東北大学 1981年 理系 第4問 解説

方針・初手
接線の $x$ 軸との交点の $x$ 座標を直接計算して、まず漸化式を作る。
その後、$a_n$ をそのまま扱うよりも $1-a_n$ に注目すると、漸化式が「2乗する形」に簡単化されるので、一般項と極限が一気に求まる。
解法1
曲線は
$$ y=\frac{1}{x}-1 $$
である。$x=a_n$ に対応する点 $P$ の座標は
$$ P\left(a_n,\frac{1}{a_n}-1\right) $$
である。
この曲線の導関数は
$$ y'=-\frac{1}{x^2} $$
であるから、点 $P$ における接線の傾きは $-\dfrac{1}{a_n^2}$ である。したがって、接線の方程式は
$$ y-\left(\frac{1}{a_n}-1\right) ============================== -\frac{1}{a_n^2}(x-a_n) $$
となる。
この接線が $x$ 軸と交わる点を $Q$ とすると、$Q$ では $y=0$ であるから、
$$ -\left(\frac{1}{a_n}-1\right) ============================= -\frac{1}{a_n^2}(x-a_n) $$
すなわち
$$ \frac{1-a_n}{a_n} ================= -\frac{x-a_n}{a_n^2} $$
である。両辺に $a_n^2$ を掛けると
$$ a_n(1-a_n)=-(x-a_n) $$
よって
$$ x=a_n+a_n(a_n-1)\cdot(-1)=2a_n-a_n^2 $$
となる。したがって
$$ a_{n+1}=2a_n-a_n^2=a_n(2-a_n) $$
である。
よって、
$$ a_{n+1}-1 ========= # (2a_n-a_n^2)-1 -(a_n-1)^2 $$
を得る。これが (1) の答えである。
次に一般項を求めるため、
$$ b_n=1-a_n $$
とおく。すると
$$ b_{n+1} ======= # 1-a_{n+1} # 1-(2a_n-a_n^2) # (a_n-1)^2 # (1-a_n)^2 b_n^2 $$
となる。
したがって
$$ b_{n+1}=b_n^2,\qquad b_1=1-a_1 $$
であるから、順に
$$ b_2=b_1^2,\quad b_3=b_1^4,\quad b_4=b_1^8 $$
となり、一般に
$$ b_n=(1-a_1)^{2^{n-1}} $$
である。よって
$$ a_n=1-b_n ========= 1-(1-a_1)^{2^{n-1}} $$
を得る。
最後に極限を調べる。
(i)
$0<a_1<2$ のとき
$$ |1-a_1|<1 $$
であるから
$$ (1-a_1)^{2^{n-1}}\to 0 \quad (n\to\infty) $$
となり、
$$ a_n\to 1 $$
である。
(ii)
$a_1<0$ または $a_1>2$ のとき
$$ |1-a_1|>1 $$
であるから
$$ (1-a_1)^{2^{n-1}}\to +\infty \quad (n\to\infty) $$
となる。したがって
$$ a_n=1-(1-a_1)^{2^{n-1}}\to -\infty $$
である。
なお、条件 $a_1\neq 0,\ 2$ により $|1-a_1|=1$ となる場合は除かれている。
解説
この問題の本質は、接線の方程式を立てて漸化式
$$ a_{n+1}=2a_n-a_n^2 $$
を作ることにある。
そのままでは扱いにくいが、$1-a_n$ に着目すると
$$ 1-a_{n+1}=(1-a_n)^2 $$
となり、単なる反復2乗に帰着する。したがって一般項は指数 $2^{n-1}$ をもつ形になり、極限も $|1-a_1|$ が $1$ より小さいか大きいかで直ちに決まる。
答え
$$ a_{n+1}-1=-(a_n-1)^2 $$
また、
$$ a_n=1-(1-a_1)^{2^{n-1}} $$
である。
したがって、
$$ \lim_{n\to\infty}a_n= \begin{cases} 1 & (0<a_1<2),\\ -\infty & (a_1<0\ \text{または}\ a_1>2). \end{cases} $$
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