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東北大学 1984年 理系 第6問 解説

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東北大学 1984年 理系 第6問 解説

方針・初手

(1) は、曲線

$$ y=\sqrt{x^2+2x+\sqrt{x}} $$

が $x\to+\infty$ でどの一次関数 $y=ax+b$ に近づくかを調べればよい。まず $f(x)-ax$ の極限から $a$ を決め、次に $f(x)-x$ の極限から $b$ を決める。

(2) は、(1) で得た直線 $y=x+1$ と曲線の上下関係を調べ、囲まれる部分の $x$ の範囲を確定する。そのうえで、$x$ 軸まわりの回転体の体積を円環の差で求める。

解法1

$f(x)=\sqrt{x^2+2x+\sqrt{x}}$ とおく。

(1) $a,b$ を求める

条件より

$$ \lim_{x\to+\infty}{f(x)-(ax+b)}=0 $$

である。

まず $a$ を求めるために、両辺を $x$ で割ることを考える。極限が $0$ であるから

$$ \lim_{x\to+\infty}\frac{f(x)-(ax+b)}{x}=0 $$

すなわち

$$ \lim_{x\to+\infty}\left(\frac{f(x)}{x}-a-\frac{b}{x}\right)=0 $$

となる。ここで

$$ \frac{f(x)}{x} =\sqrt{1+\frac{2}{x}+\frac{1}{x^{3/2}}}\to 1 \qquad (x\to+\infty) $$

より、

$$ 1-a=0 $$

したがって

$$ a=1 $$

である。

次に $b$ を求める。$a=1$ を代入すると

$$ \lim_{x\to+\infty}{f(x)-(x+b)}=0 $$

であるから、

$$ b=\lim_{x\to+\infty}(f(x)-x) $$

である。これを有理化すると

$$ f(x)-x =\frac{(x^2+2x+\sqrt{x})-x^2}{\sqrt{x^2+2x+\sqrt{x}}+x} =\frac{2x+\sqrt{x}}{\sqrt{x^2+2x+\sqrt{x}}+x} $$

となる。分子・分母を $x$ で割れば

$$ f(x)-x ====== \frac{2+\frac{1}{\sqrt{x}}} {\sqrt{1+\frac{2}{x}+\frac{1}{x^{3/2}}}+1} \to \frac{2}{2}=1 \qquad (x\to+\infty) $$

よって

$$ b=1 $$

である。

したがって

$$ a=1,\quad b=1 $$

(2) 回転体の体積

(1) より、直線は

$$ y=x+1 $$

である。

曲線 $y=f(x)$ との上下関係を調べるため、両者の平方を比較する。

$$ f(x)^2-(x+1)^2 =(x^2+2x+\sqrt{x})-(x^2+2x+1) =\sqrt{x}-1 $$

$f(x)\ge 0,\ x+1>0$ であるから、$f(x)-(x+1)$ の符号は $\sqrt{x}-1$ の符号と一致する。したがって、

である。

また $x=0$ において、曲線は $(0,0)$、直線は $(0,1)$ を通る。したがって、曲線 $y=f(x)$、直線 $y=x+1$、直線 $x=0$ で囲まれる図形は $0\le x\le 1$ の部分である。

これを $x$ 軸のまわりに回転すると、$0\le x\le 1$ において外半径は $x+1$、内半径は $f(x)$ である。よって体積 $V$ は

$$ V=\pi\int_0^1\left{(x+1)^2-f(x)^2\right},dx $$

である。ここで

$$ (x+1)^2-f(x)^2 =(x^2+2x+1)-(x^2+2x+\sqrt{x}) =1-\sqrt{x} $$

だから、

$$ V=\pi\int_0^1(1-\sqrt{x}),dx $$

となる。計算すると

$$ V=\pi\left[x-\frac{2}{3}x^{3/2}\right]_0^1 =\pi\left(1-\frac{2}{3}\right) =\frac{\pi}{3} $$

よって求める体積は

$$ \frac{\pi}{3} $$

である。

解説

(1) は、無理に展開公式を使わなくても、有理化によって $f(x)-x$ の極限を直接求められるのが要点である。まず $f(x)/x\to 1$ から傾き $a=1$ を決め、その後に切片 $b$ を求めると整理しやすい。

(2) では、囲まれる範囲を先に確定することが重要である。直線と曲線の大小関係は、両者がともに正であることを用いて平方比較をすると簡潔に判定できる。あとは回転体の体積を円環の差で積分すればよい。

答え

$$ a=1,\quad b=1 $$

回転体の体積は

$$ \frac{\pi}{3} $$

である。

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