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東北大学 1971年 文系 第4問 解説

数学2/微分法数学2/積分法数学2/図形と式テーマ/最大・最小テーマ/面積・体積
東北大学 1971年 文系 第4問 解説

方針・初手

条件(A)と(B)から、$f(1)=0$ かつ $f'(1)=0$ であることがわかるため、関数 $f(x)$ は $(x-1)^2$ を因数にもつことが確定します。これを手がかりに、係数 $a, b, c$ 間の関係式を導くか、$f(x) = -(x-1)^2(x-k)$ のように式を設定して未知数を減らすのが定石です。その後、条件(C)の面積を定積分で表して係数を決定し、増減表を用いてグラフの概形を描きます。

解法1

$f(x) = -x^3 + ax^2 + bx + c$ より、導関数は次のようになる。

$$ f'(x) = -3x^2 + 2ax + b $$

条件(B)より、$f(x)$ は $x=1$ で極値をとるため、$f'(1) = 0$ である。

$$ -3 + 2a + b = 0 \iff b = 3 - 2a \quad \cdots \text{①} $$

また、条件(A)より $x=1$ は方程式 $f(x)=0$ の根であるから、$f(1) = 0$ である。

$$ -1 + a + b + c = 0 $$

これに①を代入して整理する。

$$ -1 + a + (3 - 2a) + c = 0 \iff c = a - 2 \quad \cdots \text{②} $$

①、②より、$f(x)$ は $a$ を用いて次のように表せる。

$$ f(x) = -x^3 + ax^2 + (3-2a)x + (a-2) $$

$f(1) = 0$ であることから、$f(x)$ は $x-1$ を因数にもつ。因数分解すると以下のようになる。

$$ \begin{aligned} f(x) &= -(x-1) \{ x^2 - (a-1)x - (a-2) \} \\ &= -(x-1)^2(x - a + 2) \end{aligned} $$

条件(A)より、$f(x)=0$ の正根は $x=1$ だけであるため、もう1つの根 $x = a - 2$ は正であってはならない。よって、以下の条件が必要である。

$$ a - 2 \le 0 \iff a \le 2 $$

次に条件(C)を考える。$a \le 2$ のとき、$0 \le x \le 1$ の範囲において $(x-1)^2 \ge 0$ かつ $x - (a-2) \ge 0$ であるため、$f(x) \le 0$ となる。

したがって、2直線 $x=0, y=0$ ($y$ 軸と $x$ 軸)および曲線 $y=f(x)$ で囲まれた部分のうち、$0 \le x \le 1$ の領域の面積 $S$ は次のように計算できる。

$$ \begin{aligned} S &= \int_{0}^{1} \{0 - f(x)\} dx \\ &= \int_{0}^{1} \{x^3 - ax^2 - (3-2a)x - (a-2)\} dx \\ &= \left[ \frac{1}{4}x^4 - \frac{a}{3}x^3 - \frac{3-2a}{2}x^2 - (a-2)x \right]_{0}^{1} \\ &= \frac{1}{4} - \frac{a}{3} - \frac{3-2a}{2} - (a-2) \\ &= \frac{3 - 4a - 6(3-2a) - 12(a-2)}{12} \\ &= \frac{3 - 4a - 18 + 12a - 12a + 24}{12} \\ &= \frac{9 - 4a}{12} \end{aligned} $$

条件(C)より、この面積が $\frac{3}{4}$ に等しいので、

$$ \frac{9 - 4a}{12} = \frac{3}{4} $$

両辺に $12$ を掛けて解く。

$$ \begin{aligned} 9 - 4a &= 9 \\ -4a &= 0 \\ a &= 0 \end{aligned} $$

これは $a \le 2$ を満たしている。このとき、①と②から $b, c$ の値が求まる。

$$ b = 3, \quad c = -2 $$

よって、$f(x) = -x^3 + 3x - 2$ と決定できる。

グラフの概形を描くために、$f(x)$ の増減を調べる。

$$ f'(x) = -3x^2 + 3 = -3(x-1)(x+1) $$

$f'(x) = 0$ となるのは $x = 1, -1$ のときであり、増減表は次のようになる。

$x$ $\cdots$ $-1$ $\cdots$ $1$ $\cdots$
$f'(x)$ $-$ $0$ $+$ $0$ $-$
$f(x)$ $\searrow$ $-4$ $\nearrow$ $0$ $\searrow$

この結果から、$y=f(x)$ のグラフは、極小値 $(-1, -4)$、極大値 $(1, 0)$ をもち、$y$ 軸と $(0, -2)$ で交わり、$x$ 軸とは $(1, 0)$ で接し $(-2, 0)$ で交わる曲線となる。

解法2

条件(A)、(B)から、$f(x)=0$ は $x=1$ を重解にもち、それ以外の正根をもたないことがわかる。$x^3$ の係数が $-1$ であるから、定数 $k$ を用いて次のように表すことができる。

$$ f(x) = -(x-1)^2(x-k) $$

正根が $x=1$ のみである条件から、$k \le 0$ である。($k=1$ の場合は $f(x) = -(x-1)^3$ となり、単調減少するため極値をもたず不適)

式を展開して係数を比較する。

$$ \begin{aligned} f(x) &= -(x^2 - 2x + 1)(x - k) \\ &= -x^3 + (k+2)x^2 - (2k+1)x + k \end{aligned} $$

これより、各係数は以下のように表される。

$$ a = k+2, \quad b = -2k-1, \quad c = k $$

$k \le 0$ のとき、$0 \le x \le 1$ において $(x-1)^2 \ge 0$ かつ $x-k \ge 0$ であるため、$f(x) \le 0$ となる。

条件(C)より、面積 $S$ について立式する。

$$ \begin{aligned} S &= \int_{0}^{1} \{-f(x)\} dx \\ &= \int_{0}^{1} \{x^3 - (k+2)x^2 + (2k+1)x - k\} dx \\ &= \left[ \frac{1}{4}x^4 - \frac{k+2}{3}x^3 + \frac{2k+1}{2}x^2 - kx \right]_{0}^{1} \\ &= \frac{1}{4} - \frac{k+2}{3} + \frac{2k+1}{2} - k \\ &= \frac{1 - 4k}{12} \end{aligned} $$

これが $\frac{3}{4}$ と等しいので、

$$ \frac{1 - 4k}{12} = \frac{3}{4} \iff 1 - 4k = 9 \iff k = -2 $$

このとき、$a = 0, b = 3, c = -2$ となる。グラフの概形については解法1と同様に増減表を作成して描画する。

解説

「$x=1$ で極値をとる」「正根が $x=1$ のみ」という条件から、$x=1$ が方程式の重解になることを見抜けるかどうかがポイントです。解法1のように文字式をそのまま使っても解けますが、解法2のように因数分解された形からスタートすることで、計算量が減り見通しが良くなります。

また、面積の計算においては積分区間における $f(x)$ の符号を正しく判定する必要があります。$x \le 0$ の領域(第3象限)にも囲まれた部分が生じますが、計算された面積から意図された領域が $0 \le x \le 1$ の部分であることが確定します。

答え

$$ a = 0, \quad b = 3, \quad c = -2 $$

グラフは、$x$ 軸との交点が $(-2, 0), (1, 0)$、$y$ 切片が $(0, -2)$ であり、$x = -1$ で極小値 $-4$、$x = 1$ で極大値 $0$ をとる 3次関数の曲線となる。(詳細は増減表を参照)

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