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東北大学 1983年 理系 第6問 解説

数学3/微分法数学2/指数対数テーマ/速度・距離数学3/極限
東北大学 1983年 理系 第6問 解説

方針・初手

点 $P$ の位置は

$$ x=4-2f(t),\qquad y=f(t) $$

で与えられるので,まず速度ベクトルを $f'(t)$ で表す。

「$y$ 座標が増加する方向に動く」とあるから $y'=f'(t)>0$ であり,速さは速度ベクトルの大きさそのものになる。これを条件「速さは $xy$ に等しい」に代入して $f(t)$ の微分方程式を作る。その後,$g(t)=1/f(t)$ とおくと一次方程式になるので,初期条件を用いて解く。

解法1

時刻 $t$ における点 $P$ の位置は

$$ (x,y)=(4-2f(t),,f(t)) $$

であるから,速度ベクトルは

$$ \left(\frac{dx}{dt},\frac{dy}{dt}\right)=(-2f'(t),,f'(t)) $$

である。

したがって速さは

$$ \sqrt{(-2f'(t))^2+(f'(t))^2}=\sqrt{5},|f'(t)| $$

となる。

ここで,$P$ は $y$ 座標が増加する方向に動くので

$$ f'(t)>0 $$

である。よって速さは

$$ \sqrt{5},f'(t) $$

と書ける。

また,条件より速さは $xy$ に等しいから,

$$ \sqrt{5},f'(t)=xy=(4-2f(t))f(t) $$

である。したがって,$f(t)$ の満たす微分方程式は

$$ \sqrt{5},f'(t)=(4-2f(t))f(t) $$

すなわち

$$ f'(t)=\frac{(4-2f(t))f(t)}{\sqrt{5}} $$

である。

次に

$$ g(t)=\frac{1}{f(t)} $$

とおくと,

$$ g'(t)=-\frac{f'(t)}{f(t)^2} $$

であるから,上の微分方程式を代入して

$$ g'(t) =-\frac{1}{f(t)^2}\cdot \frac{(4-2f(t))f(t)}{\sqrt{5}} =-\frac{4-2f(t)}{\sqrt{5},f(t)} $$

となる。ここで $g(t)=1/f(t)$ を用いれば,

$$ g'(t)=-\frac{4g(t)-2}{\sqrt{5}} $$

すなわち

$$ g'(t)=\frac{2-4g(t)}{\sqrt{5}} $$

である。

次に初期条件を用いる。$t=0$ において $P=(2,1)$ だから,

$$ f(0)=1 $$

である。よって

$$ g(0)=1 $$

となる。

したがって $g(t)$ は

$$ g'(t)+\frac{4}{\sqrt{5}}g(t)=\frac{2}{\sqrt{5}},\qquad g(0)=1 $$

を満たす一次微分方程式である。

定数解を求めると $g=\frac12$ であるから,

$$ h(t)=g(t)-\frac12 $$

とおけば

$$ h'(t)+\frac{4}{\sqrt{5}}h(t)=0 $$

となる。よって

$$ h(t)=Ce^{-\frac{4}{\sqrt{5}}t} $$

であり,

$$ g(t)=\frac12+Ce^{-\frac{4}{\sqrt{5}}t} $$

を得る。初期条件 $g(0)=1$ より

$$ 1=\frac12+C $$

なので

$$ C=\frac12 $$

である。したがって

$$ g(t)=\frac12\left(1+e^{-\frac{4}{\sqrt{5}}t}\right) $$

となる。

ゆえに

$$ f(t)=\frac{1}{g(t)} =\frac{2}{1+e^{-\frac{4}{\sqrt{5}}t}} $$

である。

最後に $t\to\infty$ のときを考えると,

$$ e^{-\frac{4}{\sqrt{5}}t}\to 0 $$

より

$$ f(t)\to 2 $$

である。したがって

$$ x=4-2f(t)\to 0,\qquad y=f(t)\to 2 $$

となるので,$P$ は

$$ (0,2) $$

に近づく。

解説

この問題の本質は,位置が $f(t)$ で与えられているので,まず速度ベクトルを $f'(t)$ で表すことである。速さはベクトルの大きさであり,ここで「$y$ 座標が増加する方向に動く」という条件から $f'(t)>0$ が分かるため,絶対値を外せる。

また,$f$ のままでは変数分離でも解けるが,$g=1/f$ とおくと一次微分方程式になり,計算が整理される。さらに $t\to\infty$ の極限では,$f(t)$ の極限だけ見れば座標 $(x,y)$ の極限がすぐ分かる。

答え

$$ f'(t)=\frac{(4-2f(t))f(t)}{\sqrt{5}} $$

$$ g(t)=\frac{1}{f(t)}\ \text{とおくと}\ g'(t)=\frac{2-4g(t)}{\sqrt{5}} $$

初期条件 $P(0)=(2,1)$ のもとでは

$$ f(t)=\frac{2}{1+e^{-\frac{4}{\sqrt{5}}t}} $$

である。

また,

$$ t\to\infty \ \text{のとき}\ (x,y)\to(0,2) $$

である。

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