九州大学 2004年 文系 第1問 解説

方針・初手
- (1)は与えられた通過点の座標を関数に代入して $p$ を求める。
- (2)は2つの関数の式を連立させ、絶対値を含む方程式を解く。$x^2 = |x|^2$ を利用すると見通しが良い。
- (3)は微分を用いて接線の方程式を求め、絶対値を含む1次方程式を解いて交点を求める。
- (4)は領域の図示を行い、上下関係を把握した上で定積分により面積を計算する。$f(x)$ と $g(x)$ の交点を利用して積分区間を分割する。
解法1
(1)
放物線 $y = f(x)$ が点 $(3\sqrt{2}, 0)$ を通ることから、
$$0 = -p(3\sqrt{2})^2 + 2$$
$$18p = 2$$
$$p = \frac{1}{9}$$
これは $p > 0$ を満たす。また、点 $(-3\sqrt{2}, 0)$ を通る条件も $f(-3\sqrt{2}) = -18p + 2 = 0$ となり満たされる。
(2)
(1)より $f(x) = -\frac{1}{9}x^2 + 2$ である。 $y = f(x)$ と $y = g(x)$ の交点の $x$ 座標は、方程式 $f(x) = g(x)$ の解である。
$$-\frac{1}{9}x^2 + 2 = |x| - 2$$
整理すると、
$$x^2 + 9|x| - 36 = 0$$
$x^2 = |x|^2$ より、
$$|x|^2 + 9|x| - 36 = 0$$
$$(|x| + 12)(|x| - 3) = 0$$
$|x| \geqq 0$ であるから、$|x| = 3$ となり、$x = \pm 3$ を得る。 このとき、$y = g(\pm 3) = 3 - 2 = 1$ となる。 したがって、求める交点は $(-3, 1), (3, 1)$ である。
(3)
(2)より、交点のうち $x$ 座標が最小となる点 $A$ の座標は $(-3, 1)$ であり、$a = -3$ である。 $f(x) = -\frac{1}{9}x^2 + 2$ を微分すると、
$$f'(x) = -\frac{2}{9}x$$
点 $A(-3, 1)$ における接線の傾きは $f'(-3) = \frac{2}{3}$ となる。 よって、接線 $y = h(x)$ の方程式は、
$$y - 1 = \frac{2}{3}(x - (-3))$$
$$y = \frac{2}{3}x + 3$$
したがって、$h(x) = \frac{2}{3}x + 3$ である。
次に、直線 $y = h(x)$ と $y = g(x)$ の交点 $B$ の $x$ 座標を求める。
$$\frac{2}{3}x + 3 = |x| - 2$$
$$|x| = \frac{2}{3}x + 5$$
(i) $x \geqq 0$ のとき
方程式は $x = \frac{2}{3}x + 5$ となり、これを解くと $x = 15$ となる。これは $x \geqq 0$ を満たす。 このとき、$y = g(15) = 15 - 2 = 13$ となる。
(ii) $x < 0$ のとき
方程式は $-x = \frac{2}{3}x + 5$ となり、これを解くと $x = -3$ となる。これは $x < 0$ を満たすが、点 $A$ の $x$ 座標である。
求める点 $B$ は点 $A$ とは異なる交点であるため、点 $B$ の座標は $(15, 13)$ である。また、$b = 15$ である。
(4)
連立不等式が定める領域の $x$ 座標の範囲は、$-3 \leqq x \leqq 15$ である。 領域の境界の上下関係を調べる。 区間 $-3 \leqq x \leqq 3$ においては、(2)の解と $f(0) = 2, g(0) = -2$ より、$f(x) \geqq g(x)$ が成り立つ。 また、放物線は上に凸であり、接線は常に放物線の上側または接点にあるため、$h(x) \geqq f(x)$ である。 区間 $3 \leqq x \leqq 15$ においては、$x \geqq 0$ より $g(x) = x - 2$ であり、(3)の計算結果とグラフの位置関係から $h(x) \geqq g(x)$ が成り立つ。
したがって、求める面積を $S$ とすると、$S$ は区間 $[-3, 3]$ における $h(x)$ と $f(x)$ の間の面積と、区間 $[3, 15]$ における $h(x)$ と $g(x)$ の間の面積の和となる。
$$S = \int_{-3}^{3} \{h(x) - f(x)\} dx + \int_{3}^{15} \{h(x) - g(x)\} dx$$
ここで、第1項の積分を $S_1$、第2項の積分を $S_2$ とおく。
$$S_1 = \int_{-3}^{3} \left\{ \left(\frac{2}{3}x + 3\right) - \left(-\frac{1}{9}x^2 + 2\right) \right\} dx$$
$$= \int_{-3}^{3} \frac{1}{9}(x^2 + 6x + 9) dx$$
$$= \frac{1}{9} \int_{-3}^{3} (x + 3)^2 dx$$
$$= \frac{1}{9} \left[ \frac{(x + 3)^3}{3} \right]_{-3}^{3}$$
$$= \frac{1}{27} \cdot 6^3 = 8$$
次に、$S_2$ を計算する。区間 $[3, 15]$ において $g(x) = x - 2$ であるから、
$$S_2 = \int_{3}^{15} \left\{ \left(\frac{2}{3}x + 3\right) - (x - 2) \right\} dx$$
$$= \int_{3}^{15} \left( -\frac{1}{3}x + 5 \right) dx$$
$$= \left[ -\frac{1}{6}x^2 + 5x \right]_{3}^{15}$$
$$= \left( -\frac{225}{6} + 75 \right) - \left( -\frac{9}{6} + 15 \right)$$
$$= \frac{225}{6} - \frac{81}{6} = \frac{144}{6} = 24$$
よって、求める面積 $S$ は、
$$S = S_1 + S_2 = 8 + 24 = 32$$
解説
絶対値を含む関数と放物線の交点や領域の面積を求める、微積分の標準的な総合問題。 (2)では、$x^2 = |x|^2$ と置き換えて $|x|$ の2次方程式として処理すると、場合分けの手間が省けて計算ミスを防ぎやすい。 (4)では、領域の上下関係を正確に把握することが重要である。$x=3$ を境目として下側の境界となる関数が $f(x)$ から $g(x)$ に切り替わるため、積分区間を分割して計算する。接線と放物線で囲まれた面積の計算では、$\int (x - \alpha)^2 dx = \frac{(x - \alpha)^3}{3} + C$ の公式を利用すると素早く正確に計算できる。また、後半の $S_2$ に相当する部分は直線同士で囲まれた三角形の面積となるため、定積分を使わずに底辺と高さから計算($S_2 = \frac{1}{2} \cdot 4 \cdot 12 = 24$)することで、時間短縮と検算が可能である。
答え
(1) $p = \frac{1}{9}$ (2) $(-3, 1), (3, 1)$ (3) $h(x) = \frac{2}{3}x + 3$, $B(15, 13)$ (4) $32$
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