東北大学 1987年 理系 第3問 解説

方針・初手
両方の曲線に接する直線を、$y=e^x$ の接点と $y=ax^2$ の接点をそれぞれ文字でおいて表す。
すると、同じ直線であるための条件から $a$ を1変数の関数として表せるので、その方程式の実数解の個数を調べればよい。
解法1
$y=e^x$ 上の $x=t$ における接線を考える。
このとき傾きは $e^t$ であり、接線の方程式は
$$ y=e^t(x-t)+e^t=e^t x+e^t(1-t) $$
である。
次に、$y=ax^2$ 上の $x=s$ における接線を考える。
このとき傾きは $2as$ であり、接線の方程式は
$$ y=2as(x-s)+as^2=2asx-as^2 $$
である。
これらが同じ直線であるためには、傾きと切片が一致するから
$$ e^t=2as $$
および
$$ e^t(1-t)=-as^2 $$
が成り立つ。
前式から $s\neq 0$ であり、
$$ a=\frac{e^t}{2s} $$
である。これを後式に代入すると
$$ e^t(1-t)=-\frac{e^t}{2s}s^2=-\frac{e^t s}{2} $$
となるので、$e^t\neq 0$ を用いて
$$ 1-t=-\frac{s}{2} $$
すなわち
$$ s=2(t-1) $$
を得る。
したがって
$$ a=\frac{e^t}{2\cdot 2(t-1)}=\frac{e^t}{4(t-1)} $$
である。
よって、求める直線の本数は、方程式
$$ a=\frac{e^t}{4(t-1)} $$
の実数解 $t$ の個数に等しい。
そこで
$$ f(t)=\frac{e^t}{4(t-1)} \qquad (t\neq 1) $$
とおく。
$f'(t)$ を求めると
$$ f'(t)=\frac{e^t(t-2)}{4(t-1)^2} $$
であるから、$f$ の増減は次のようになる。
(i)
$t<1$ のとき
$t-2<0$ であり、$(t-1)^2>0$ だから $f'(t)<0$ である。したがって $(-\infty,1)$ で単調減少する。
また、
$$ \lim_{t\to -\infty} f(t)=0^{-}, \qquad \lim_{t\to 1^-} f(t)=-\infty $$
であるから、$t<1$ における値域は
$$ (-\infty,0) $$
である。
よって $a<0$ のとき、解はちょうど1個である。
(ii)
$1<t<2$ のとき
このときも $t-2<0$ なので $f'(t)<0$、したがって単調減少する。
さらに
$$ \lim_{t\to 1^+} f(t)=+\infty, \qquad f(2)=\frac{e^2}{4} $$
であるから、$(1,2]$ における値域は
$$ \left[\frac{e^2}{4},\infty\right) $$
である。
(iii)
$t>2$ のとき
$t-2>0$ なので $f'(t)>0$、したがって単調増加する。
また
$$ f(2)=\frac{e^2}{4}, \qquad \lim_{t\to \infty} f(t)=\infty $$
より、$[2,\infty)$ における値域も
$$ \left[\frac{e^2}{4},\infty\right) $$
である。
以上より、$a>0$ のときは
- $0<a<\dfrac{e^2}{4}$ なら解なし
- $a=\dfrac{e^2}{4}$ なら解1個
- $a>\dfrac{e^2}{4}$ なら解2個
となる。
したがって、両方の曲線に接する直線の本数はこれで決まる。
解説
接線を「接点の座標」で表すのが基本方針である。
この問題では、2本の接線の式を一致させることで $a=\dfrac{e^t}{4(t-1)}$ という形に落とし込める。あとはこの関数のグラフの形、特に $t=1$ での垂直漸近線と $t=2$ での極小値を押さえれば、本数判定が一気にできる。
指数関数の接線と放物線の接線を別々に書き、傾きと切片を比較するのが最も自然な処理である。
答え
両方の曲線 $y=e^x,\ y=ax^2$ に接する直線の本数は
$$ \begin{cases} 1 & (a<0),\\ 0 & \left(0<a<\dfrac{e^2}{4}\right),\\ 1 & \left(a=\dfrac{e^2}{4}\right),\\ 2 & \left(a>\dfrac{e^2}{4}\right) \end{cases} $$
である。
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