東北大学 2011年 理系 第4問 解説

方針・初手
座標を置いてベクトルを具体化するのが最も直接的である。
$O=(0,0)$、$A=(3,0)$ とおき、$\theta$ を用いて $B$ を表す。まず交点 $R$ を求め、その後 $\overrightarrow{OR}\perp \overrightarrow{AB}$ の条件を $\cos\theta$ の式に直す。最後に、その式がどの $\theta,(0<\theta<\pi)$ に対しても成り立たないような $t$ の範囲を調べればよい。
解法1
$\overrightarrow{OA}=\vec a$ の長さは $3$ であるから、
$$ O=(0,0),\quad A=(3,0) $$
とおいてよい。
また、$\vec b$ の大きさは $2$ で、$\vec a$ と角 $\theta\ (0<\theta<\pi)$ をなすので、
$$ B=(2\cos\theta,,2\sin\theta) $$
と表せる。さらに
$$ P=(3t,0),\quad Q=(\cos\theta,\sin\theta) $$
である。
交点 $R$ の座標
$R$ は線分 $AQ$ と線分 $BP$ の交点であるから、ある実数 $u,v$ を用いて
$$ R=A+u(Q-A)=B+v(P-B) $$
と書ける。
成分で表すと
$$ R=(3+u(\cos\theta-3),,u\sin\theta) $$
かつ
$$ R=(2\cos\theta+v(3t-2\cos\theta),,2\sin\theta(1-v)) $$
である。
ここで $0<\theta<\pi$ より $\sin\theta>0$ だから、$y$ 成分を比較して
$$ u=2(1-v) $$
を得る。これを $x$ 成分に代入すると
$$ 3+2(1-v)(\cos\theta-3)=2\cos\theta+v(3t-2\cos\theta) $$
となり、整理して
$$ v=\frac{1}{2-t} $$
を得る。したがって
$$ R=B+\frac{1}{2-t}(P-B) =\frac{1-t}{2-t}B+\frac{1}{2-t}P $$
である。
よってベクトルで書けば
$$ \overrightarrow{OR} =\frac{1}{2-t}\bigl((1-t)\vec b+t\vec a\bigr) $$
となる。
$\overrightarrow{OR}\perp \overrightarrow{AB}$ の条件
$\overrightarrow{AB}=\vec b-\vec a$ であるから、
$$ \overrightarrow{OR}\perp \overrightarrow{AB} $$
は
$$ \bigl((1-t)\vec b+t\vec a\bigr)\cdot(\vec b-\vec a)=0 $$
と同値である。
ここで
$$ |\vec a|=3,\quad |\vec b|=2,\quad \vec a\cdot\vec b=3\cdot2\cos\theta=6\cos\theta $$
だから、
$$ \begin{aligned} 0&=\bigl((1-t)\vec b+t\vec a\bigr)\cdot(\vec b-\vec a)\\ &=(1-t)(|\vec b|^2-\vec a\cdot\vec b)+t(\vec a\cdot\vec b-|\vec a|^2)\\ &=(1-t)(4-6\cos\theta)+t(6\cos\theta-9). \end{aligned} $$
整理すると
$$ 6(2t-1)\cos\theta=13t-4 $$
を得る。
どの $\theta$ をとっても垂直にならない条件
$0<\theta<\pi$ のとき
$$ -1<\cos\theta<1 $$
である。
したがって、ある $\theta$ で垂直になるための必要十分条件は、上の式から
$$ \cos\theta=\frac{13t-4}{6(2t-1)} $$
が $(-1,1)$ に入ることである。
よって、どのように $\theta$ をとっても垂直にならないためには、$t=\frac12$ の場合を除けば
$$ \left|\frac{13t-4}{6(2t-1)}\right|\ge 1 $$
であればよい。
これを解くと
$$ (13t-4)^2\ge 36(2t-1)^2 $$
すなわち
$$ 5(t+2)(5t-2)\ge 0 $$
となる。もともと $0<t<1$ であるから、
$$ t\ge \frac25 $$
である。
また $t=\frac12$ のときは
$$ 6(2t-1)\cos\theta=13t-4 $$
が
$$ 0=\frac52 $$
となって不可能であり、やはりどの $\theta$ でも垂直にならない。
以上より求める範囲は
$$ \frac25\le t<1 $$
である。
解説
この問題の核心は、交点 $R$ を先にベクトルで表すことである。$R$ の位置が $\theta$ に複雑に依存しそうに見えるが、実際には
$$ \overrightarrow{OR} =\frac{1}{2-t}\bigl((1-t)\vec b+t\vec a\bigr) $$
と非常に簡潔に表せる。
そこまで行けば、垂直条件は内積 $0$ に落ち、最終的には $\cos\theta$ が $(-1,1)$ に入るかどうかの判定になる。したがって、幾何の問題に見えても、実質はベクトルと三角比の値域の問題である。
答え
$$ \boxed{\frac25\le t<1} $$
である。
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