トップ 東北大学 2006年 文系 第4問

東北大学 2006年 文系 第4問 解説

数学2/図形と式数学2/微分法数学2/積分法テーマ/軌跡・領域テーマ/最大・最小
東北大学 2006年 文系 第4問 解説

方針・初手

$E$ は放物線

$$ y=x^2-3ax+2a^2=(x-a)(x-2a) $$

の上側の領域であり,$D$ は $1\le x\le 2$ かつ $y\le 0$ の領域である。

したがって,$D$ と $E$ が共通点をもつためには,ある $x\in[1,2]$ に対して

$$ x^2-3ax+2a^2\le 0 $$

となればよい。まずこれを満たす $a$ の範囲を求め,その後,共通部分の面積を $x$ で積分して求める。積分区間は,放物線が $x$ 軸以下にある区間と $1\le x\le 2$ との共通部分になるので,$a=1$ を境に場合分けする。

解法1

$f(x)=x^2-3ax+2a^2=(x-a)(x-2a)$ とおく。

(1) $D$ と $E$ が共通点をもつ $a$ の範囲

$D$ に属する点では $y\le 0$,$E$ に属する点では $y\ge f(x)$ であるから,共通点が存在することと

$$ \exists x\in[1,2]\ \text{such that}\ f(x)\le 0 $$

は同値である。

ここで

$$ f(x)=(x-a)(x-2a) $$

であるから,$f(x)\le 0$ となるのは $x$ が $a$ と $2a$ の間にあるときである。

(i) $a<0$ のとき,$a,2a$ はともに負であり,$[1,2]$ と交わらない。したがって共通点はない。

(ii) $a\ge 0$ のとき,$a\le 2a$ なので,$f(x)\le 0$ となるのは

$$ a\le x\le 2a $$

である。よって $[1,2]$ と $[a,2a]$ が交わればよいから,

$$ a\le 2,\qquad 2a\ge 1 $$

が必要十分である。

したがって

$$ \frac12\le a\le 2 $$

である。

(2) 共通部分の面積 $S(a)$

共通部分では,各 $x$ に対して $y$ は

$$ f(x)\le y\le 0 $$

を満たすから,その縦の長さは $-f(x)$ である。したがって

$$ S(a)=\int (,-f(x),),dx $$

となる。ただし積分区間は $[1,2]\cap[a,2a]$ である。

(i) $\dfrac12\le a\le 1$ のとき

このとき $a\le 1\le 2a\le 2$ なので,積分区間は $[1,2a]$ である。よって

$$ S(a)=\int_1^{2a}(-x^2+3ax-2a^2),dx $$

となる。積分すると

$$ S(a)=\left[-\frac{x^3}{3}+\frac{3a}{2}x^2-2a^2x\right]_1^{2a} $$

$$ =\frac13-\frac{3a}{2}+2a^2-\frac{2a^3}{3} $$

$$ =\frac{(2a-1)^2(2-a)}{6}. $$

(ii) $1\le a\le 2$ のとき

このとき $1\le a\le 2\le 2a$ なので,積分区間は $[a,2]$ である。よって

$$ S(a)=\int_a^2(-x^2+3ax-2a^2),dx $$

となる。積分すると

$$ S(a)=\left[-\frac{x^3}{3}+\frac{3a}{2}x^2-2a^2x\right]_a^2 $$

$$ =-\frac83+6a-4a^2+\frac{5a^3}{6} $$

$$ =\frac{(2-a)^2(5a-4)}{6}. $$

以上より,

$$ S(a)= \begin{cases} \dfrac{(2a-1)^2(2-a)}{6} & \left(\dfrac12\le a\le 1\right),[1.2ex] \dfrac{(2-a)^2(5a-4)}{6} & \left(1\le a\le 2\right). \end{cases} $$

(3) $S(a)$ の最大値

まず $\dfrac12\le a\le 1$ では,

$$ S(a)=\frac{(2a-1)^2(2-a)}{6} $$

より

$$ S'(a)=\frac{(2a-1)(3-2a)}{2}. $$

この範囲では $2a-1\ge 0,\ 3-2a>0$ であるから,$S'(a)\ge 0$ であり,$S(a)$ は単調増加である。したがってこの範囲での最大値は $a=1$ のときで,

$$ S(1)=\frac16. $$

次に $1\le a\le 2$ では,

$$ S(a)=\frac{(2-a)^2(5a-4)}{6} $$

より

$$ S'(a)=\frac{(2-a)(6-5a)}{2}. $$

したがって $1\le a<\dfrac65$ で増加し,$\dfrac65<a\le 2$ で減少するので,この範囲での最大値は

$$ a=\frac65 $$

のときにとる。その値は

$$ S!\left(\frac65\right) =\frac{\left(2-\frac65\right)^2\left(5\cdot\frac65-4\right)}{6} =\frac{\left(\frac45\right)^2\cdot 2}{6} =\frac{16}{75}. $$

さらに

$$ \frac{16}{75}>\frac16 $$

であるから,全体の最大値は

$$ \frac{16}{75} $$

である。

解説

この問題の本質は,「$D$ と $E$ の共通点がある」という条件を,放物線 $y=f(x)$ が区間 $1\le x\le 2$ のどこかで $x$ 軸以下にあることに言い換える点にある。

また,面積は $y=0$ と $y=f(x)$ の間の面積であるから,積分区間さえ正しく決まれば計算は機械的に進む。積分区間が $a=1$ を境に $[1,2a]$ と $[a,2]$ に分かれることを見落とさないのが重要である。

答え

$$ \text{(1)}\quad \frac12\le a\le 2 $$

$$ \text{(2)}\quad S(a)= \begin{cases} \dfrac{(2a-1)^2(2-a)}{6} & \left(\dfrac12\le a\le 1\right),[1.2ex] \dfrac{(2-a)^2(5a-4)}{6} & \left(1\le a\le 2\right) \end{cases} $$

$$ \text{(3)}\quad S(a)\text{ の最大値は }\frac{16}{75} \quad \left(a=\frac65\right) $$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。