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東北大学 2018年 理系 第5問 解説

数学C/複素数平面数学C/式と曲線テーマ/軌跡・領域
東北大学 2018年 理系 第5問 解説

方針・初手

(1) は、実数解を $x$ とおいて式を $\alpha$ について解けばよい。すると $\alpha$ を実数 $x$ で媒介表示でき、軌跡がすぐに求まる。

(2) は、絶対値 $1$ の解を $z=e^{i\theta}$ とおくのが自然である。解と係数の関係より $\alpha=z+\dfrac{2i}{z}$ と表せるので、これを原点中心に $\dfrac{\pi}{4}$ 回転した複素数 $\beta$ を座標表示して消去する。

解法1

(1)

方程式

$$ z^2-\alpha z+2i=0 $$

が実数解をもつとする。その実数解を $x$ とおくと、$x\in \mathbb{R}$ で

$$ x^2-\alpha x+2i=0 $$

が成り立つ。

ここで $x=0$ なら $2i=0$ となって不可能であるから、$x\neq 0$ である。よって

$$ \alpha=\frac{x^2+2i}{x}=x+\frac{2}{x}i $$

と表される。

$\alpha=u+vi$ とおけば

$$ u=x,\qquad v=\frac{2}{x} $$

であるから、

$$ uv=2 $$

を得る。

したがって、点 $\alpha$ の軌跡は複素数平面上で

$$ xy=2 $$

を満たす双曲線である。これは第1象限と第3象限にある2つの枝からなる。


(2)

方程式が絶対値 $1$ の複素数を解にもつとする。その解を $z$ とすると

$$ |z|=1 $$

である。

方程式

$$ z^2-\alpha z+2i=0 $$

を $z$ について見れば、$z\neq 0$ なので

$$ \alpha=z+\frac{2i}{z} $$

である。

ここで $|z|=1$ より、$z=e^{i\theta}$ とおける。すると

$$ \alpha=e^{i\theta}+2i,e^{-i\theta} $$

となる。

さらに、$\alpha$ を原点中心に $\dfrac{\pi}{4}$ 回転させた複素数を $\beta$ とすると

$$ \beta=e^{i\pi/4}\alpha $$

であるから、

$$ \beta=e^{i\pi/4}\left(e^{i\theta}+2i,e^{-i\theta}\right) $$

となる。

ここで $z=e^{i\theta}=\cos\theta+i\sin\theta$ とおくと、

$$ \alpha =(\cos\theta+2\sin\theta)+i(\sin\theta+2\cos\theta) $$

である。

$\beta=X+iY$ とすると、$\beta=e^{i\pi/4}\alpha=\dfrac{1+i}{\sqrt{2}}\alpha$ より

$$ X=\frac{(\cos\theta+2\sin\theta)-(\sin\theta+2\cos\theta)}{\sqrt{2}} =\frac{\sin\theta-\cos\theta}{\sqrt{2}}, $$

$$ Y=\frac{(\cos\theta+2\sin\theta)+(\sin\theta+2\cos\theta)}{\sqrt{2}} =\frac{3(\sin\theta+\cos\theta)}{\sqrt{2}} $$

となる。

したがって

$$ \frac{X^2}{1^2}+\frac{Y^2}{3^2} =\frac{(\sin\theta-\cos\theta)^2}{2} +\frac{9(\sin\theta+\cos\theta)^2}{2\cdot 9} $$

$$ =\frac{(\sin\theta-\cos\theta)^2+(\sin\theta+\cos\theta)^2}{2} $$

$$ =\frac{2(\sin^2\theta+\cos^2\theta)}{2}=1 $$

を得る。

よって、点 $\beta$ の軌跡は

$$ x^2+\frac{y^2}{9}=1 $$

で表される楕円である。中心は原点、長軸は虚軸方向、短軸は実軸方向であり、頂点は $\pm 1,\ \pm 3i$ である。

解説

(1) では「実数解をもつ」という条件を、その解を実数 $x$ とおいて直接使うのが最短である。複素数 $\alpha$ を無理に実部・虚部に分ける必要はない。

(2) では $|z|=1$ という条件から $z=e^{i\theta}$ とおくのが典型である。解と係数の関係により $\alpha=z+\dfrac{2i}{z}$ と直ちに出せるので、そこから回転後の $\beta$ を座標表示し、$\theta$ を消去すれば楕円になる。回転前の $\alpha$ のままだと式がやや見にくいが、$\dfrac{\pi}{4}$ 回転すると主軸が座標軸にそろい、標準形が現れる。

答え

(1)

点 $\alpha$ の軌跡は

$$ xy=2 $$

で表される双曲線である。

(2)

点 $\beta$ の軌跡は

$$ x^2+\frac{y^2}{9}=1 $$

で表される楕円である。

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