トップ 東北大学 1979年 理系 第5問

東北大学 1979年 理系 第5問 解説

数学2/三角関数数学2/微分法数学2/式と証明
東北大学 1979年 理系 第5問 解説

方針・初手

$f(x)=\tan x$ とおくと、条件は $\tan \alpha,\tan \beta,\tan \gamma$ に関する代数的条件に直せる。

$\tan x$ は $-\dfrac{\pi}{2}<x<\dfrac{\pi}{2}$ で単調増加であるから、$a=\tan\alpha,\ b=\tan\beta,\ c=\tan\gamma$ とおけば

$$ a<b<c $$

である。これを用いて、与えられた3条件を $a,b,c$ の式に書き換えて解く。

解法1

$a=\tan\alpha,\ b=\tan\beta,\ c=\tan\gamma$ とおく。

まず

$$ f(\alpha)+f(\beta)+f(\gamma)=0 $$

より

$$ a+b+c=0 $$

である。

次に

$$ f'(x)=\sec^2 x=1+\tan^2 x $$

であるから、

$$ f'(\alpha)+f'(\beta)+f'(\gamma)=9 $$

より

$$ (1+a^2)+(1+b^2)+(1+c^2)=9 $$

すなわち

$$ a^2+b^2+c^2=6 $$

を得る。

さらに

$$ f''(x)=\frac{d}{dx}(\sec^2 x)=2\sec^2 x\tan x $$

であり、$\sec^2 x=1+\tan^2 x$ を用いると

$$ f''(x)=2\tan x(1+\tan^2 x) $$

である。したがって

$$ f''(\alpha)+f''(\beta)+f''(\gamma)=0 $$

$$ 2{a(1+a^2)+b(1+b^2)+c(1+c^2)}=0 $$

すなわち

$$ (a+b+c)+(a^3+b^3+c^3)=0 $$

となる。ここで $a+b+c=0$ なので、

$$ a^3+b^3+c^3=0 $$

を得る。

一方、恒等式

$$ a^3+b^3+c^3-3abc=(a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca) $$

において $a+b+c=0$ であるから、

$$ a^3+b^3+c^3=3abc $$

である。よって

$$ 3abc=0 $$

すなわち

$$ abc=0 $$

となる。

ここで $a<b<c$ かつ $a+b+c=0$ であるから、負・零・正の順に並ぶはずであり、$0$ になるのは真ん中の $b$ である。したがって

$$ b=0 $$

である。

すると $a+b+c=0$ より

$$ a+c=0 $$

すなわち $c=-a$ である。これを $a^2+b^2+c^2=6$ に代入すると

$$ a^2+0+c^2=6 $$

$$ a^2+a^2=6 $$

$$ 2a^2=6 $$

$$ a^2=3 $$

よって $a<b<c$ を満たすように

$$ a=-\sqrt{3},\quad b=0,\quad c=\sqrt{3} $$

である。

したがって

$$ \tan\alpha=-\sqrt{3},\quad \tan\beta=0,\quad \tan\gamma=\sqrt{3} $$

より、区間 $-\dfrac{\pi}{2}<x<\dfrac{\pi}{2}$ で

$$ \alpha=-\frac{\pi}{3},\quad \beta=0,\quad \gamma=\frac{\pi}{3} $$

となる。

解説

この問題の核心は、三角関数の条件をそのまま追うのではなく、$a=\tan\alpha,\ b=\tan\beta,\ c=\tan\gamma$ と置いて対称式の問題に直すことである。

特に $a+b+c=0$ のもとで

$$ a^3+b^3+c^3=3abc $$

が使えると、$f''$ の条件からただちに $abc=0$ が出る。さらに $\tan x$ の単調増加性により、$0$ になるのは真ん中の $b$ だと確定できる。この流れが最も短く、見通しもよい。

答え

$$ \alpha=-\frac{\pi}{3},\quad \beta=0,\quad \gamma=\frac{\pi}{3} $$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。