東北大学 1996年 理系 第6問 解説

方針・初手
まず、原点から方向ベクトル $(3,2,1)$ に進む光線を媒介変数で表し、その光線が球と最初に交わる点を求める。
反射点が分かれば、その点における法線ベクトルを用いて反射方向を求める。反射ベクトルは、入射ベクトルを法線方向について対称移動したものとして計算できる。最後に、その反射光線と $xy$ 平面、すなわち $z=0$ との交点を求めればよい。
解法1
光の進む直線は、原点を通り方向ベクトルが $(3,2,1)$ であるから、
$$ (x,y,z)=(3t,,2t,,t)\qquad (t\geqq 0) $$
と表される。
球の中心は $(7,6,4)$、半径は $3$ なので、球面の方程式は
$$ (x-7)^2+(y-6)^2+(z-4)^2=9 $$
である。これに
$$ x=3t,\quad y=2t,\quad z=t $$
を代入すると、
$$ (3t-7)^2+(2t-6)^2+(t-4)^2=9 $$
すなわち
$$ 9t^2-42t+49+4t^2-24t+36+t^2-8t+16=9 $$
より、
$$ 14t^2-74t+92=0 $$
となる。これを整理して
$$ 7t^2-37t+46=0 $$
であり、因数分解すると
$$ (7t-23)(t-2)=0 $$
となるから、
$$ t=2,\ \frac{23}{7} $$
を得る。原点から最初に当たる点は $t=2$ のときであるから、反射点は
$$ P=(6,4,2) $$
である。
次に、点 $P$ における法線ベクトルを求める。球の中心を $C=(7,6,4)$ とすると、
$$ \overrightarrow{CP}=P-C=(6-7,\ 4-6,\ 2-4)=(-1,-2,-2) $$
であり、これが法線ベクトルである。
入射ベクトルを
$$ \mathbf{v}=(3,2,1) $$
法線ベクトルを
$$ \mathbf{n}=(-1,-2,-2) $$
とする。反射ベクトル $\mathbf{v}'$ は
$$ \mathbf{v}'=\mathbf{v}-2\frac{\mathbf{v}\cdot \mathbf{n}}{\mathbf{n}\cdot \mathbf{n}}\mathbf{n} $$
で与えられる。
ここで、
$$ \mathbf{v}\cdot \mathbf{n}=3(-1)+2(-2)+1(-2)=-9 $$
また、
$$ \mathbf{n}\cdot \mathbf{n}=(-1)^2+(-2)^2+(-2)^2=9 $$
だから、
$$ \mathbf{v}' =(3,2,1)-2\cdot \frac{-9}{9}(-1,-2,-2) =(3,2,1)+2(-1,-2,-2) =(1,-2,-3) $$
となる。
したがって、反射後の光線は
$$ (x,y,z)=(6,4,2)+s(1,-2,-3)\qquad (s\geqq 0) $$
と表される。
これが $xy$ 平面、すなわち $z=0$ と交わる点を求める。$z$ 座標に注目すると、
$$ 2-3s=0 $$
より
$$ s=\frac{2}{3} $$
である。よって交点は
$$ \left(6+\frac{2}{3},\ 4-\frac{4}{3},\ 0\right) ============================================== \left(\frac{20}{3},\ \frac{8}{3},\ 0\right) $$
となる。
解説
この問題の本質は、反射点を先に正確に求めることにある。球面での反射なので、反射点における法線は「球の中心と反射点を結ぶ方向」である。
反射方向は、入射ベクトルを法線方向について折り返したものとして処理できる。したがって、反射公式
$$ \mathbf{v}'=\mathbf{v}-2\frac{\mathbf{v}\cdot \mathbf{n}}{\mathbf{n}\cdot \mathbf{n}}\mathbf{n} $$
を使うのが最も直接的である。
途中で球との交点が $2$ 個出るが、光は原点から進むので、最初に当たる方を反射点として選ぶ必要がある。この点を取り違えると全体が崩れる。
答え
反射点は
$$ (6,4,2) $$
である。
反射後、光線が $xy$ 平面と交わる点は
$$ \left(\frac{20}{3},\frac{8}{3},0\right) $$
である。
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