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東北大学 2001年 理系 第1問 解説

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東北大学 2001年 理系 第1問 解説

方針・初手

2つの曲線の差をとると、交点の位置と上下関係が分かる。実際、

$$ (x^3+bx^2)-(ax^2+abx)=x(x-a)(x+b) $$

と因数分解できるので、交点は $x=-b,0,a$ である。したがって、囲まれる2つの部分は区間 $[-b,0]$ と $[0,a]$ に対応する。

そのうえで、各区間でどちらの曲線が上にあるかを符号で判定し、面積を積分で求める。(2) では $a+b=1$ を使って $S$ を整理し、最小値を調べる。

解法1

2つの曲線を

$$ y_1=x^3+bx^2,\qquad y_2=ax^2+abx $$

とおく。

まず差をとると

$$ y_1-y_2=x^3+(b-a)x^2-abx=x(x-a)(x+b) $$

となる。よって交点の $x$ 座標は

$$ x=-b,\ 0,\ a $$

である。

次に、各区間での符号を調べる。

(i) $-b<x<0$ のとき

$x<0,\ x-a<0,\ x+b>0$ であるから、

$$ x(x-a)(x+b)>0 $$

となる。したがってこの区間では $y_1>y_2$ である。

(ii) $0<x<a$ のとき

$x>0,\ x-a<0,\ x+b>0$ であるから、

$$ x(x-a)(x+b)<0 $$

となる。したがってこの区間では $y_2>y_1$ である。

以上より、面積の和 $S$ は

$$ S=\int_{-b}^{0}(y_1-y_2),dx+\int_{0}^{a}(y_2-y_1),dx $$

である。

ここで

$$ y_1-y_2=x^3+(b-a)x^2-abx $$

であるから、原始関数を

$$ F(x)=\frac{x^4}{4}+\frac{b-a}{3}x^3-\frac{ab}{2}x^2 $$

とおくと、

$$ \int_{-b}^{0}(y_1-y_2),dx =F(0)-F(-b) =\frac{b^4}{12}+\frac{ab^3}{6} $$

また、

$$ \int_{0}^{a}(y_2-y_1),dx =-(F(a)-F(0)) =\frac{a^4}{12}+\frac{a^3b}{6} $$

である。

したがって

$$ S=\frac{b^4}{12}+\frac{ab^3}{6}+\frac{a^4}{12}+\frac{a^3b}{6} =\frac{a^4+2a^3b+2ab^3+b^4}{12} $$

すなわち

$$ S=\frac{a^3(a+2b)+b^3(b+2a)}{12} $$

を得る。これが (1) の答えである。

次に (2) を考える。$a+b=1$ とする。

このとき $p=ab$ とおくと、

$$ a^2+b^2=(a+b)^2-2ab=1-2p $$

であり、

$$ a^4+b^4=(a^2+b^2)^2-2a^2b^2=(1-2p)^2-2p^2=1-4p+2p^2 $$

また、

$$ 2a^3b+2ab^3=2ab(a^2+b^2)=2p(1-2p)=2p-4p^2 $$

である。したがって

$$ 12S=(a^4+b^4)+(2a^3b+2ab^3) =(1-4p+2p^2)+(2p-4p^2) =1-2p-2p^2 $$

となる。

ここで $a,b>0,\ a+b=1$ より

$$ 0<p=ab\leqq \frac14 $$

である。$1-2p-2p^2$ は $p$ が大きいほど小さくなるので、$S$ が最小となるのは $p$ が最大のとき、すなわち

$$ ab=\frac14 $$

のときである。

$a+b=1,\ ab=\dfrac14$ を満たす正の数 $a,b$ は

$$ a=b=\frac12 $$

のみである。

このとき

$$ S=\frac{1}{12}\left(1-2\cdot \frac14-2\cdot \frac1{16}\right) =\frac{1}{12}\cdot \frac38 =\frac1{32} $$

となる。

解説

この問題では、2曲線の差が

$$ x(x-a)(x+b) $$

と因数分解できることが決定的である。これにより、交点が $x=-b,0,a$ とすぐ分かり、さらに区間ごとの上下関係も符号判定で正確に処理できる。

また、(2) では $a+b=1$ という条件のもとで $ab$ にまとめるのが有効である。対称式になっているので、$a,b$ を直接1変数で処理するよりも、$ab\leqq \dfrac14$ を使う方が見通しがよい。

答え

$$ S=\frac{a^4+2a^3b+2ab^3+b^4}{12} =\frac{a^3(a+2b)+b^3(b+2a)}{12} $$

また、$a+b=1$ のとき $S$ を最小にするのは

$$ a=b=\frac12 $$

であり、そのとき

$$ S=\frac1{32} $$

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