トップ 東北大学 2011年 理系 第5問

東北大学 2011年 理系 第5問 解説

数学C/複素数平面数学2/複素数と方程式テーマ/場合分け
東北大学 2011年 理系 第5問 解説

方針・初手

いずれも $z\neq 0$ であるから、まず両辺に $z$ を掛けて分母を払う。

すると、(1) はそのまま $z$ についての二次方程式になり、(2) は $|z|^2$ を含む式に変形できる。特に (2) では、実数 $a$ と $|z|^2$ の間に $z$ が挟まるので、虚部に注目すると $z$ が実数であることが分かる。

また (3) では $z\bar z=|z|^2$ を用いると、式が $|z|^2$ だけで表せる。

解法1

(1)

与式

$$ z+1-\frac{a}{z}=0 $$

の両辺に $z$ を掛けると

$$ z^2+z-a=0 $$

を得る。よって、$z$ はこの二次方程式の解であるから

$$ z=\frac{-1\pm\sqrt{1+4a}}{2} $$

となる。

ただし条件は $z\neq 0$ である。実際に $z=0$ となるのは $a=0$ のときだけで、その場合の解は $z=0,-1$ のうち $z=-1$ のみが許される。

したがって、求める $z$ は

$$ z=\frac{-1\pm\sqrt{1+4a}}{2}\quad(\text{ただし }z\neq 0) $$

である。特に $a=0$ のときは $z=-1$ のみである。

(2)

与式

$$ \bar z+1-\frac{a}{z}=0 $$

の両辺に $z$ を掛けると

$$ z\bar z+z-a=0 $$

すなわち

$$ |z|^2+z=a $$

となる。

ここで $|z|^2$ と $a$ はともに実数である。したがって、左辺が実数になるためには $z$ も実数でなければならない。

そこで $z=x$ とおく。ただし $x\neq 0$ である。このとき与式は

$$ x+1-\frac{a}{x}=0 $$

より

$$ x^2+x-a=0 $$

となる。

この二次方程式が実数解をもつ条件は判別式が $0$ 以上であることであるから、

$$ 1+4a\geq 0 $$

すなわち

$$ a\geq -\frac14 $$

である。

なお $a=0$ のとき、方程式 $x^2+x=0$ の解は $x=0,-1$ であり、$x=-1$ が条件 $x\neq 0$ を満たす。したがって $x\neq 0$ という条件による追加の制限はない。

よって、求める範囲は

$$ a\geq -\frac14 $$

である。

(3)

与式

$$ z(\bar z)^2+\bar z-\frac{a}{z}=0 $$

の両辺に $z$ を掛けると

$$ z^2(\bar z)^2+z\bar z-a=0 $$

となる。

ここで

$$ z\bar z=|z|^2,\qquad z^2(\bar z)^2=(z\bar z)^2=|z|^4 $$

であるから、

$$ |z|^4+|z|^2-a=0 $$

を得る。

ここで

$$ t=|z|^2 $$

とおくと、$z\neq 0$ より

$$ t>0 $$

であり、式は

$$ t^2+t-a=0 $$

すなわち

$$ a=t^2+t $$

となる。

$t>0$ のとき

$$ t^2+t>0 $$

であるから、必要条件として

$$ a>0 $$

を得る。

逆に $a>0$ とすると、関数

$$ f(t)=t^2+t \qquad (t>0) $$

は $t>0$ で単調増加し、その値域は $(0,\infty)$ である。したがって任意の $a>0$ に対して、$f(t)=a$ を満たす $t>0$ が存在する。

そのような $t$ に対し、たとえば $z=\sqrt t$ ととれば $z\neq 0$ かつ $|z|^2=t$ であり、上の式を満たす。

よって、求める範囲は

$$ a>0 $$

である。

解説

この問題の要点は、共役複素数を含む式でも $z\bar z=|z|^2$ が実数になることをうまく使う点にある。

(2) では

$$ |z|^2+z=a $$

という形に直した瞬間に、右辺が実数であることから $z$ 自身も実数であると分かる。ここを見抜けると、複素数の問題が実数の二次方程式に落ちる。

(3) ではさらに強く、式全体が $|z|^2$ だけの条件になる。したがって偏角は本質的でなく、$|z|^2$ を新しい変数とみなせばよい。

答え

$$ \text{(1)}\quad z=\frac{-1\pm\sqrt{1+4a}}{2}\quad(\text{ただし }z\neq 0) $$

特に $a=0$ のときは $z=-1$ のみである。

$$ \text{(2)}\quad a\geq -\frac14 $$

$$ \text{(3)}\quad a>0 $$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。