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東北大学 2012年 文系 第2問 解説

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東北大学 2012年 文系 第2問 解説

方針・初手

$-\sin x+\sqrt{3}\cos x$ を $t$ とおくと,もとの式の中に現れる $2\cos^2 x-2\sqrt{3}\sin x\cos x$ が $t^2$ で表せる。したがって,まず $f(x)$ を $t$ の二次関数に直し,次に $x$ の範囲 $0\leqq x\leqq 90^\circ$ から $t$ の範囲を求め,最後にその区間上で絶対値つき二次関数の値域を調べればよい。

解法1

(1)

$t=-\sin x+\sqrt{3}\cos x$ より,

$$ \begin{aligned} t^2 &=\sin^2 x-2\sqrt{3}\sin x\cos x+3\cos^2 x \\ &=(1-\cos^2 x)-2\sqrt{3}\sin x\cos x+3\cos^2 x \\ &=1+2\cos^2 x-2\sqrt{3}\sin x\cos x \end{aligned} $$

となる。したがって,

$$ 2\cos^2 x-2\sqrt{3}\sin x\cos x=t^2-1 $$

である。

よって,

$$ \begin{aligned} f(x) &=\left|2\cos^2 x-2\sqrt{3}\sin x\cos x-\sin x+\sqrt{3}\cos x-\frac54\right| \\ &=\left|(t^2-1)+t-\frac54\right| \\ &=\left|t^2+t-\frac94\right| \end{aligned} $$

である。

(2)

$$ t=-\sin x+\sqrt{3}\cos x =2\cos(x+30^\circ) $$

である。

$x$ が $0\leqq x\leqq 90^\circ$ を動くとき,

$$ 30^\circ \leqq x+30^\circ \leqq 120^\circ $$

である。この区間では $\cos \theta$ は単調減少するから,

$$ 2\cos 120^\circ \leqq t \leqq 2\cos 30^\circ $$

すなわち,

$$ -1\leqq t\leqq \sqrt{3} $$

である。

(3)

(i)

$f(x)$ の値域

(1) より

$$ f(x)=\left|t^2+t-\frac94\right| $$

であり,(2) より $-1\leqq t\leqq \sqrt{3}$ である。

ここで

$$ q(t)=t^2+t-\frac94 $$

とおくと,

$$ q(t)=\left(t+\frac12\right)^2-\frac52 $$

であるから,$q(t)$ は $t=-\dfrac12$ で最小値

$$ -\frac52 $$

をとる。

また,$q(t)$ は上に凸の二次関数なので,区間 $[-1,\sqrt{3}]$ における最大値は端点でとる。実際,

$$ q(-1)=1-1-\frac94=-\frac94 $$

$$ q(\sqrt{3})=3+\sqrt{3}-\frac94=\sqrt{3}+\frac34 $$

であり,

$$ \sqrt{3}+\frac34<\frac52 $$

である。

したがって,

$$ -\frac52\leqq q(t)\leqq \sqrt{3}+\frac34<\frac52 $$

となるので,

$$ f(x)=|q(t)|\leqq \frac52 $$

である。しかも $t=-\dfrac12$ のとき $q(t)=-\dfrac52$ だから,

$$ f(x)=\frac52 $$

が実際に達成される。

一方,$q(t)=0$ は

$$ t^2+t-\frac94=0 $$

すなわち

$$ t=\frac{-1\pm \sqrt{10}}{2} $$

であり,このうち

$$ \frac{-1+\sqrt{10}}{2} $$

は $-1\leqq t\leqq \sqrt{3}$ を満たす。よって $f(x)=0$ も達成される。

以上より,$f(x)$ のとりうる値の範囲は

$$ 0\leqq f(x)\leqq \frac52 $$

である。

(ii)

$f(x)$ が最大値をとる $x$ の範囲

$f(x)$ が最大値 $\dfrac52$ をとるのは,

$$ t=-\frac12 $$

すなわち

$$ -\sin x+\sqrt{3}\cos x=-\frac12 $$

のときである。

ここで

$$ t=2\cos(x+30^\circ) $$

は $0\leqq x\leqq 90^\circ$ で単調減少する。そこで $x=60^\circ,75^\circ$ における値を調べる。

$$ t(60^\circ)=-\sin 60^\circ+\sqrt{3}\cos 60^\circ =-\frac{\sqrt{3}}{2}+\frac{\sqrt{3}}{2}=0 $$

また,

$$ \begin{aligned} t(75^\circ) &=2\cos 105^\circ \\ &=-2\cos 75^\circ \\ &=-\frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{2} \end{aligned} $$

であり,$\sqrt{6}-\sqrt{2}>1$ だから

$$ t(75^\circ)<-\frac12 $$

である。

したがって,

$$ t(60^\circ)=0>-\frac12>t(75^\circ) $$

となる。$t$ は $x$ に関して単調減少するので,$t=-\dfrac12$ を満たす $x$ は

$$ 60^\circ<x<75^\circ $$

を満たす。

解説

この問題の要点は,三角関数の式をそのまま扱わず,

$$ t=-\sin x+\sqrt{3}\cos x $$

という一次式にまとめてしまうことである。すると $f(x)$ は $t$ の二次関数の絶対値になり,値域の問題に帰着できる。

また,$t=2\cos(x+30^\circ)$ と直せることが重要である。これにより $t$ の範囲がすぐ分かり,さらに $t$ が $x$ に関して単調減少することも分かるので,最大値を与える $x$ の範囲も比較的容易に示せる。

答え

$$ f(x)=\left|t^2+t-\frac94\right| $$

である。

$x$ が $0\leqq x\leqq 90^\circ$ を動くとき,

$$ -1\leqq t\leqq \sqrt{3} $$

である。

したがって,$f(x)$ のとりうる値の範囲は

$$ 0\leqq f(x)\leqq \frac52 $$

である。

また,$f(x)$ が最大値 $\dfrac52$ をとるのは $t=-\dfrac12$ のときであり,そのときの $x$ は

$$ 60^\circ<x<75^\circ $$

を満たす。

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