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東京工業大学 1988年 理系 第3問 解説

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東京工業大学 1988年 理系 第3問 解説

注意 画像の一部が不鮮明で、特に曲線の方程式の引数部分の読取りに不確実性がある。以下は、式の形状と関数の対称性などの数学的な自然さを考慮し、$y = \cos \left( \sqrt{\frac{\pi}{2}} x \right)$ として解釈した場合の解答解説である。

方針・初手

解法1

曲線の式を $y = \cos\left(\sqrt{\frac{\pi}{2}}x\right)$、円の式を $x^2 + y^2 = r^2 \ (r \ge 0)$ とする。

これらを連立して $y$ を消去すると、以下の $x$ についての方程式を得る。

$$ x^2 + \cos^2\left(\sqrt{\frac{\pi}{2}}x\right) = r^2 $$

この方程式の実数解 $x$ が1つ定まると、対応する $y$ は曲線の方程式より $y = \cos\left(\sqrt{\frac{\pi}{2}}x\right)$ としてただ1つに定まる。したがって、求める共有点の個数 $N(r)$ は、関数 $f(x) = x^2 + \cos^2\left(\sqrt{\frac{\pi}{2}}x\right)$ とおいたときの、曲線 $y = f(x)$ と直線 $y = r^2$ の共有点の個数に等しい。

$f(-x) = f(x)$ であるから、$f(x)$ は偶関数である。以下、$x \ge 0$ の範囲で増減を調べる。

$f(x)$ を微分すると、

$$ \begin{aligned} f'(x) &= 2x + 2\cos\left(\sqrt{\frac{\pi}{2}}x\right) \cdot \left\{ -\sin\left(\sqrt{\frac{\pi}{2}}x\right) \right\} \cdot \sqrt{\frac{\pi}{2}} \\ &= 2x - \sqrt{\frac{\pi}{2}} \sin\left(\sqrt{2\pi}x\right) \end{aligned} $$

さらに第2次導関数を求めると、

$$ f''(x) = 2 - \pi \cos\left(\sqrt{2\pi}x\right) $$

$x = 0$ のとき、$f'(0) = 0$ であり、$f''(0) = 2 - \pi < 0$ であるから、$f(x)$ は $x = 0$ で極大値 $f(0) = 1$ をとる。

次に、$x > 0$ における $f'(x) = 0$ の解、すなわち $2x = \sqrt{\frac{\pi}{2}} \sin\left(\sqrt{2\pi}x\right)$ の解について考える。

直線 $y = 2x$ と曲線 $y = \sqrt{\frac{\pi}{2}} \sin\left(\sqrt{2\pi}x\right)$ の交点を調べる。 原点におけるそれぞれの右側微分係数は $2$ と $\pi$ であり、$\pi > 2$ であるため、原点の直右では正弦曲線が直線より上側にある。 正弦曲線の最大値は $\sqrt{\frac{\pi}{2}}$ であるため、$2x \ge \sqrt{\frac{\pi}{2}}$ すなわち $x \ge \frac{1}{2}\sqrt{\frac{\pi}{2}}$ の範囲では、直線が正弦曲線より常に上側にある。 したがって、$x > 0$ の範囲でこれらはただ1点で交わる。この交点の $x$ 座標を $\alpha \ (\alpha > 0)$ とおく。

$x$ の増減は以下のようになる。

(i)

$0 < x < \alpha$ のとき 正弦曲線が直線の上側にあるので $f'(x) < 0$ となり、$f(x)$ は単調に減少する。

(ii)

$x > \alpha$ のとき 直線が正弦曲線の上側にあるので $f'(x) > 0$ となり、$f(x)$ は単調に増加する。また、$\lim_{x \to \infty} f(x) = \infty$ である。

これより、$f(x)$ は $x = \alpha$ で極小値 $f(\alpha)$ をとる。これを $m$ とおく。 $x=0$ で極大値 $1$ をとって減少に転じるため、$m < 1$ である。

以上と $f(x)$ が偶関数であることを踏まえると、$y = f(x)$ のグラフは $y$ 軸対称であり、$x = 0$ で極大値 $1$、$x = \pm \alpha$ で極小値 $m$ をもつ概形となる。

直線 $y = r^2 \ (r \ge 0)$ と $y = f(x)$ のグラフの共有点の個数を数えることで、$N(r)$ は次のように場合分けされる。

(1)

$r^2 < m$ すなわち $0 \le r < \sqrt{m}$ のとき 共有点は存在しない。よって $N(r) = 0$。

(2)

$r^2 = m$ すなわち $r = \sqrt{m}$ のとき $x = \pm \alpha$ の2点で接する。よって $N(r) = 2$。

(3)

$m < r^2 < 1$ すなわち $\sqrt{m} < r < 1$ のとき $-\alpha < x < \alpha$ の範囲に2点、$|x| > \alpha$ の範囲に2点の計4点で交わる。よって $N(r) = 4$。

(4)

$r^2 = 1$ すなわち $r = 1$ のとき $x = 0$ の1点と、$|x| > \alpha$ の範囲の2点で交わる。よって $N(r) = 3$。

(5)

$r^2 > 1$ すなわち $r > 1$ のとき $|x| > \alpha$ の範囲の2点でのみ交わる。よって $N(r) = 2$。

解説

共有点の $y$ 座標ではなく、$x$ 座標の方程式に帰着させ、関数 $f(x)$ の増減を調べる定石問題である。$\cos$ の中身が複雑に見えるが、合成関数の微分を落ち着いて行い、極値を与える超越方程式の解を文字 $\alpha$ で置くことで見通しよく解答できる。また、$x=0$ において $f'(0)=0$ となることから、第2次導関数を用いて極大・極小を判定する手法も重要である。

答え

方程式 $2x = \sqrt{\frac{\pi}{2}}\sin\left(\sqrt{2\pi}x\right)$ の正の実数解を $\alpha$ とし、$m = \alpha^2 + \cos^2\left(\sqrt{\frac{\pi}{2}}\alpha\right)$ とする。

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