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東北大学 2005年 理系 第6問 解説

数学2/三角関数数学2/微分法テーマ/最大・最小
東北大学 2005年 理系 第6問 解説

方針・初手

$0<a<1$ であり、$0\le x\le \pi$ では $\cos x\in[-1,1]$ だから

$$ a\cos x+1\ge 1-a>0 $$

である。したがって、分母の符号を気にせず変形できる。

また、$t=\cos x$ とおくと $t\in[-1,1]$ であり、$x$ が $0$ から $\pi$ へ増えるとき $t$ は $1$ から $-1$ へ減少する。よって

$$ f(x)=\frac{\cos 2x-2}{a\cos x+1} =\frac{2\cos^2 x-3}{a\cos x+1} =\frac{2t^2-3}{at+1} =:g(t) $$

とおけば、$f(x)$ の単調性は $g(t)$ の単調性に言い換えられる。

解法1

(1) $f(x)$ が $0\le x\le \pi$ で減少関数となる $a$ の範囲

$t=\cos x$ とおいたとき

$$ g(t)=\frac{2t^2-3}{at+1} $$

であるから、微分すると

$$ g'(t) =\frac{4t(at+1)-a(2t^2-3)}{(at+1)^2} =\frac{2at^2+4t+3a}{(at+1)^2} $$

となる。

ここで $(at+1)^2>0$ なので、$g'(t)$ の符号は

$$ q(t)=2at^2+4t+3a $$

の符号で決まる。

$q(t)$ は上に凸の2次式であり、その頂点は

$$ t=-\frac{4}{4a}=-\frac{1}{a} $$

にある。$0<a<1$ より $-\dfrac{1}{a}<-1$ であるから、区間 $[-1,1]$ では $q(t)$ は増加する。したがって、$[-1,1]$ における最小値は $t=-1$ のときであり、

$$ q(-1)=2a-4+3a=5a-4 $$

である。

よって、$g'(t)\ge 0$ が $[-1,1]$ 全体で成り立つための必要十分条件は

$$ 5a-4\ge 0 $$

すなわち

$$ a\ge \frac45 $$

である。

一方、$x$ が増加すると $t=\cos x$ は減少するので、$g(t)$ が $t$ について増加であれば $f(x)=g(\cos x)$ は $x$ について減少する。

したがって、求める範囲は

$$ \frac45\le a<1 $$

である。

(2) $f(x)$ の $0\le x\le \pi$ における最大値は $f(0)$ であることの証明

再び $t=\cos x\in[-1,1]$ とおく。このとき

$$ f(x)=\frac{2t^2-3}{at+1} $$

であり、

$$ f(0)=\frac{\cos 0\cdot 2-2}{a\cos 0+1} =\frac{1-2}{a+1} =-\frac{1}{a+1} $$

である。

そこで、$f(x)\le f(0)$ を示せばよい。分母 $at+1$ と $a+1$ はともに正であるから、

$$ \frac{2t^2-3}{at+1}\le -\frac{1}{a+1} $$

$$ (a+1)(2t^2-3)+(at+1)\le 0 $$

と同値である。左辺を整理すると

$$ 2(a+1)t^2+at-(3a+2) $$

となるが、これは $t=1$ を代入すると $0$ になるので

$$ 2(a+1)t^2+at-(3a+2) =(t-1){2(a+1)t+3a+2} $$

と因数分解できる。

ここで、$t\in[-1,1]$ だから

$$ t-1\le 0 $$

である。また

$$ 2(a+1)t+3a+2\ge 2(a+1)(-1)+3a+2=a>0 $$

である。したがって

$$ (t-1){2(a+1)t+3a+2}\le 0 $$

となる。よって

$$ f(x)\le -\frac{1}{a+1}=f(0) $$

が成り立つ。

以上より、$0\le x\le \pi$ における最大値は $f(0)$ である。

解説

(1) では、$\cos x$ を新しい変数 $t$ に置き換えると有理関数の単調性の問題になる。$x$ に関する減少と、$t$ に関する増加が対応する点が重要である。

(2)(1) の結果を使わず、すべての $0<a<1$ に対して成り立つ事実である。したがって、$a<\dfrac45$ のときにも最大値は $f(0)$ のままである。ここでは $f(x)-f(0)\le 0$ を直接示すのが最も確実である。

答え

$$ \text{(1)}\ \frac45\le a<1 $$

また、$0<a<1$ のすべてに対して、$0\le x\le \pi$ で

$$ f(x)\le f(0)=-\frac{1}{a+1} $$

が成り立つ。したがって、$f(x)$ の $0\le x\le \pi$ における最大値は

$$ f(0)=-\frac{1}{a+1} $$

である。

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