北海道大学 1986年 理系 第2問 解説

方針・初手
(1) 求める直線上の点として、直線 $g$ との交点を媒介変数を用いて表す。原点とこの交点を結ぶ方向ベクトルと、直線 $g$ の方向ベクトルとのなす角が $60^\circ$ (または $120^\circ$)になるように立式する。
(2) 球面の半径、切り口の円の半径、球面の中心から平面までの距離の間に成り立つ直角三角形の図形的関係(三平方の定理)を利用する。切り口の円の中心は、球面の中心から平面に下ろした垂線の足となることを利用して座標を求める。
解法1
(1) 球面 $S: x^2 + y^2 + z^2 = 25$ の中心は原点 $O(0, 0, 0)$ である。 求める直線を $l$ とし、直線 $g$ との交点を $P$ とおく。直線 $g$ の方程式は
$$ \frac{x-3}{2} = y-3 = z $$
であるから、媒介変数 $t$ を用いて点 $P$ の座標は $(2t+3, t+3, t)$ と表せる。 直線 $l$ は原点 $O$ と点 $P$ を通るため、その方向ベクトルは $\vec{OP} = (2t+3, t+3, t)$ である。 また、直線 $g$ の方向ベクトルを $\vec{d}$ とすると、$\vec{d} = (2, 1, 1)$ である。
直線 $l$ と直線 $g$ の交角が $60^\circ$ であるから、$\vec{OP}$ と $\vec{d}$ のなす角は $60^\circ$ または $120^\circ$ である。したがって、次の関係式が成り立つ。
$$ \frac{|\vec{OP} \cdot \vec{d}|}{|\vec{OP}| |\vec{d}|} = \cos 60^\circ = \frac{1}{2} $$
内積 $\vec{OP} \cdot \vec{d}$ および各ベクトルの大きさは次のように計算できる。
$$ \vec{OP} \cdot \vec{d} = 2(2t+3) + 1(t+3) + 1 \cdot t = 6t+9 = 3(2t+3) $$
$$ |\vec{OP}|^2 = (2t+3)^2 + (t+3)^2 + t^2 = 6t^2 + 18t + 18 = 6(t^2 + 3t + 3) $$
$$ |\vec{d}|^2 = 2^2 + 1^2 + 1^2 = 6 $$
これらを代入して整理する。
$$ \frac{3|2t+3|}{\sqrt{6(t^2+3t+3)} \sqrt{6}} = \frac{1}{2} $$
$$ \frac{3|2t+3|}{6\sqrt{t^2+3t+3}} = \frac{1}{2} $$
$$ |2t+3| = \sqrt{t^2+3t+3} $$
両辺はともに正であるから、両辺を2乗する。
$$ (2t+3)^2 = t^2+3t+3 $$
$$ 4t^2 + 12t + 9 = t^2 + 3t + 3 $$
$$ 3t^2 + 9t + 6 = 0 $$
$$ t^2 + 3t + 2 = 0 $$
$$ (t+1)(t+2) = 0 $$
これより、$t = -1, -2$ を得る。
$t = -1$ のとき、$\vec{OP} = (1, 2, -1)$ となる。このとき直線 $l$ は原点を通り方向ベクトルが $(1, 2, -1)$ であるから、その方程式は
$$ \frac{x}{1} = \frac{y}{2} = \frac{z}{-1} $$
$t = -2$ のとき、$\vec{OP} = (-1, 1, -2)$ となる。このとき直線 $l$ は原点を通り方向ベクトルが $(-1, 1, -2)$ であるから、その方程式は
$$ \frac{x}{-1} = \frac{y}{1} = \frac{z}{-2} $$
(2) 球面 $S$ の半径を $R$、直線 $g$ に垂直な平面による切り口の円の半径を $r$、球面の中心 $O(0, 0, 0)$ からこの平面までの距離を $d$ とする。 $S$ の方程式より $R^2 = 25$ である。切り口の円の面積が $7\pi$ であるから、$\pi r^2 = 7\pi$ より $r^2 = 7$ である。 図形的な性質より $R^2 = r^2 + d^2$ が成り立つため、
$$ 25 = 7 + d^2 $$
$$ d^2 = 18 $$
$d > 0$ より、$d = 3\sqrt{2}$ である。
切り口の円の中心を $C$ とする。点 $C$ は、原点 $O$ から平面に下ろした垂線の足に一致する。 この平面は直線 $g$ に垂直であるから、直線 $OC$ の方向ベクトルは直線 $g$ の方向ベクトル $\vec{d} = (2, 1, 1)$ に平行である。 よって、実数 $k$ を用いて $\vec{OC} = k\vec{d} = (2k, k, k)$ と表せる。 線分 $OC$ の長さが $d$ であるから、$|\vec{OC}| = 3\sqrt{2}$ となる。
$$ \sqrt{(2k)^2 + k^2 + k^2} = 3\sqrt{2} $$
$$ \sqrt{6k^2} = 3\sqrt{2} $$
両辺を2乗して整理する。
$$ 6k^2 = 18 $$
$$ k^2 = 3 $$
これより、$k = \pm \sqrt{3}$ を得る。 したがって、求める円の中心 $C$ の座標は、$(2\sqrt{3}, \sqrt{3}, \sqrt{3})$ または $(-2\sqrt{3}, -\sqrt{3}, -\sqrt{3})$ である。
解説
空間図形における直線と球面の基本的な扱いを問う問題である。 (1) では、直線上の点を媒介変数で設定し、交角をベクトルの内積と大きさの関係から処理する。2直線のなす角 $\theta$ は $0^\circ \leqq \theta \leqq 90^\circ$ で定義されるため、方向ベクトルのなす角としては鈍角になる可能性も考慮し、$\cos$ の絶対値をとるか、$\cos 60^\circ$ になるように大きさを調整したうえで立式する必要がある。 (2) では、平面の方程式を具体的に求める必要はない。球面の切り口に関する問題は、球面の中心・切り口の円の中心・切り口の円周上の点を結んでできる直角三角形に着目し、三平方の定理を用いるのが定石である。平面の法線ベクトルが直線 $g$ の方向ベクトルと一致することに気づけば、中心の座標は容易に求まる。
答え
(1) $\frac{x}{1} = \frac{y}{2} = \frac{z}{-1}$ または $\frac{x}{-1} = \frac{y}{1} = \frac{z}{-2}$
(2) $(2\sqrt{3}, \sqrt{3}, \sqrt{3}), \quad (-2\sqrt{3}, -\sqrt{3}, -\sqrt{3})$
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