+B = \pi$ となる。 同様に、辺 $AD$ と辺 $BC$ が平行となるため、四角形 $ABCD$ は台形である。

(i)、(ii) のいずれの場合も1組の対辺が平行となるため、4角形 $ABCD$ は台形であることが示された。

(2)

与えられた関係式は以下の通りである。

$$ \sqrt{x} - \sqrt{y} = 2 \quad \cdots ① $$

$$ x = \frac{z+1}{2} \quad \cdots ② $$

$$ y = \frac{15-z}{2} \quad \cdots ③ $$

②、③の辺々を足し合わせて $z$ を消去すると、

$$ x+y = \frac{z+1}{2} + \frac{15-z}{2} = \frac{16}{2} = 8 $$

①の両辺を2乗すると、

$$ x - 2\sqrt{xy} + y = 4 $$

$$ (x+y) - 2\sqrt{xy} = 4 $$

$x+y = 8$ を代入して、

$$ 8 - 2\sqrt{xy} = 4 $$

$$ 2\sqrt{xy} = 4 $$

$$ xy = 4 $$

$x+y=8$、$xy=4$ より、$x, y$ は2次方程式 $t^2 - 8t + 4 = 0$ の2つの解である。これを解くと、

$$ t = \frac{8 \pm \sqrt{64-16}}{2} = 4 \pm 2\sqrt{3} $$

①より $\sqrt{x} - \sqrt{y} = 2 > 0$ であるから $x > y$ となり、

$$ x = 4 + 2\sqrt{3}, \quad y = 4 - 2\sqrt{3} $$

と定まる。このとき、②より、

$$ z = 2x - 1 = 2(4+2\sqrt{3}) - 1 = 7 + 4\sqrt{3} $$

である。

次に、台形 $ABCD$ の面積 $S$ を求める。 直線 $AB$ と直線 $CD$ の交点を $P$ とおく。 $x > y$ であるから辺 $AD$ と辺 $BC$ が平行であり、$AD = y$、$BC = x$ となる。 $\triangle PBC$ と $\triangle PAD$ は相似であり、その相似比は $BC : AD = x : y$ である。 点 $P$ から辺 $BC$ に下ろした垂線の長さが $z$ であるから、$\triangle PBC$ の面積は、

$$ \triangle PBC = \frac{1}{2} x z $$

相似比より面積比は $\triangle PBC : \triangle PAD = x^2 : y^2$ となるため、

$$ \triangle PAD = \left(\frac{y}{x}\right)^2 \triangle PBC = \frac{1}{2} x z \cdot \frac{y^2}{x^2} = \frac{y^2 z}{2x} $$

台形 $ABCD$ の面積 $S$ は、$\triangle PBC$ から $\triangle PAD$ を除いたものであるから、

$$ S = \triangle PBC - \triangle PAD = \frac{1}{2} x z - \frac{y^2 z}{2x} = \frac{z(x^2 - y^2)}{2x} $$

ここに求めた $x, y, z$ の値を代入する。$x+y = 8$、$x-y = 4\sqrt{3}$ より、

$$ x^2 - y^2 = (x+y)(x-y) = 8 \cdot 4\sqrt{3} = 32\sqrt{3} $$

よって、

$$ \begin{aligned} S &= \frac{(7+4\sqrt{3}) \cdot 32\sqrt{3}}{2(4+2\sqrt{3})} \\ &= \frac{16\sqrt{3}(7+4\sqrt{3})}{2(2+\sqrt{3})} \\ &= \frac{8\sqrt{3}(7+4\sqrt{3})}{2+\sqrt{3}} \end{aligned} $$

分母を有理化するために、分子分母に $2-\sqrt{3}$ を掛ける。

$$ \begin{aligned} S &= 8\sqrt{3}(7+4\sqrt{3})(2-\sqrt{3}) \\ &= 8\sqrt{3}(14 - 7\sqrt{3} + 8\sqrt{3} - 12) \\ &= 8\sqrt{3}(2+\sqrt{3}) \\ &= 16\sqrt{3} + 24 \end{aligned} $$

したがって、求める面積は $24+16\sqrt{3}$ $\text{cm}^2$ である。

解説

(1) では、四角形の内角の和が $2\pi$ であるという基本的な性質を用い、積和の公式で加法定理の形に持ち込むのが定石である。台形であるための条件を「隣り合う角の和が $\pi$ になること」と言い換えられるかがポイントとなる。

(2) では、与えられた連立方程式の形から $x+y$ と $xy$ の基本対称式を作り、2次方程式の解と係数の関係を利用して $x, y$ の値を決定する。図形の面積計算においては、台形の高さを無理数のまま計算して直接求めるよりも、相似な三角形の面積比を利用して全体から引く方が、文字式のままで整理でき計算ミスを防ぎやすい。

答え

(1)

略(解法1に示した通り)

(2)

$24+16\sqrt{3} \text{ cm}^2$

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