東北大学 1983年 文系 第1問 解説

方針・初手
$f(x)=2x^{n+1}-4x^n+3$ は
$$ f(x)=2x^n(x-2)+3 $$
と変形できるが、解の個数を調べるには増減を見るのが最も確実である。
したがって、まず $f'(x)$ を求めて単調性を調べ、そのうえで $f!\left(\dfrac32\right)$ の符号と $x\to\pm\infty$ の極限を組み合わせて解の個数を決定する。
解法1
まず
$$ f'(x)=2(n+1)x^n-4nx^{n-1} =2x^{n-1}\bigl((n+1)x-2n\bigr) $$
である。
1. $f!\left(\dfrac32\right)$ の符号
$$ f!\left(\frac32\right) =2\left(\frac32\right)^{n+1}-4\left(\frac32\right)^n+3 =\left(\frac32\right)^n\left(3-4\right)+3 =3-\left(\frac32\right)^n $$
$n\geqq 3$ より
$$ \left(\frac32\right)^n \geqq \left(\frac32\right)^3=\frac{27}{8}>3 $$
であるから、
$$ f\left(\frac32\right)=3-\left(\frac32\right)^n<0 $$
となる。
2. 正の解の個数
$x>0$ では $x^{n-1}>0$ であるから、$f'(x)$ の符号は $\bigl((n+1)x-2n\bigr)$ の符号で決まる。
したがって、
- $0<x<\dfrac{2n}{n+1}$ では $f'(x)<0$
- $x>\dfrac{2n}{n+1}$ では $f'(x)>0$
である。よって、$x>0$ において $f(x)$ は
- $\left(0,\dfrac{2n}{n+1}\right)$ で単調減少
- $\left(\dfrac{2n}{n+1},\infty\right)$ で単調増加
する。
また、
$$ f(0)=3>0 $$
であり、さらに $n\geqq 3$ より
$$ \frac{2n}{n+1}\geqq \frac32 $$
であるから、$0<x<\dfrac{2n}{n+1}$ の範囲で $f(x)$ は減少し、
$$ f!\left(\frac32\right)<0 $$
となる。したがって、中間値の定理により $0< x < \dfrac32$ に 1 個の正の解をもつ。
一方、
$$ \lim_{x\to +\infty} f(x)=+\infty $$
であり、$x>\dfrac{2n}{n+1}$ では単調増加であるから、$\dfrac{2n}{n+1}$ より右側にちょうど 1 個の正の解をもつ。
以上より、正の解はちょうど $2$ 個である。
3. 負の解の個数
負の範囲では $\bigl((n+1)x-2n\bigr)<0$ であるから、$f'(x)$ の符号は $x^{n-1}$ の符号によって決まる。
(i) $n$ が奇数のとき
このとき $n-1$ は偶数であるから、$x<0$ では
$$ x^{n-1}>0 $$
となる。よって
$$ f'(x)<0 \qquad (x<0) $$
であり、$f(x)$ は $(-\infty,0)$ で単調減少する。
また、$n$ が奇数なら $n+1$ は偶数であるから、
$$ \lim_{x\to -\infty} f(x)=+\infty $$
であり、さらに
$$ f(0)=3>0 $$
である。したがって、$(-\infty,0)$ で $f(x)$ は正のままであり、負の解は存在しない。
(ii) $n$ が偶数のとき
このとき $n-1$ は奇数であるから、$x<0$ では
$$ x^{n-1}<0 $$
となる。よって
$$ f'(x)>0 \qquad (x<0) $$
であり、$f(x)$ は $(-\infty,0)$ で単調増加する。
また、$n$ が偶数なら $n+1$ は奇数であるから、
$$ \lim_{x\to -\infty} f(x)=-\infty $$
であり、さらに
$$ f(0)=3>0 $$
である。したがって、中間値の定理と単調増加性より、$(-\infty,0)$ に負の解をちょうど 1 個もつ。
解説
この問題の要点は、$f!\left(\dfrac32\right)$ の符号だけで解こうとせず、必ず導関数で増減を押さえることである。
正の範囲では極小値を 1 回だけとる形になるので、$f(0)>0$ と $f!\left(\dfrac32\right)<0$、さらに $x\to+\infty$ で $f(x)\to+\infty$ を合わせれば、正の解が 2 個であることが確定する。
負の範囲では $n$ の偶奇によって $x^{n-1}$ の符号と $x\to-\infty$ のときの挙動が変わるため、ここを場合分けするのが決定的である。
答え
$$ f!\left(\frac32\right)=3-\left(\frac32\right)^n<0 $$
である。
また、方程式 $f(x)=0$ の解の個数は
- 正の解は常に $2$ 個
- 負の解は、$n$ が奇数のとき $0$ 個、$n$ が偶数のとき $1$ 個
である。
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











