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東北大学 1966年 理系 第5問 解説

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東北大学 1966年 理系 第5問 解説

方針・初手

関数 $f(x)$ を微分し、$f'(x)=0$ となる条件から $\sin x$ の値を求める。求まった $\sin x$ の値から、導関数 $f'(x)$ の符号変化を調べ、極大・極小を判定する。極値を与える点での $f(x)$ の式を調べ、$y = -x + (\text{定数})$ の形になることを導き、点が直線上にあることを示す。

解法1

$f(x) = \sec x - x = \frac{1}{\cos x} - x$ 定義域は $\cos x \neq 0$ である。

$f(x)$ を微分すると、

$$ f'(x) = - \frac{-\sin x}{\cos^2 x} - 1 = \frac{\sin x - \cos^2 x}{\cos^2 x} = \frac{\sin^2 x + \sin x - 1}{\cos^2 x} $$

極値をとるためには $f'(x) = 0$ となる必要があるため、

$$ \sin^2 x + \sin x - 1 = 0 $$

これを $\sin x$ について解くと、

$$ \sin x = \frac{-1 \pm \sqrt{5}}{2} $$

$-1 \le \sin x \le 1$ であるから、極値をとるための候補となる $x$ の正弦の値は

$$ \sin x = \frac{\sqrt{5}-1}{2} $$

このとき $\alpha = \frac{\sqrt{5}-1}{2}$ とおくと、$0 < \alpha < 1$ であり、

$$ \cos^2 x = 1 - \sin^2 x = 1 - \alpha^2 $$

ここで $\alpha$ は $\alpha^2 + \alpha - 1 = 0$ の解であるから $\alpha^2 = 1 - \alpha$ が成り立ち、

$$ \cos^2 x = 1 - (1 - \alpha) = \alpha > 0 $$

となり、定義域の条件 $\cos x \neq 0$ を満たしている。 次に、$\sin x = \alpha$ となる $x$ の前後での $f'(x)$ の符号変化を調べる。 $\sin \theta_0 = \alpha$ を満たす鋭角 $\theta_0$ ($0 < \theta_0 < \frac{\pi}{2}$)を用いると、$\sin x = \alpha$ を満たす $x$ は整数 $n$ を用いて以下の2つの場合に分けられる。

(i) $x = \theta_0 + 2n\pi$ のとき

この点の前後で $x$ が増加するとき、$\cos x > 0$ の範囲であるため $\sin x$ は増加する。 したがって、$\sin^2 x + \sin x - 1$ の値は負から正へと符号が変わる。 分母の $\cos^2 x > 0$ であるから、$f'(x)$ も負から正へ符号が変わり、$f(x)$ は極小となる。 このとき、$\cos x = \cos \theta_0 = \sqrt{\alpha}$ であるから、極小値は

$$ f(x) = \frac{1}{\cos x} - x = \frac{1}{\sqrt{\alpha}} - x $$

よって、極小を与える点 $(x, f(x))$ はすべて直線 $y = -x + \frac{1}{\sqrt{\alpha}}$ 上にある。

(ii) $x = \pi - \theta_0 + 2n\pi$ のとき

この点の前後で $x$ が増加するとき、$\cos x < 0$ の範囲であるため $\sin x$ は減少する。 したがって、$\sin^2 x + \sin x - 1$ の値は正から負へと符号が変わる。 分母の $\cos^2 x > 0$ であるから、$f'(x)$ も正から負へ符号が変わり、$f(x)$ は極大となる。 このとき、$\cos x = \cos(\pi - \theta_0) = -\cos \theta_0 = -\sqrt{\alpha}$ であるから、極大値は

$$ f(x) = \frac{1}{\cos x} - x = -\frac{1}{\sqrt{\alpha}} - x $$

よって、極大を与える点 $(x, f(x))$ はすべて直線 $y = -x - \frac{1}{\sqrt{\alpha}}$ 上にある。

(i), (ii) より、極大を与える点および極小を与える点はそれぞれ一直線上にあることが示された。 最後に定数 $\frac{1}{\sqrt{\alpha}}$ の値を計算する。

$$ \frac{1}{\sqrt{\alpha}} = \sqrt{ \frac{2}{\sqrt{5}-1} } = \sqrt{ \frac{2(\sqrt{5}+1)}{(\sqrt{5}-1)(\sqrt{5}+1)} } = \sqrt{ \frac{2(\sqrt{5}+1)}{4} } = \sqrt{\frac{\sqrt{5}+1}{2}} $$

したがって、求める直線の方程式は定まる。

解説

導関数の分子に現れる $\sin^2 x + \sin x - 1$ の符号変化を調べることで、極値の判定を行う問題である。 方程式 $f'(x)=0$ の解を求めるだけでなく、その前後で $f'(x)$ の符号が実際に変わることを確認しなければならない。特に、$\sin x = \alpha$ となる $x$ の位置によって、$x$ が増加する際の $\sin x$ の増減が異なるため、極大・極小の判定が分かれる点に注意が必要である。 また、$\alpha^2 + \alpha - 1 = 0$ の関係式を用いて $\cos^2 x = \alpha$ と次数下げを行うと、計算が見通しよく進む。

答え

極値をとる $x$ の正弦の値:$\frac{\sqrt{5}-1}{2}$

極大を与える点が乗る直線の方程式:$y = -x - \sqrt{\frac{\sqrt{5}+1}{2}}$

極小を与える点が乗る直線の方程式:$y = -x + \sqrt{\frac{\sqrt{5}+1}{2}}$

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