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東京工業大学 2007年 理系 第2問 解説

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東京工業大学 2007年 理系 第2問 解説

方針・初手

(1) は直線の回転の問題である。接線の傾きを求め、それを正接($\tan$)で表すことで、加法定理を用いて回転後の直線の傾きを計算する。 (2) は面積と極限の計算である。$S(a)$ は定積分で直接求まる。$T(a)$ は放物線と直線の間の面積であるため、交点の $x$ 座標を求め、いわゆる「$\frac{1}{6}$ 公式」を用いると計算量が削減できる。その後、得られた式を用いて極限を計算する。

解法1

(1)

$y = x^2$ より $y' = 2x$ であるから、点 $A(a, a^2)$ における接線の傾きは $2a$ である。

この接線が $x$ 軸の正の向きとなす角を $\theta$ とすると、$a > 0$ より $0 < \theta < \frac{\pi}{2}$ であり、以下の式が成り立つ。

$$ \tan\theta = 2a $$

直線 $l$ は、この接線を点 $A$ を中心に $-30^\circ$ 回転させたものである。直線 $l$ の傾きを $m$ とすると、正接の加法定理より以下のようになる。

$$ m = \tan(\theta - 30^\circ) = \frac{\tan\theta - \tan 30^\circ}{1 + \tan\theta \tan 30^\circ} $$

$\tan 30^\circ = \frac{1}{\sqrt{3}}$ と $\tan\theta = 2a$ を代入して整理する。

$$ m = \frac{2a - \frac{1}{\sqrt{3}}}{1 + 2a \cdot \frac{1}{\sqrt{3}}} = \frac{2\sqrt{3}a - 1}{2a + \sqrt{3}} $$

直線 $l$ は点 $A(a, a^2)$ を通り、傾きが $m$ の直線であるから、その方程式は以下のようになる。

$$ y - a^2 = \frac{2\sqrt{3}a - 1}{2a + \sqrt{3}}(x - a) $$

展開して整理する。

$$ y = \frac{2\sqrt{3}a - 1}{2a + \sqrt{3}}x - a \frac{2\sqrt{3}a - 1}{2a + \sqrt{3}} + a^2 $$

$$ y = \frac{2\sqrt{3}a - 1}{2a + \sqrt{3}}x + \frac{-2\sqrt{3}a^2 + a + 2a^3 + \sqrt{3}a^2}{2a + \sqrt{3}} $$

$$ y = \frac{2\sqrt{3}a - 1}{2a + \sqrt{3}}x + \frac{2a^3 - \sqrt{3}a^2 + a}{2a + \sqrt{3}} $$

(2)

線分 $OC$ は $x$ 軸上の区間 $0 \leqq x \leqq a$、線分 $CA$ は直線 $x=a$ 上の線分である。したがって、面積 $S(a)$ は放物線 $y=x^2$ と $x$ 軸、直線 $x=a$ で囲まれた部分の面積となる。

$$ S(a) = \int_{0}^{a} x^2 dx = \left[ \frac{1}{3} x^3 \right]_{0}^{a} = \frac{1}{3} a^3 $$

次に、直線 $l$ と放物線 $y=x^2$ の交点の $x$ 座標を求める。$l$ の方程式を $y = m(x-a) + a^2$ とし、$y=x^2$ と連立する。

$$ x^2 - a^2 - m(x - a) = 0 $$

$$ (x - a)(x + a) - m(x - a) = 0 $$

$$ (x - a)(x + a - m) = 0 $$

これより、交点の $x$ 座標は $x = a$ および $x = m - a$ である。点 $B$ は $A$ でない交点であるから、$B$ の $x$ 座標は $m - a$ となる。

面積 $T(a)$ は放物線と直線で囲まれる部分の面積であるため、交点の $x$ 座標の大小関係に関わらず、以下の積分公式が成り立つ。

$$ T(a) = \frac{1}{6} |a - (m - a)|^3 = \frac{1}{6} |2a - m|^3 $$

ここで、$2a - m$ を計算する。

$$ 2a - m = 2a - \frac{2\sqrt{3}a - 1}{2a + \sqrt{3}} = \frac{2a(2a + \sqrt{3}) - (2\sqrt{3}a - 1)}{2a + \sqrt{3}} = \frac{4a^2 + 1}{2a + \sqrt{3}} $$

$a > 0$ であるから $2a - m > 0$ となり、絶対値記号はそのまま外すことができる。

$$ T(a) = \frac{1}{6} \left( \frac{4a^2 + 1}{2a + \sqrt{3}} \right)^3 $$

求める極限は以下のようになる。

$$ \lim_{a \to \infty} \frac{T(a)}{S(a)} = \lim_{a \to \infty} \frac{ \frac{1}{6} \left( \frac{4a^2 + 1}{2a + \sqrt{3}} \right)^3 }{ \frac{1}{3} a^3 } $$

$$ \lim_{a \to \infty} \frac{T(a)}{S(a)} = \lim_{a \to \infty} \frac{1}{2a^3} \frac{(4a^2 + 1)^3}{(2a + \sqrt{3})^3} $$

$$ \lim_{a \to \infty} \frac{T(a)}{S(a)} = \lim_{a \to \infty} \frac{1}{2} \left( \frac{4a^2 + 1}{2a^2 + \sqrt{3}a} \right)^3 $$

分母・分子の括弧内をそれぞれ $a^2$ で割る。

$$ \lim_{a \to \infty} \frac{T(a)}{S(a)} = \lim_{a \to \infty} \frac{1}{2} \left( \frac{4 + \frac{1}{a^2}}{2 + \frac{\sqrt{3}}{a}} \right)^3 $$

$a \to \infty$ のとき $\frac{1}{a^2} \to 0$、$\frac{\sqrt{3}}{a} \to 0$ であるから、

$$ \lim_{a \to \infty} \frac{T(a)}{S(a)} = \frac{1}{2} \left( \frac{4 + 0}{2 + 0} \right)^3 = \frac{1}{2} \cdot 2^3 = 4 $$

解説

(1) のように直線の回転角が与えられた場合、直線の傾きを $\tan$ で置き、加法定理を用いるのが定石である。ここで法線ベクトルや回転行列を用いることも可能だが、計算が煩雑になるため正接の加法定理の利用が推奨される。

(2) では放物線と直線で囲まれた面積を求めるため、いわゆる「$\frac{1}{6}$ 公式」を用いると計算を大幅に短縮できる。直線 $l$ の式が複雑であるが、交点の片方が $x=a$ であることが分かっているため、因数定理を用いて簡単に交点を求めることができる。極限計算においては、分母分子の最高次数の項で割るという基本方針に従えばよい。

答え

(1)

$$ y = \frac{2\sqrt{3}a - 1}{2a + \sqrt{3}}x + \frac{2a^3 - \sqrt{3}a^2 + a}{2a + \sqrt{3}} $$

(2)

$$ 4 $$

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