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東北大学 1994年 理系 第1問 解説

数学2/微分法数学1/方程式不等式テーマ/最大・最小テーマ/場合分け
東北大学 1994年 理系 第1問 解説

方針・初手

$f(x)=(x+a)^3-3x-a^2$ とおく。

求める条件は、方程式 $f(x)=0$ が $x<0$ に解をもたないことである。 したがって、$x<0$ における $f(x)$ の符号を調べればよい。

$f(x)$ は3次関数であり、

$$ \lim_{x\to -\infty}f(x)=-\infty $$

であるから、$x<0$ で $f(x)$ が一度でも正になれば、その途中で負の解をもつ。 そこで、区間 $(-\infty,0)$ における最大値が負であることを調べる。

解法1

まず微分すると、

$$ f'(x)=3(x+a)^2-3=3(x+a-1)(x+a+1) $$

である。

よって、極値を与える点は

$$ x=-a-1,\quad x=-a+1 $$

であり、$x=-a-1$ で極大、$x=-a+1$ で極小となる。

以下、$a$ の値で場合分けする。

(i) $a\le -1$ のとき

このとき $x<0$ なら $x+a<-1$ であるから、

$$ f'(x)=3\bigl((x+a)^2-1\bigr)>0 $$

となる。したがって、$f(x)$ は $(-\infty,0)$ で単調増加である。

よって、$x<0$ における最大値は $x\to 0-$ のときに近づく値であり、

$$ f(0)=a^3-a^2=a^2(a-1) $$

である。$a\le -1$ なら $a-1<0$ なので

$$ f(0)<0 $$

である。したがって、$x<0$ で $f(x)=0$ を満たすものは存在しない。

(ii) $-1<a\le 1$ のとき

このとき

$$ -a-1<0\le -a+1 $$

であるから、区間 $(-\infty,0)$ において極大点 $x=-a-1$ のみが現れる。 したがって、$(-\infty,0)$ における最大値は $x=-a-1$ で与えられる。

そこで、

$$ f(-a-1)=(-1)^3-3(-a-1)-a^2=-1+3a+3-a^2 $$

より、

$$ f(-a-1)=-a^2+3a+2 $$

を得る。

負の解をもたないためには、この最大値が $0$ 未満でなければならない。よって

$$ -a^2+3a+2<0 $$

すなわち

$$ a^2-3a-2>0 $$

である。

これを解くと、

$$ a<\frac{3-\sqrt{17}}{2}\quad \text{または}\quad a>\frac{3+\sqrt{17}}{2} $$

となるが、今は $-1<a\le 1$ の範囲なので、

$$ -1<a<\frac{3-\sqrt{17}}{2} $$

となる。

(iii) $a>1$ のとき

このとき

$$ f(0)=a^2(a-1)>0 $$

である。一方、

$$ \lim_{x\to -\infty}f(x)=-\infty $$

であるから、中間値の定理により $x<0$ に方程式 $f(x)=0$ の解が存在する。

したがって、この場合は不適である。

以上より、条件を満たすのは

$$ a\le -1 \quad \text{または}\quad -1<a<\frac{3-\sqrt{17}}{2} $$

すなわち

$$ a<\frac{3-\sqrt{17}}{2} $$

である。

解説

この問題の本質は、「負の解をもたない」を「$x<0$ で関数値が0にならない」と読み替えることである。

3次関数なので、$x\to -\infty$ では必ず $-\infty$ に落ちる。したがって、$x<0$ の範囲で一度でも正になれば、その途中で負の解が生じる。よって、$(-\infty,0)$ における最大値を調べるのが最も直接的である。

境界値 $a=\dfrac{3-\sqrt{17}}{2}$ では、極大値がちょうど $0$ となり、その極大点自体が負の解になるので含まれない点に注意が必要である。

答え

$$ a<\frac{3-\sqrt{17}}{2} $$

である。

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