東北大学 1979年 理系 第4問 解説

方針・初手
曲線 $C$ は
$$ x=3t^2+2,\quad y=2t^3 \qquad (t\geqq 0) $$
と媒介変数表示すると扱いやすい。実際,
$$ t=\sqrt{\frac{x-2}{3}} $$
とおけば与式 $y=2\left(\dfrac{x-2}{3}\right)^{3/2}$ は上の形になる。
この表示を用いると,弧長も接線も簡潔に計算できる。また,曲線 $C'$ も
$$ x=s^2,\quad y=-2s \qquad (s\geqq 0) $$
とおけるので,接線と $C'$ の交点も求めやすい。
解法1
点 $P(a,b)$ が $C$ 上にあるとする。これに対応する媒介変数を $t$ とすると,
$$ P=(3t^2+2,\ 2t^3) $$
である。
点 $A(2,0)$ は $t=0$ に対応する。
まず,$C$ の弧長を求める。
$$ \frac{dx}{dt}=6t,\qquad \frac{dy}{dt}=6t^2 $$
より,弧長要素は
$$ ds=\sqrt{\left(\frac{dx}{dt}\right)^2+\left(\frac{dy}{dt}\right)^2},dt =\sqrt{36t^2+36t^4},dt =6t\sqrt{1+t^2},dt $$
となる。したがって,$A$ から $P$ までの弧の長さ $l$ は
$$ l=\int_0^t 6u\sqrt{1+u^2},du $$
である。ここで積分変数を $u$ に変えた。
$$ \int 6u\sqrt{1+u^2},du=2(1+u^2)^{3/2} $$
であるから,
$$ l=\left[2(1+u^2)^{3/2}\right]_0^t =2(1+t^2)^{3/2}-2 $$
となる。
次に,点 $P$ における $C$ の接線を求める。
$$ \frac{dy}{dx}=\frac{dy/dt}{dx/dt}=\frac{6t^2}{6t}=t $$
より,点 $P(3t^2+2,2t^3)$ における接線は
$$ y-2t^3=t\{x-(3t^2+2)\} $$
すなわち
$$ y=tx-t^3-2t $$
である。
一方,曲線 $C'$ を
$$ x=s^2,\quad y=-2s \qquad (s\geqq 0) $$
とおく。接線と $C'$ の交点 $Q$ は,この $(x,y)=(s^2,-2s)$ を接線の式に代入して求まる。
$$ -2s=ts^2-t^3-2t $$
整理すると,
$$ ts^2+2s-t^3-2t=0 $$
である。これを因数分解すると,
$$ t(s^2-t^2)+2(s-t)=0 $$
すなわち
$$ (s-t){t(s+t)+2}=0 $$
となる。ここで $t\geqq 0,\ s\geqq 0$ なので $t(s+t)+2>0$ である。よって
$$ s=t $$
であり,
$$ Q=(t^2,-2t) $$
と分かる。
したがって,
$$ \overrightarrow{PQ} =(t^2-(3t^2+2),\ -2t-2t^3) =(-2t^2-2,\ -2t-2t^3) $$
であるから,
$$ PQ=\sqrt{(2t^2+2)^2+(2t+2t^3)^2} $$
$$ =\sqrt{4(1+t^2)^2+4t^2(1+t^2)^2} $$
$$ =\sqrt{4(1+t^2)^3} =2(1+t^2)^{3/2} $$
となる。
ゆえに,
$$ PQ-l =2(1+t^2)^{3/2}-{2(1+t^2)^{3/2}-2} =2 $$
である。
解説
この問題の本質は,曲線 $C$ を
$$ x=3t^2+2,\quad y=2t^3 $$
と媒介変数表示することである。これにより,弧長計算では $\sqrt{1+t^2}$ が自然に現れ,また接線の傾きも $\dfrac{dy}{dx}=t$ と極めて簡潔になる。
さらに,$C'$ も
$$ x=s^2,\quad y=-2s $$
と表せるため,接線との交点条件が因数分解でき,$Q=(t^2,-2t)$ がすぐに得られる。すると $PQ$ と弧長 $l$ がともに $(1+t^2)^{3/2}$ を含む形になり,差が一定値 $2$ になることが分かる。
答え
$P=(3t^2+2,\ 2t^3)\ (t\geqq 0)$ とおくと,
$$ l=2(1+t^2)^{3/2}-2 $$
である。
また,
$$ PQ=2(1+t^2)^{3/2} $$
より,
$$ PQ-l=2 $$
である。
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