東北大学 1983年 理系 第5問 解説

方針・初手
ひし形は平行四辺形でもあるから、対角線は互いに二等分する。したがって、まず対角線の交点を用いて $B,D$ の座標を求める。
そのうえで、ひし形の右半分を $x$ 軸のまわりに回転したときにできる断面を考え、回転体の体積を積分で求める。最後に、その体積を $t$ の関数として最大化する。
解法1
対角線 $AC$ の中点を $O$ とすると、
$$ O=\left(0,,1+t\right) $$
である。
ひし形 $ABCD$ は平行四辺形であるから、対角線 $BD$ も $O$ を中点にもつ。さらに、$B$ は第1象限、$D$ は第2象限にあるので、ある $a>0$ を用いて
$$ B=(a,,1+t),\qquad D=(-a,,1+t) $$
とおける。
ここで、ひし形の1辺の長さが $1$ であるから $AB=1$ より
$$ a^2+t^2=1 $$
となる。よって
$$ a=\sqrt{1-t^2} $$
である。したがって、
$$ B=\left(\sqrt{1-t^2},,1+t\right),\qquad D=\left(-\sqrt{1-t^2},,1+t\right) $$
を得る。
次に、右半分の境界となる直線 $AB,BC$ の方程式を求める。$a=\sqrt{1-t^2}$ とおくと、
$$ A=(0,1),\qquad B=(a,1+t),\qquad C=(0,1+2t) $$
であるから、
$$ AB:\ y=1+\frac{t}{a}x $$
$$ BC:\ y=1+2t-\frac{t}{a}x $$
である。
したがって、$0\leqq x\leqq a$ において、ひし形を $x$ 軸のまわりに回転すると、外側半径は $1+2t-\dfrac{t}{a}x$、内側半径は $1+\dfrac{t}{a}x$ の円環断面となる。
また、図形は $y$ 軸に関して対称であるから、体積 $V(t)$ は
$$ V(t)=2\pi\int_0^a\left{\left(1+2t-\frac{t}{a}x\right)^2-\left(1+\frac{t}{a}x\right)^2\right}dx $$
と表せる。
被積分関数を整理すると、
$$ \left(1+2t-\frac{t}{a}x\right)^2-\left(1+\frac{t}{a}x\right)^2 =4t(1+t)\left(1-\frac{x}{a}\right) $$
であるから、
$$ \begin{aligned} V(t) &=2\pi\int_0^a 4t(1+t)\left(1-\frac{x}{a}\right)dx \ &=8\pi t(1+t)\left[x-\frac{x^2}{2a}\right]_0^a \ &=8\pi t(1+t)\left(a-\frac{a}{2}\right) \ &=4\pi t(1+t)a \end{aligned} $$
となる。ここで $a=\sqrt{1-t^2}$ を代入すれば、
$$ V(t)=4\pi t(1+t)\sqrt{1-t^2} $$
を得る。
次に、これを最大にする $t$ を求める。
$0<t<1$ であるから、$V(t)$ を最大にすることは
$$ f(t)=t(1+t)\sqrt{1-t^2} $$
を最大にすることと同値である。
微分すると、
$$ \begin{aligned} f'(t) &=(1+2t)\sqrt{1-t^2}+t(1+t)\cdot\frac{-t}{\sqrt{1-t^2}} \ &=\frac{(1+2t)(1-t^2)-t^2(1+t)}{\sqrt{1-t^2}} \ &=\frac{(1+t)(1+t-3t^2)}{\sqrt{1-t^2}} \end{aligned} $$
となる。
ここで、$0<t<1$ では $\sqrt{1-t^2}>0$, $1+t>0$ であるから、$f'(t)=0$ は
$$ 1+t-3t^2=0 $$
すなわち
$$ 3t^2-t-1=0 $$
に同値である。これを解くと、
$$ t=\frac{1\pm\sqrt{13}}{6} $$
であるが、$0<t<1$ より
$$ t=\frac{1+\sqrt{13}}{6} $$
のみが適する。
また、$t\to 0+,\ 1-$ のとき $V(t)\to 0$ であり、$0<t<1$ における臨界点はこの1つだけであるから、このとき $V(t)$ は最大となる。
したがって、そのときの $C$ の座標は
$$ C=\left(0,,1+2t\right) =\left(0,,1+\frac{1+\sqrt{13}}{3}\right) =\left(0,,\frac{4+\sqrt{13}}{3}\right) $$
である。
解説
この問題の要点は、ひし形をいきなり積分しようとするのではなく、まず対角線の性質から $B,D$ の座標を決めることである。$A,C$ がともに $y$ 軸上にあるので、$B,D$ は $y=1+t$ 上に左右対称に現れる。
体積計算では、右半分だけを考えて円環断面で積分すると計算が整理しやすい。最大化では、正の定数 $4\pi$ を外して $t(1+t)\sqrt{1-t^2}$ を微分すればよい。
答え
$$ V(t)=4\pi t(1+t)\sqrt{1-t^2} $$
$V(t)$ が最大となるのは
$$ t=\frac{1+\sqrt{13}}{6} $$
のときであり、そのとき
$$ C=\left(0,\frac{4+\sqrt{13}}{3}\right) $$
である。
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