東北大学 1975年 文系 第4問 解説

方針・初手
(1) は、計算しやすいように座標系を適切に設定する。辺 $QR$ の中点を原点にとり、放物線の方程式を文字式で表して定積分によって面積を計算する。
(2) は、(1) で求めた「弦の長さが $q$、高さが $p$ である放物線弧の面積は $\frac{2}{3}pq$ になる」という事実を利用する。正三角形の面積と、3つの合同な放物線弧の面積をそれぞれ求め、それらを足し合わせる。
解法1
(1)
辺 $QR$ の中点を原点 $O$ とし、直線 $QR$ を $x$ 軸、辺 $QR$ の垂直二等分線を $y$ 軸とする座標系をとる。 $QR = q$ より、点 $Q, R$ の座標はそれぞれ $Q \left( -\frac{q}{2}, 0 \right), R \left( \frac{q}{2}, 0 \right)$ とおける。 $PQ = p$ であり、四角形 $PQRS$ は長方形であるから、点 $P, S$ の座標は $P \left( -\frac{q}{2}, p \right), S \left( \frac{q}{2}, p \right)$ となる。 辺 $PS$ の中点を $M$ とすると、$M(0, p)$ である。
条件より、放物線は $y$ 軸を軸とし、頂点が $M(0, p)$ であるから、その方程式は定数 $k$ を用いて次のように表せる。
$$y = kx^2 + p$$
この放物線が点 $R \left( \frac{q}{2}, 0 \right)$ を通るから、
$$0 = k \left( \frac{q}{2} \right)^2 + p$$
$$k = -\frac{4p}{q^2}$$
よって、放物線の方程式は次のようになる。
$$y = -\frac{4p}{q^2}x^2 + p$$
求める面積を $S_1$ とすると、$S_1$ はこの放物線と $x$ 軸で囲まれた部分の面積である。被積分関数が偶関数であることに注意して積分すると、
$$S_1 = \int_{-\frac{q}{2}}^{\frac{q}{2}} \left( -\frac{4p}{q^2}x^2 + p \right) dx$$
$$= 2 \int_{0}^{\frac{q}{2}} \left( -\frac{4p}{q^2}x^2 + p \right) dx$$
$$= 2 \left[ -\frac{4p}{3q^2}x^3 + px \right]_{0}^{\frac{q}{2}}$$
$$= 2 \left( -\frac{4p}{3q^2} \cdot \frac{q^3}{8} + p \cdot \frac{q}{2} \right)$$
$$= 2 \left( -\frac{pq}{6} + \frac{pq}{2} \right)$$
$$= 2 \left( \frac{pq}{3} \right)$$
$$= \frac{2}{3}pq$$
(2)
正三角形 $ABC$ の1辺の長さは $BC = a$ であるから、その面積 $S_{\triangle}$ は次のようになる。
$$S_{\triangle} = \frac{1}{2} \cdot a \cdot \frac{\sqrt{3}}{2}a = \frac{\sqrt{3}}{4}a^2$$
頂点 $A$ から辺 $BC$ に下ろした垂線の足を $H$ とすると、$H$ は辺 $BC$ の中点であり、
$$AH = \frac{\sqrt{3}}{2}a$$
となる。 弦 $BC$ に対する放物線の対称軸は、辺 $BC$ の垂直二等分線であるから、直線 $AH$ と一致する。したがって、放物線の頂点 $D$ は直線 $AH$ の延長線上にある。 図の配置より、線分 $AD$ の長さは $b$ であるから、放物線の頂点 $D$ から弦 $BC$ に下ろした垂線の長さ(放物線弧の高さ)は、
$$DH = AD - AH = b - \frac{\sqrt{3}}{2}a$$
である。 (1) の結果より、弦の長さが $q$、高さが $p$ である放物線弧の面積は $\frac{2}{3}pq$ で計算できる。 弦 $BC$ に対する放物線弧の面積を $S_2$ とすると、弦の長さが $a$、高さが $b - \frac{\sqrt{3}}{2}a$ であるから、
$$S_2 = \frac{2}{3} a \left( b - \frac{\sqrt{3}}{2}a \right)$$
合同な3つの放物線弧が正三角形 $ABC$ の外側にそれぞれ作られているため、求める全体の面積 $S$ は、正三角形の面積と3つの放物線弧の面積の和となる。
$$S = S_{\triangle} + 3 S_2$$
$$= \frac{\sqrt{3}}{4}a^2 + 3 \cdot \frac{2}{3} a \left( b - \frac{\sqrt{3}}{2}a \right)$$
$$= \frac{\sqrt{3}}{4}a^2 + 2a \left( b - \frac{\sqrt{3}}{2}a \right)$$
$$= \frac{\sqrt{3}}{4}a^2 + 2ab - \sqrt{3}a^2$$
$$= 2ab - \frac{3\sqrt{3}}{4}a^2$$
解説
(1) は、放物線と弦で囲まれた図形の面積が、外接する長方形の面積の $\frac{2}{3}$ 倍になるという有名な性質(アルキメデスの定理)を自ら導出する問題である。 (2) は、(1) で得た結果を公式として用いる誘導問題となっている。直接積分計算を行おうとすると座標設定が煩雑になるため、図形的な特徴(弦の長さと放物線弧の高さ)に着目して面積を求める方針が非常に有効である。高さを求める際、$AD$ の長さから正三角形の高さを引く処理を正確に行うことがポイントとなる。
答え
(1)
$$\frac{2}{3}pq$$
(2)
$$2ab - \frac{3\sqrt{3}}{4}a^2$$
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