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東北大学 1996年 文系 第3問 解説

数学C/空間ベクトル数学1/立体図形テーマ/空間図形テーマ/接線・法線
東北大学 1996年 文系 第3問 解説

方針・初手

球面 $S$ の中心を $O(3,2,1)$、半径を $1$ とする。

点 $P$ を通る球面への接線の接点を $T$ とすると、半径 $OT$ は接線 $PT$ に垂直であるから、$\triangle OPT$ は $T$ で直角になる。したがって、接点全体は直線 $OP$ に垂直なある平面上の円になる。

そこで、まず円 $C$ を含む平面 $\alpha$ を求め、その平面と直線 $OP$ との交点を円の中心 $A$ とする。次に、球の半径から円 $C$ の半径 $r$ を求める。

解法1

球面 $S$ の中心は

$$ O(3,2,1) $$

であり、点 $P$ は

$$ P(-1,6,3) $$

である。

まず、

$$ \overrightarrow{OP}=(-4,4,2) $$

より、

$$ |OP|=\sqrt{(-4)^2+4^2+2^2}=\sqrt{16+16+4}=6 $$

である。

接点を $T(x,y,z)$ とすると、$T$ は球面上の点であり、しかも $PT$ は接線であるから

$$ \overrightarrow{OT}\perp \overrightarrow{PT} $$

が成り立つ。よって

$$ \overrightarrow{OT}\cdot \overrightarrow{PT}=0 $$

である。

ここで

$$ \overrightarrow{OT}=(x-3,\ y-2,\ z-1),\qquad \overrightarrow{PT}=(x+1,\ y-6,\ z-3) $$

であるから、

$$ (x-3)(x+1)+(y-2)(y-6)+(z-1)(z-3)=0 $$

を得る。

これを整理すると

$$ x^2-2x-3+y^2-8y+12+z^2-4z+3=0 $$

すなわち

$$ x^2+y^2+z^2-2x-8y-4z+12=0 $$

である。一方、$T$ は球面 $S$ 上の点なので、

$$ (x-3)^2+(y-2)^2+(z-1)^2=1 $$

すなわち

$$ x^2+y^2+z^2-6x-4y-2z+13=1 $$

より

$$ x^2+y^2+z^2-6x-4y-2z+12=0 $$

である。

この式から先ほどの式を引くと、

$$ (-6x+2x)+(-4y+8y)+(-2z+4z)=0 $$

より

$$ -4x+4y+2z=0-? $$

となるが、定数項も正しく含めて計算すると、

$$ (x^2+y^2+z^2-6x-4y-2z+12) -(x^2+y^2+z^2-2x-8y-4z+12)=0 $$

より

$$ -4x+4y+2z=0 $$

ではなく、接線条件の式の整理をもう一度正確に行うと、

$$ \overrightarrow{OT}\cdot \overrightarrow{PT} ============================================ (x-3)(x+1)+(y-2)(y-6)+(z-1)(z-3)=0 $$

に対して

$$ \overrightarrow{PT} =================== \overrightarrow{OT}-\overrightarrow{OP} \qquad (\because \overrightarrow{OP}=(-4,4,2)) $$

であるから、

$$ \overrightarrow{OT}\cdot(\overrightarrow{OT}-\overrightarrow{OP})=0 $$

すなわち

$$ |\overrightarrow{OT}|^2-\overrightarrow{OT}\cdot \overrightarrow{OP}=0 $$

を得る。

球面上では $|\overrightarrow{OT}|=1$ なので、

$$ \overrightarrow{OT}\cdot \overrightarrow{OP}=1 $$

である。したがって、接点 $T(x,y,z)$ は

$$ (x-3,\ y-2,\ z-1)\cdot(-4,4,2)=1 $$

を満たす。ゆえに

$$ -4(x-3)+4(y-2)+2(z-1)=1 $$

すなわち

$$ -4x+4y+2z+1=0 $$

を満たす。

よって、円 $C$ を含む平面 $\alpha$ は

$$ \alpha:\ -4x+4y+2z+1=0 $$

である。

次に、円 $C$ の中心 $A$ は、球の中心 $O$ から平面 $\alpha$ へ下ろした垂線の足である。平面 $\alpha$ の法線ベクトルは

$$ (-4,4,2)=\overrightarrow{OP} $$

であるから、$A$ は直線 $OP$ 上にある。

直線 $OP$ を

$$ (x,y,z)=(3,2,1)+t(-4,4,2) $$

とおく。これを平面 $\alpha$ に代入すると

$$ -4(3-4t)+4(2+4t)+2(1+2t)+1=0 $$

より

$$ -12+16t+8+16t+2+4t+1=0 $$

$$ 36t-1=0 $$

したがって

$$ t=\frac{1}{36} $$

である。よって

$$ A= \left( 3-\frac{4}{36},\ 2+\frac{4}{36},\ 1+\frac{2}{36} \right) ======= \left( \frac{26}{9},\ \frac{19}{9},\ \frac{19}{18} \right) $$

となる。

さらに、円 $C$ の半径を $r$ とすると、$OA$ は球の中心から平面 $\alpha$ までの距離であるから、

$$ OA=\frac{| -4\cdot 3+4\cdot 2+2\cdot 1+1 |}{\sqrt{(-4)^2+4^2+2^2}} =\frac{1}{6} $$

である。したがって、球の半径が $1$ であることから

$$ r=\sqrt{1^2-\left(\frac{1}{6}\right)^2} =\sqrt{\frac{35}{36}} =\frac{\sqrt{35}}{6} $$

を得る。

解説

接点全体が円になる理由は、各接点 $T$ において $\triangle OPT$ が直角三角形になり、さらに接点がすべて直線 $OP$ に垂直な同一平面上に並ぶからである。

この問題では、接線条件を

$$ \overrightarrow{OT}\perp \overrightarrow{PT} $$

とおいて処理するのが基本である。これを

$$ \overrightarrow{OT}\cdot(\overrightarrow{OT}-\overrightarrow{OP})=0 $$

と変形すると、球面上では $|\overrightarrow{OT}|=1$ が使えて、接点の存在する平面をすぐに求められる。そこから中心は「球の中心からその平面に下ろした垂線の足」、半径は直角三角形で求まる。

答え

円 $C$ の中心は

$$ A\left(\frac{26}{9},\ \frac{19}{9},\ \frac{19}{18}\right) $$

半径は

$$ r=\frac{\sqrt{35}}{6} $$

円 $C$ を含む平面 $\alpha$ の方程式は

$$ -4x+4y+2z+1=0 $$

である。

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