東北大学 2004年 文系 第1問 解説

方針・初手
まず,放物線 $D:y=-(x-a)^2+b$ が直線 $L:y=x$ に接する条件を用いて $b$ を $a$ で表す。
次に,$C$ と $L$ の交点を求め,その交点を結ぶ線分上に接点があるという条件から $a$ の範囲を決める。
面積は $D-C$ を整理すると対称な形になるので,交点の中点まわりに平行移動して積分すると計算しやすい。
解法1
(1) $b$ を $a$ で表し,$a$ の取り得る値の範囲を求める。
$D$ の接点の $x$ 座標を $t$ とする。 $D$ の導関数は
$$ y'=-2(x-a) $$
であるから,直線 $L:y=x$ の傾き $1$ と一致するためには
$$ -2(t-a)=1 $$
すなわち
$$ t=a-\frac12 $$
でなければならない。
また,接点は $L$ 上にあるので $y=t$ である。一方,この点は $D$ 上にもあるから
$$ -(t-a)^2+b=t $$
である。ここで $t-a=-\dfrac12$ を代入すると
$$ -\frac14+b=a-\frac12 $$
より
$$ b=a-\frac14 $$
を得る。
次に,$C$ と $L$ の交点を求める。 $C:y=x^2-2$ と $L:y=x$ の交点は
$$ x^2-2=x $$
すなわち
$$ x^2-x-2=0 $$
より
$$ x=-1,\ 2 $$
である。したがって交点は $(-1,-1)$,$(2,2)$ であり,それらを結ぶ線分は直線 $y=x$ 上で
$$ -1\le x\le 2 $$
に対応する。
接点の $x$ 座標は $t=a-\dfrac12$ だから,この接点がその線分上にある条件は
$$ -1\le a-\frac12\le 2 $$
である。よって
$$ -\frac12\le a\le \frac52 $$
となる。
(2) 2つの曲線 $C,D$ によって囲まれる図形の面積 $S(a)$ を求める。
(1) より
$$ D:\ y=-(x-a)^2+a-\frac14 $$
である。したがって
$$ D-C=-(x-a)^2+a-\frac14-(x^2-2) $$
これを整理すると
$$ D-C=-2x^2+2ax-a^2+a+\frac74 $$
さらに平方完成して
$$ D-C=-2\left(x-\frac a2\right)^2+\frac94-\frac12(a-1)^2 $$
となる。
ここで
$$ A=\frac94-\frac12(a-1)^2 $$
とおくと
$$ D-C=-2\left(x-\frac a2\right)^2+A $$
である。
$C$ と $D$ の交点では $D-C=0$ だから
$$ -2\left(x-\frac a2\right)^2+A=0 $$
すなわち
$$ \left(x-\frac a2\right)^2=\frac A2 $$
となる。 よって交点の $x$ 座標は
$$ x=\frac a2\pm \sqrt{\frac A2} $$
である。
また,この区間では $D-C\ge 0$ なので,面積は
$$ S(a)=\int_{\frac a2-\sqrt{A/2}}^{\frac a2+\sqrt{A/2}}(D-C),dx $$
となる。ここで
$$ u=x-\frac a2 $$
とおくと
$$ S(a)=\int_{-\sqrt{A/2}}^{\sqrt{A/2}}(-2u^2+A),du $$
である。対称性を用いて
$$ S(a)=2\int_0^{\sqrt{A/2}}(-2u^2+A),du $$
$$ =2\left[-\frac23u^3+Au\right]_0^{\sqrt{A/2}} $$
ここで $d=\sqrt{A/2}$ とおくと $d^2=\dfrac A2$ だから
$$ S(a)=2\left(-\frac23d^3+Ad\right) =2\left(-\frac23\cdot \frac A2 d+Ad\right) =\frac43Ad $$
よって
$$ S(a)=\frac43A\sqrt{\frac A2} $$
である。
さらに
$$ A=\frac12\left(\frac92-(a-1)^2\right) $$
なので
$$ S(a)=\frac13\left(\frac92-(a-1)^2\right)^{3/2} $$
を得る。
(3) $a$ が動くとき,$S(a)$ の最大値と最小値を求める。
(1) より
$$ -\frac12\le a\le \frac52 $$
である。また
$$ S(a)=\frac13\left(\frac92-(a-1)^2\right)^{3/2} $$
は,$\dfrac92-(a-1)^2$ が大きいほど大きい。
したがって最大値は $(a-1)^2$ が最小となる $a=1$ のときにとる。このとき
$$ S(1)=\frac13\left(\frac92\right)^{3/2} =\frac{9\sqrt2}{4} $$
である。
最小値は $(a-1)^2$ が最大となる区間の端 $a=-\dfrac12,\ \dfrac52$ のときにとる。このとき
$$ (a-1)^2=\left(\frac32\right)^2=\frac94 $$
より
$$ S\left(-\frac12\right)=S\left(\frac52\right) =\frac13\left(\frac92-\frac94\right)^{3/2} =\frac13\left(\frac94\right)^{3/2} =\frac98 $$
である。
解説
この問題の要点は,$D$ が $L$ に接するという条件を「傾きが等しい」「接点が両方の曲線上にある」の2つに分けて使うことである。
また,面積計算では $D-C$ を平方完成すると,交点の中点が $x=\dfrac a2$ であることが分かり,左右対称な積分に帰着できる。ここを見抜けると計算がかなり整理される。
答え
$$ b=a-\frac14 $$
$$ -\frac12\le a\le \frac52 $$
$$ S(a)=\frac13\left(\frac92-(a-1)^2\right)^{3/2} $$
最大値は
$$ \frac{9\sqrt2}{4} \quad (a=1) $$
最小値は
$$ \frac98 \quad \left(a=-\frac12,\ \frac52\right) $$
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