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大阪大学 2005年 理系 第1問 解説

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大阪大学 2005年 理系 第1問 解説

方針・初手

与えられた2つの関数が相異なる3点で交わる条件は、これらを連立して得られる方程式 $2x^3 + x^2 - 3 = mx$ が相異なる3つの実数解をもつことと同値である。 未知の定数 $m$ を含む方程式の実数解の個数を調べるにあたり、両辺を $x$ で割って $m = g(x)$ の形にする「定数分離」の手法(解法1)と、差の関数 $h(x) = f(x) - mx$ をおいて極大値と極小値の積を考える手法(解法2)が考えられる。本問では定数分離が非常に有効である。

解法1

$$ 2x^3 + x^2 - 3 = mx $$

上式において $x = 0$ とすると $-3 = 0$ となり不適であるため、$x \neq 0$ である。 両辺を $x$ で割って $m$ について解くと、次のように定数分離ができる。

$$ m = 2x^2 + x - \frac{3}{x} $$

ここで、$g(x) = 2x^2 + x - \frac{3}{x}$ とおく。曲線 $y = g(x)$ と直線 $y = m$ が相異なる3つの共有点をもつような $m$ の範囲を求めればよい。 関数 $g(x)$ を微分すると以下のようになる。

$$ g'(x) = 4x + 1 + \frac{3}{x^2} = \frac{4x^3 + x^2 + 3}{x^2} $$

分子を $P(x) = 4x^3 + x^2 + 3$ とおくと、$P(-1) = -4 + 1 + 3 = 0$ となることから因数定理より $x + 1$ を因数にもつ。

$$ P(x) = (x + 1)(4x^2 - 3x + 3) = (x + 1)\left\{ 4\left( x - \frac{3}{8} \right)^2 + \frac{39}{16} \right\} $$

すべての実数 $x$ において $4x^2 - 3x + 3 > 0$ であるから、$g'(x) = 0$ となるのは $x = -1$ のみである。 したがって、$x \neq 0$ における $g(x)$ の増減表は次のようになる。

$x$ $\cdots$ $-1$ $\cdots$ $0$ $\cdots$
$g'(x)$ $-$ $0$ $+$ $\times$ $+$
$g(x)$ $\searrow$ $4$ $\nearrow$ $\times$ $\nearrow$

極限について調べると、以下のようになる。

$$ \lim_{x \to -\infty} g(x) = \infty $$

$$ \lim_{x \to -0} g(x) = \infty $$

$$ \lim_{x \to +0} g(x) = -\infty $$

$$ \lim_{x \to \infty} g(x) = \infty $$

これにより、曲線 $y = g(x)$ は $x < 0$ の範囲で極小値 $4$ をもち、$y$ 軸($x = 0$)を漸近線にもつことがわかる。 $y = g(x)$ のグラフと直線 $y = m$ の共有点が3個となるのは、グラフの上下関係より $m > 4$ のときである。

解法2

$$ 2x^3 + x^2 - 3 = mx \iff 2x^3 + x^2 - mx - 3 = 0 $$

$h(x) = 2x^3 + x^2 - mx - 3$ とおく。 3次方程式 $h(x) = 0$ が相異なる3つの実数解をもつ条件は、関数 $h(x)$ が極値をもつための条件を満たしたうえで、(極大値)$\times$(極小値)$< 0$ となることである。

$$ h'(x) = 6x^2 + 2x - m $$

関数 $h(x)$ が極値をもつ条件は、2次方程式 $h'(x) = 0$ が相異なる2つの実数解をもつことである。判別式を $D$ とすると、

$$ \frac{D}{4} = 1^2 - 6(-m) = 1 + 6m > 0 \iff m > -\frac{1}{6} $$

このとき、$h'(x) = 0$ の2つの解を $\alpha, \beta$ とすると、解と係数の関係より以下が成り立つ。

$$ \alpha + \beta = -\frac{1}{3}, \quad \alpha\beta = -\frac{m}{6} $$

多項式 $h(x)$ を $h'(x)$ で割ると、商が $\frac{1}{3}x + \frac{1}{18}$、余りが $-\frac{6m+1}{9}x + \frac{m-54}{18}$ となるため、

$$ h(x) = (6x^2 + 2x - m)\left( \frac{1}{3}x + \frac{1}{18} \right) - \frac{6m+1}{9}x + \frac{m-54}{18} $$

と変形できる。$h'(\alpha) = h'(\beta) = 0$ であるから、極値はそれぞれ次のように表される。

$$ h(\alpha) = - \frac{6m+1}{9}\alpha + \frac{m-54}{18} $$

$$ h(\beta) = - \frac{6m+1}{9}\beta + \frac{m-54}{18} $$

極値の積 $h(\alpha)h(\beta)$ を計算し、先ほどの解と係数の関係を代入して整理する。

$$ \begin{aligned} h(\alpha)h(\beta) &= \frac{(6m+1)^2}{81}\alpha\beta - \frac{(6m+1)(m-54)}{162}(\alpha+\beta) + \frac{(m-54)^2}{324} \\ &= \frac{(6m+1)^2}{81}\left(-\frac{m}{6}\right) - \frac{(6m+1)(m-54)}{162}\left(-\frac{1}{3}\right) + \frac{(m-54)^2}{324} \\ &= -\frac{8m^3 + m^2 + 108m - 960}{108} \end{aligned} $$

極大値と極小値が異符号であればよいので、$h(\alpha)h(\beta) < 0$ より、

$$ 8m^3 + m^2 + 108m - 960 > 0 $$

左辺を因数分解すると、

$$ (m - 4)(8m^2 + 33m + 240) > 0 $$

ここで、$8m^2 + 33m + 240 = 8\left( m + \frac{33}{16} \right)^2 + \frac{6591}{32} > 0$ であるから、不等式の解は

$$ m - 4 > 0 \iff m > 4 $$

これは極値をもつ条件 $m > -\frac{1}{6}$ を満たす。

解説

文字定数 $m$ が含まれる方程式の解の個数を調べる問題では、未知の定数 $m$ を片辺に単独でまとめる「定数分離」が非常に有効な基本手筋である。本問のように $f(x) = mx$ という形であれば、両辺を $x$ で割ることで $m$ を完全に分離できる。この際、分母が $0$ にならないこと($x=0$ が解になり得ないこと)を解答内で必ず言及する必要がある。

一方で、定数分離を行わずに3次関数としてそのまま処理する場合は、解法2のように「(極大値)$\times$(極小値)$< 0$」を用いるのが定石である。ただし、本問では文字式の割り算やその後の整理が煩雑になるため、定数分離を選択する方が計算ミスを防ぎやすく、試験場での解答方針として優れているといえる。

答え

$m > 4$

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