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九州大学 2006年 文系 第1問 解説

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九州大学 2006年 文系 第1問 解説

方針・初手

微分を用いて接線と法線の方程式を求め、各点の座標を正確に計算する。次に、定積分および三角形の面積の公式を用いて2つの図形の面積 $S_1, S_2$ を $t$ の式で表し、与えられた不等式を解く。

解法1

(1)

曲線 $y = x^2$ について、微分すると $y' = 2x$ である。 点 $P(t, t^2)$ における接線 $l$ の傾きは $2t$ となるので、接線 $l$ の方程式は

$$ y - t^2 = 2t(x - t) $$

$$ y = 2tx - t^2 $$

点 $Q$ は接線 $l$ と $x$ 軸との交点であるから、$y = 0$ を代入して

$$ 0 = 2tx - t^2 $$

$t > 0$ より、両辺を $2t$ で割って $x$ について解くと

$$ x = \frac{t}{2} $$

したがって、点 $Q$ の $x$ 座標は $\frac{t}{2}$ である。

次に、直線 $m$ は点 $P$ を通り接線 $l$ に垂直な直線(法線)であるから、その傾きは $-\frac{1}{2t}$ である。したがって、直線 $m$ の方程式は

$$ y - t^2 = -\frac{1}{2t}(x - t) $$

$$ y = -\frac{1}{2t}x + \frac{1}{2} + t^2 $$

点 $R_1$ は直線 $m$ と $x$ 軸との交点であるから、$y = 0$ を代入して

$$ 0 = -\frac{1}{2t}x + \frac{1}{2} + t^2 $$

$$ \frac{1}{2t}x = t^2 + \frac{1}{2} $$

両辺に $2t$ を掛けると

$$ x = 2t^3 + t $$

したがって、点 $R_1$ の $x$ 座標は $2t^3 + t$ である。

(2)

点 $R_2$ は直線 $m$ と $y$ 軸との交点であるから、直線 $m$ の方程式に $x = 0$ を代入して、その座標は $\left(0, t^2 + \frac{1}{2}\right)$ である。

面積 $S_2$ は、曲線 $C$ と $y$ 軸および線分 $PR_2$(直線 $m$ の一部)で囲まれた図形の面積である。区間 $0 \leqq x \leqq t$ において、直線 $m$ の $y$ 切片は点 $P$ の $y$ 座標よりも大きく、図形的に直線 $m$ は曲線 $C$ の上側にあるため、面積 $S_2$ は次のように計算できる。

$$ \begin{aligned} S_2 &= \int_{0}^{t} \left\{ \left( -\frac{1}{2t}x + t^2 + \frac{1}{2} \right) - x^2 \right\} dx \\ &= \left[ -\frac{1}{4t}x^2 + \left( t^2 + \frac{1}{2} \right)x - \frac{1}{3}x^3 \right]_{0}^{t} \\ &= -\frac{1}{4t} \cdot t^2 + \left( t^2 + \frac{1}{2} \right)t - \frac{1}{3}t^3 \\ &= -\frac{1}{4}t + t^3 + \frac{1}{2}t - \frac{1}{3}t^3 \\ &= \frac{2}{3}t^3 + \frac{1}{4}t \end{aligned} $$

(3)

$\triangle PQR_1$ の面積 $S_1$ を求める。底辺を $x$ 軸上の線分 $QR_1$ とすると、その長さは $R_1$ と $Q$ の $x$ 座標の差であるから

$$ (2t^3 + t) - \frac{t}{2} = 2t^3 + \frac{t}{2} $$

高さは点 $P$ の $y$ 座標である $t^2$ である。したがって、$S_1$ は

$$ \begin{aligned} S_1 &= \frac{1}{2} \left( 2t^3 + \frac{t}{2} \right) t^2 \\ &= t^5 + \frac{1}{4}t^3 \end{aligned} $$

与えられた条件 $S_1 > S_2$ より

$$ t^5 + \frac{1}{4}t^3 > \frac{2}{3}t^3 + \frac{1}{4}t $$

両辺に $12$ を掛けて分母を払うと

$$ 12t^5 + 3t^3 > 8t^3 + 3t $$

$$ 12t^5 - 5t^3 - 3t > 0 $$

$t > 0$ であるから、不等式の両辺を $t$ で割って

$$ 12t^4 - 5t^2 - 3 > 0 $$

左辺を因数分解すると

$$ (4t^2 - 3)(3t^2 + 1) > 0 $$

すべての実数 $t$ に対して $3t^2 + 1 > 0$ が成り立つため、上の不等式が成り立つ条件は

$$ 4t^2 - 3 > 0 $$

$$ t^2 > \frac{3}{4} $$

$t > 0$ であるから、求める $t$ の範囲は

$$ t > \frac{\sqrt{3}}{2} $$

解説

微分積分における接線・法線の方程式の導出、定積分による面積計算、基本的な図形の面積計算という標準的な処理を組み合わせた問題である。 各点の座標を正確に求め、不等式を解く際も $t > 0$ という条件を忘れずに活用することがポイントとなる。不等式の処理では、$t$ で割る操作や、常に正となる因数を括り出す操作を正確に行うことで、高次不等式を簡潔に解くことができる。

答え

(1) 点 $Q$ の $x$ 座標は $\frac{t}{2}$、点 $R_1$ の $x$ 座標は $2t^3 + t$

(2) $S_2 = \frac{2}{3}t^3 + \frac{1}{4}t$

(3) $t > \frac{\sqrt{3}}{2}$

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